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しゅごれい  作者: 千世
第八章 朝野いのりサイド
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(13) 【死ゅ語霊】と恋




「ガールズトークしましょ!」

「ガールズトーク、って……」







 突然の三上さんの提案に、私は呆れるしかない。

 元々知り合いで、今少しだけ友達としての距離は縮まったかもしれないけど、いきなりガールズトークをしなくても……。

 でも、三上さんの好きな人って言うのは、正直気になる。

 夜宵だったらショックを受けるだろうけど、本格的に邪魔しないといけなくなる。だって、夜宵の命がかかっているし、それに……。

 け……けど、参加するという事は、私の好きな人もバラさなきゃいけなくなるという事。

 そ、それだけは、勘弁して欲しい。

 ……待てよ。考えようによっては、私の好きな人を三上さんに伝える事で、三上さんを牽制出来るかも。

 いやいや……。

「あ、もしかして、ガールズトークしたくない?」

「え、あ、いや……そういう訳では……」

 断ったら、不自然かな……。

 そういう事よりも、三上さんの事をもっと知る為には、誘いを受けた方が……。








「楽しそうな事してるじゃん。いーのりん♪」








「――――っ」

 出た!

 叫びそうだったのを、必死に堪える。

 ここは町中。叫んだりしたら、変な目で見られてしまう。大勢の視線に晒されるなんて、冗談じゃない。

 確認しなくても、わかる。

 私の事を面白がり、私の行動を見ているかのように急に現れる……カイ。

「おおっ、涼風さん。こんにちは」

「どうも~。あ、カイで良いぜ。オレもさ、『葵っち』って呼ぶし。敬語も止めるし」

 止めると言うより、厭きたが正解でしょうに。

 カイの性格で、敬語が長くもつ訳がない。知り合いである私が、敬語を使っているところなんて数える程しか見て来てないもの。

「わかった。じゃあ、カイ。宜しくね~」

 三上さんも、何の疑問も持たず、ナチュラルに馴染んでるし。

 どうやら……このままの流れだと、カイもガールズトークに参戦が決定っぽいなぁ……。何で、邪魔するんだろう……。







「……夜宵は一緒じゃないの?」








 何処かへ行けという念を込めながら、私はカイを見る。








「夜宵? 夜宵は……まあ、あるオネーサンと忙しそうだからな」








「は?」

「……まあ、要するに……夜宵は夜宵の用事があるって事だ。オレが全部干渉してたら、キレられるからなぁ」

「…………」

 オネーサンって誰の事を言っているんだろう?

 夜宵にお姉さんは居ないはずだけど……。







「それより、オレたちはオレたちで楽しもうぜ。楽しい、楽しい、ガールズトークをさ」














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