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しゅごれい  作者: 千世
第七章 涼風夜宵サイド
27/54

(14) 【死ゅ語霊】と真




「死ぬくらいじゃ済まない……?」







 どういう意味?

 この人は、【守護霊】でしょ?

 カイの【死ゅ語霊】ってやつより、守ってくれそうだし。本来、【守護霊】というものは、守るものだと思うんだけど。

 僕が【守護霊】側に行かないようにする為の、嘘?

 それとも、言葉そのままの意味……?

「な……何、言ってんの。この人、【守護霊】だよ? 守ってくれるって言ったんだよ? それがどうして死ぬに結びつく訳?」

 自分で、さっきと言っている事違うな……と思いつつも、売り言葉に買い言葉……という風に、カイに反発してしまう。

 何で、なのかな……。







「はあ」








 カイは大きくため息を付いた。

 何か、凄く馬鹿にされているため息だったような気がする。

「それにさ、こんな優しそうな人が、そんな酷い事……かよくわかんないけど、死なせるとかそういうの、する訳ないよ」

「お前、何もわかってねーな。オレがちゃんと教えてやるから、有難く聞けよ。わかってんのか? 夜宵君」

 どうして、偉そうなんだよ……。

 【死ゅ語霊】だから、と言われると言い返せないけどさ。








「人が物を手に入れるには、金を払うだろ? それと、同じなんだよ。【守護霊】の場合、死んだ後、魂を食らうんだよ。つまり、夜宵君は食われちゃうって訳。わかってくれたか? ……教えてやるなんて、オレって本当……優しいよなぁ」








「え……」

 僕は、反射的に【守護霊】から離れて、窓側に行きその場にへたり込む。

 た、魂を食われる?

 【守護霊】なのに?

 一体、どういう事……!

「それでも良いって言うなら、どうぞ。オレはもう、お前を止めたりしねーよ。今のオレは、超優しいから教えてやってるだけだし」

「嘘……」

 ふと自分の手を見ると、僅かながら震えていた。

 自分でも、忙しい奴だと思う。

 【守護霊】に助けはいらないと突っぱねておきながら、カイが現れたら【守護霊】は良い人だと言う。そして、カイが【守護霊】は悪い奴だと言ったら、それを信じてしまう。

 本当、優柔不断だ……僕って……。







「ハハッ。震えちゃって、可愛いデスネ」







 【守護霊】も僕の様子に気付いたようで、獲物を見定めるかのような目で僕を見て、僕の慌て振りに笑っていた。

 恥ずかしいやら、怖いやらで、感情が激しく渦巻いている。

「…………っ」

「お前は相変わらず、ドスグロイ」

「褒め言葉として受け取っておくわ」












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