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しゅごれい  作者: 千世
第六章 朝野いのりサイド
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(10) 報告




「いのりん、随分楽しそうじゃん♪」







「…………」

 今、一番会いたくない人物に出会ってしまった。

 と言うか、何処かに行ったんじゃなかったの? 別れてから、そんなに時間(数分しか?)経ってないんだけど。

 カイは親友だったけど、今は悪魔にしか見えない……。

「おっ、良い顔してんなぁ。そんなにオレと会いたかった?」

「……眼医者に行く事をお勧めするよ」

 何処をどう見たら、良い顔に見えるんだか。どう見ても、嫌な顔をしている風にしか見えてないはず。

 それにしても、何しに来たの……?

 夜宵と居る訳じゃないのに、私の学園生活を邪魔しに来たとか? それとも、単純にからかいに来た?






「あれ? 涼風さん、朝野さんと知り合い?」







 三上さんが不思議そうに尋ねてくる。

 表情が笑顔だったから、単純に興味から聞いているんだと思う。訝しげに思われなくて助かったよ……。







「はい。そうなんですよ」







 ゾクッ。

 急激な寒気が私の身体を襲った。

 今の、何……。

 何が起こったの……?

 最初、どうして寒気がしたのか、わからなかった。だって、今まで寒気がした事なんてあんまりなかったから。

「私と朝野さん、昔からの親友なんです」

 私?

 朝野さん……?

 横目でカイを盗み見ると、もの凄く嬉しそうな……意地悪そうな笑みを浮かべている。でも、それは一瞬の事で、次に見た時は人付き合い良さそうな仮面の笑顔になっていた。

 なるほど、三上さんの前だけは敬語を使っているんだ。

 敬語を使っている……だから、寒気がした……と。

 だって、カイが敬語を使うなんて、見た事なかったもん。

 先生の前でも、先輩の前でも……誰だろうと、敬語なんか使わなかったし、謙った場面に遭遇した事もない。

 でも、どうして三上さんには敬語を使っているの?

「という事は、朝野さんと同級生なの?」

「そうですよ。夜宵君とは一つ違いなんです」

 夜宵、君……。

 夜宵の事も、君付けなんだ……。

「……年齢詐称はしてないんだ」

 私はカイに小声で告げる。それにつられてなのか、カイも小声で話す。

「当たり前じゃん。それに、ずっと夜宵の事を見張ってるつもりもないしな」

「あ、そう」

「そんな冷たい態度で良いのか? せっかく、教えに来てやったのに」

「は?」














「……三上さん、夜宵の好きな人なんだぜ」














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