(11) 【死ゅ語霊】と救助
「え? 部活に?」
「はい。駄目、ですか?」
ちょ……カイは何言ってんの? 三上さんと同じ部活に入るなんて無理だよ!! 今話すのでさえ、一杯一杯なのに……!
「良いよ」
また即答だった。
三上さんはこういう性格だよね……来るもの拒まず、って言うかさ……。それが良いところでもあるんだけどね……。
「でも、条件付きだけど」
「「条件付き?」」
僕とカイは首を傾げる。条件を付けてくる、なんて事は、さすがのカイも予想していなかったみたい。
「そう。簡単な事だよ~。副部長やってくれるなら、良いよ。何でか、誰もやりたがらないなんだよ。どうかな?」
「そ……そんな条件、駄目に……」
「ハイ。勿論、やります」
途中でカイの言葉によって、僕の言葉は遮られてしまう。
あくまでも、僕の意見は聞かないつもりなんだ……。
「じゃあ、わかった。部長にも話通しておくね。これから宜しくね」
これから、変な事に巻き込まれるに違いない。
そう思ったけど、三上さんに手を握られた瞬間、そんなどうでもいい考えは一瞬で吹き飛ばされてしまった。
三上さんと、手を繋げる(握手だけど、気にしない)なんて……!
「……ばーか……」
放課後。
先生に呼ばれて雑用をしていたので、教室に戻るのが遅くなってしまった。教室に帰ると、誰も居なかった。
誰も居なくて、無音な教室。何だか、別世界に思えてくる。窓からは、真っ赤な夕陽が入り込んでくる。
ふと時計を見ると、午後五時半を回っていた。
「ふう……」
確か、部活は明日からって言ってたよね。
そう言えば、カイは何処に行ったんだよ。あの後、転校生で本当に教室に居座るかと思ったけど、紹介も何もなかったし。何処に行ったのやら。
……僕、どうなってしまうのかな……。
本当に、条件をクリア出来なかったら死んじゃうの? それだけは、嫌だ……。僕だって、まだ生きていたい。
「誰か、助けてくれないかな……」
カイを諦めさせるとか、排除するとか方法は何でも良いからさ……。神様、みたいな人、出てこないのかな……。
と僕は呟きながら、黒板の前の台に座り込んだと同時に。
「助けてあげまショウカ?」
と返事があった。
「え……?」