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しゅごれい  作者: 千世
第五章 涼風夜宵サイド
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(9) 【死ゅ語霊】と友




「あの、カイ?」

「はい、何でしょう?」

 爽やかな笑顔を浮かべるカイに気持ち悪さを感じながら、僕は事情を尋ねる為にカイに近くに来るよう手招きをする。

 三上さんはきょとんとしながらも、何も言わずにその場で待っていてくれる。

 有難う、三上さん。





「何ですか?」

 と言いつつ、僕に近付いてくる。

 お嬢様のような口調はやめて欲しいんだけどな……。

 と思いつつも、ツッコミを入れるのはやめておいた。だって、三上さんが傍に居るのに、そんな……出来ないし……。

「何を考えてるの? って言うか、何を企んでるの?」

「まあ、何を言っているんですか? 私、何も企んでいませんよ。ただ、学校生活を楽しもうとしているだけですけど」

 カイが私、って言ったのを初めて聞いた気がする……。

 多分、この姿を見たのが初めてだったら、僕もカイに見惚れていたと思う。

 今のカイは、口調がお嬢様って感じだからかもしれないけど、清楚で可憐な美少女に見えるもん。

 僕の好きな人は三上さんだから、カイを好きになるなんてあり得ない事。

 だけど、もし好きな人が居なかったら、多分カイを好きになっていたと断言出来る程、今のカイは女の子っぽかった。









 ――だって、学校生活をオレは満喫出来なかったからな。









「え?」

 ボソッと小さな声で、カイは何か呟く。

 考え事をしていた事もあってか、ふいに呟いた言葉を聞き取る事は出来なかった。

「ごめん、もう一回言って。聞き取れなかったから」

「何言ってるかっていう内容? それとも、言葉の意味?」

「……前者」

「……ふーん……。……何でもありません。気にする程の事でもないですから、気にしないで下さい」

 そう言われると気になるんですけど。でも、カイはお前との話は終わったかと言うかのように僕から離れ、三上さんの方を向く。









「私が三上さんに近付いたのは、三上さんと友達になりたいからですよ」











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