表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しゅごれい  作者: 千世
第四章 朝野いのりサイド
14/54

(5) 絶対




「意味が、わからないんだけど……」

「オレ、意味わかんない事は言ってないつもりだけど?」







 カイの顔は、おちゃらけた表情ではなく真剣そのものだった。

 口調は……いつも通りだけど。

 本当に、わからなくなる。

 本気で言っているのか、冗談で言っているのか。

 そもそも、夜宵が死ぬかどうかの瀬戸際で、助ける方法が恋愛ゲームなんて……馬鹿げてるとしか言いようがない。

 共通点がないと言っても良い。




 それに、カイは夜宵の事を……。








「余計な事を考えてる暇あんの?」







 私の心を読んでいるかのように、声をかけてくる。

「……いつも、カイは私の心の中を読むんだね」

「そんな事ねーよ。たまたまだって」

「たまたまで、正確に思っている事がわかる人なんて居ないよ」

「そうでもねーと思うけど?」

 さあ、さっさと話進めようぜ。いのりんも授業あるんだろ?

 そう言って、カイは自分の右手の人差し指と中指を私の方に向けた。

 左手は腰にあて、いかにも偉そうなポーズをとる。

 その姿は、中学の時のカイの姿とそっくりだった。






「いのりんにして貰う事は、夜宵が想い人とくっつかないようにして貰う事。その為の条件として守って貰う事は、二つ。一つ目は、ゲームの事を誰にも喋らない事。二つ目は、オレの事を……夜宵に喋ったりするな。――絶対に」







 最後の言葉には、強い信念のようなものがこもっていた。

 今までで見た事がないくらい…………………………………怖い顔だった。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ