(4) 【死ゅ語霊】と恋愛
『いのりん、オレとゲームしようぜ。……夜宵の運命をかけてさ』
死んだはずの親友が突然目の前に現れて言われたのは、ゲームをしよう……という言葉だった。
しかも、夜宵の運命をかけて……。
命をかけるのに、ゲーム? どうして夜宵なの? そもそも何故死んだはずのカイが目の前に現れるの? 私の幻想? 思い込み?
疑問はたくさんあった。
ツッコミどころも。
出来れば、夢だと思いたい。今起きている現実は、実は長い幻だった……でも良いから、誰か嘘だと言って欲しい……。
「……ゲームって、どういう、事なの……?」
私は、率直な疑問をカイにぶつける。
幾つも疑問はあったけど、もしこれが親友のカイなら……たくさんの疑問をぶつけても、答えてくれる確率は極めて低いと思う。
ふざけるか、笑みを浮かべるかだ。
そうなるくらいなら、一つだけに絞った方が答えてくれるはず。
「ゲームは、ゲームだって。戦いとか戦争とか勝負事とか……そういう言葉が好きなら、オレはそっちでも構わないぜ。とにかく、勝敗があるって事をわかってくれりゃ良いんだ」
「……何で、勝敗を決める必要があるの」
「言っただろ。ただやるだけじゃ、面白くないって。つまんねーなんて嫌じゃん」
…………。
どうして、昔と同じ事言うんだろう……。
カイが生きている時、いつも言っていた。『ただやるだけじゃつまらない』って。
だから、部活も体育祭も文化祭も……盛り上げる為に、率先して事を起こしていた。
つまらなくならない方法を取る為だったら、生徒会長もやる程だった。
「やって貰うのは、恋愛ゲームだ」
「恋愛……?」
「そっ。夜宵の恋愛を邪魔するんだ。簡単だろ~。超楽しそうだろ~。オレって、天才!」
はい?