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走り出せ!エクストリーマー!  作者: 双鶴


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エピローグ 今日も3人は…

 大会から数週間が経った。


 あの熱狂も、

 あの涙も、

 あの光も、

 少しずつ町の空気に溶けていった。


 学校も、商店街も、

 いつもの日常を取り戻している。


 でも――

 3人の胸の奥には、

 まだ“あの日の熱”が静かに残っていた。



「科学部の正式存続が決まりました」


 職員室前の掲示板に貼られた紙を見て、

 俺――白峰理久は小さく息を吐いた。


「……よかったな」

 藤川先生が笑う。


「お前らの走りが、

 学校を動かしたんだよ」


「先生のおかげですよ」

 俺は言った。


「違う。

 お前らが走ったからだ」


 その言葉に、胸が熱くなった。


 放課後。

 3人は商店街の集会所へ向かった。


 扉を開けると――

 そこに、エクストリーマーがいた。


 大会のままの姿で、

 スポンサーのロゴも、

 クラファンの名前も、

 子どもたちのメッセージも、

 全部そのまま残っている。


「……なんか、

 博物館みたいですね」

 雨宮柊が呟いた。


「博物館じゃないわよ」

 黒江斎が微笑む。


「町の“宝物”よ」


 俺は車体にそっと触れた。


 冷たい。

 でも、その奥に確かに“熱”が残っている気がした。


「……ありがとうな」

 俺は小さく呟いた。


「お前のおかげで、

 俺たちは走れたんだ」



 集会所を出て、

 商店街を歩く。


 夕方の光が、

 3人の影を長く伸ばしていた。


「……なんか、

 燃え尽きたな」

 俺は言った。


「燃え尽きたわね」

 黒江が笑う。


「はい……

 でも、嫌な感じじゃないです」

 雨宮が言う。


「なんか……

 “走り切った後の静けさ”って感じです」


 その言葉に、

 俺も黒江も頷いた。


「なぁ」

 俺は言った。


「これからどうする?」


「どうするって?」

 黒江が聞く。


「大会も終わって、

 科学部も存続して……

 なんか、

 次の目標が欲しいよな」


 黒江は少し考えてから言った。


「……また、何か作りましょうよ」


「え?」

 雨宮が目を丸くする。


「ソーラーカーじゃなくてもいい。

 でも、

 また“挑戦”したいわ」


 俺は笑った。


「そうだな。

 挑戦しないと、

 俺たちらしくないよな」


「はい」

 雨宮が微笑む。


「僕たち、

 挑戦者ですから」


 3人は歩き続けた。


 夕焼けの光が、

 商店街の屋根を赤く染めている。


 あの日の熱狂はもうない。

 応援ソングも、

 歓声も、

 涙もない。


 でも――

 胸の奥には、

 確かに“光の残り火”があった。


 そして、今日も3人は――


次の挑戦を探しながら、

ゆっくりと、

同じ道を歩いていた。


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