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荊棘後宮の盗妃伝  作者: ひらめ
第1章
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第6話


長慶宮の自室に戻った夕霧は、寝台の底板に隠した指示書を、まるで命よりも大切な宝物のように握りしめていた。

薄い紙一枚に書かれた数行の文字が、後宮の闇に蠢く恐ろしい陰謀の、まぎれもない決定的な証拠となる。

しかし、この証拠をどう利用すべきか、夕霧の頭は、まるで嵐の海のように激しく荒れ狂っていた。

皇帝・玄葉に直接訴えるのが最も効果的だろう。

だが、それは同時に、夕霧自身の正体が

「 影の妃 」

である李蘭ではないと明かすことにもなる。

泥棒として後宮に潜り込んだ事実が露見すれば、即刻処刑は免れない。

命を賭して手に入れた証拠も、その前に意味をなさなくなるかもしれない。

彼女の背後には、故郷の村が、そして過去の因縁が複雑に絡み合っている。

ここで命を落とせば、その全てが闇に葬られるだろう。

夕霧は、部屋の中を静かに、しかし焦燥に駆られるように歩き回った。

窓から差し込む月の光が、彼女の顔に冷たい影を落とす。

心臓がドクンドクンと激しく脈打つ。

その音は、まるで彼女の正体が暴かれるまでのカウントダウンのようだった。

この秘密を抱え続けることは、まるで起動してしまった時限爆弾を抱えているようだった。

いつ爆発するかも分からない、鉛のような恐怖。

しかし、同時に、あの毒で日に日に苦しむ妃たちの姿が、彼女の脳裏に焼き付いて離れなかった。

特に、淑妃の日に日に痩せ細っていく様子や、徳妃の精神的な不安定さは、夕霧の良心を激しく突き動かした。

彼女自身が経験した、毒による筆舌に尽くしがたい苦痛の記憶が、夕霧を突き動かす、抗いがたい原動力となっていた。

彼女は、あの地獄のような苦しみを、他の誰にも味わわせたくなかった。

「 誰にも知られずに、この指示書を玄葉の目に触れさせることはできないものか…… 」

夕霧は、様々な可能性を模索した。

しかし、後宮のあらゆる情報は、玄葉の耳に届く前に、彼の側近や、あるいは月影のような権力者のフィルターを通る。

直接手渡しできなければ、途中で握りつぶされるか、あるいは自分自身が罠にはまる可能性も捨てきれない。

後宮という閉鎖された空間では、人の目はどこにでもあり、信頼できる人間など皆無に等しい。

彼女は、長年培ってきた経験から、そのことを痛いほど理解していた。

数日後、夕霧は冬花を通じて、ある奇妙な献上物を玄葉に届けるよう頼んだ。

それは、長慶宮の庭園でひっそりと咲いていた、珍しい色合いの桔梗の花だった。

その花は、一見すると何の変哲もない、ただの美しい花だ。

しかし、夕霧が、かつて自身の命を救った薬草図鑑で偶然目にした、ある毒草の解毒作用を持つ植物に酷似していた。

もちろん、その毒草と桔梗が同じものであることを、玄葉が知る由もない。

しかし、夕霧は、この花を玄葉に贈ることで、彼の警戒心と、微かな好奇心を刺激し、

間接的に自分の存在と、後宮の異変への関心を印象づけようとしたのだ。

それは、彼女が唯一使える、言葉なきメッセージだった。

「 妃殿下、この桔梗を陛下に献上なされると?

珍しいとはいえ、献上物としては地味ではございませんか? 」

冬花は、首を傾げながら言った。

彼女の真面目な顔には、夕霧の意図を全く理解できないという戸惑いが浮かんでいた。

「 ええ。

この花は、わたくしが病で伏せっていた際に、わたくしの心を癒してくれた、特別な花でございます。

その力強さに、幾度となく救われました故。

陛下にも、この花の生命力と、心の安らぎをお届けできればと存じまして 」

夕霧は、淑やかに微笑んだ。

その言葉には、偽りなく、彼女の過去の経験が込められている。

その言葉に、冬花は純粋に感動したように目を輝かせた。

「 なんと奥ゆかしいお心遣い……かしこまりました。

確かに、陛下もお喜びになられることと存じます 」

冬花は、桔梗の花を丁寧に包み、玄葉の元へと届けに行った。

彼女の足取りは軽く、夕霧の言葉を信じ切っているようだった。

夕霧は、冬花の背中が見えなくなるまで見送ると、静かに深く息を吐いた。

これが、最初の一歩だ。

玄葉がこの花にどれほど関心を持つか、それは分からない。

だが、彼の聡明さからすれば、何らかの意図を感じ取ってくれるはずだと、夕霧はかすかな希望を抱いていた。

わずかな希望の光が、後宮の闇に差し込んだように感じられた。

一方、月影は、夕霧が自身の宮に侵入したことに、より明確に気づき始めていた。

物置部屋のわずかな配置のずれ、微かに残る異質な気配、そして侍女の報告。

彼女は、後宮の情報網を総動員し、夕霧の動向を厳しく監視するよう、配下の侍女たちに命じていた。

「 長慶宮の妃は、最近、妙な動きが多いわね。

まるで、何かを嗅ぎ回る獣のよう 」

月影は、優雅な姿勢で茶を飲みながら、冷ややかな口調で侍女に尋ねた。

その目は、獲物を品定めするかのように細められている。

「 はい。

夜中に宮を抜け出そうとする気配があったり、日中も他の妃殿下方の宮を伺うような様子が。

しかも、先日、陛下に桔梗の花を献上したとか。

どこかで拾ってきたような花を、陛下に贈るとは、随分と大胆なことね。

全く、礼儀も作法も知らない粗野な小娘だと、噂になっております 」

侍女の報告に、月影の瞳の奥に冷たい光が宿る。

彼女は、夕霧が単なる無知な小娘ではないと見抜いていた。

まるで猫のようにどこからともなく現れ、自分の秘密の場所にまで侵入しようとした

「 影の妃 」

月影は、夕霧が自身の陰謀を嗅ぎつけたのではないかと確信し始めていた。

月影は、夕霧を陥れるための新たな罠を仕掛けるべく、密かに動き始めていた。

後宮内に、月影の指示を受けた者が、夕霧の行動を監視する目として配置された。

彼女の宮に出入りする者、彼女が話す相手、全てが報告される。

月影は、まるで蜘蛛の巣を張り巡らせるように、夕霧を包囲し始めていた。

その蜘蛛の巣の糸は、後宮の隅々にまで張り巡らされ、夕霧の動きを逐一捉えようとしている。

数日後、思わぬ形で、玄葉との接触の機会が訪れた。

玄葉が、後宮内の庭園を散策するという報せが届いたのだ。

それは、妃たちが彼に直接話しかけることのできる、数少ない機会だった。

普段、皇帝に謁見するには、多くの手続きと許可が必要だ。

この機会は、まさに天の恵みだった。

夕霧は、この機会を逃すまいと、入念に準備した。

彼女の心は、緊張と期待で、大きく波打っていた。

庭園での散策中、玄葉は、周囲の妃たちからの挨拶に、冷淡な視線を送るだけであった。

その表情は、普段と変わらず、感情を一切読み取れない。

まるで氷の彫刻のように、彼の顔には何の感情も浮かんでいなかった。

しかし、彼の視線が、夕霧にわずかに向けられたのを、夕霧は見逃さなかった。

あの桔梗の花が、彼の注意を引くことに成功したのだ。

玄葉の冷徹な仮面の下に、微かな好奇心と、何かを探ろうとする意志が透けて見えた。

夕霧は、他の妃たちが玄葉に話しかけようと群がる中、一歩引いた位置で、静かに彼の動きを観察していた。

彼女は、焦る気持ちを抑え、最も効果的なタイミングを見計らっていた。

そして、彼が少し他の妃から離れ、ちょうど視線が交錯した一瞬の隙を狙い、意を決して玄葉の前に進み出た。

彼女の足取りは、冷静を装いながらも、確かな決意を秘めていた。

「 陛下、ご機嫌麗しくお過ごしでいらっしゃいますか 」

夕霧は、深々と頭を下げた。

その声は、震えることなく、しかし、どこか切実な響きを含んでいた。

玄葉の冷徹な瞳が、夕霧に真っ直ぐに向けられる。

その視線は、まるで彼女の心の奥底を見透かそうとしているかのようだった。

夕霧は、彼の瞳の奥に、わずかな探究心を読み取った。

それは、この後宮において、玄葉だけが持つことができる、真実を見抜く力だ。

「 そなたか、長慶宮の妃、李蘭。

あの桔梗の花、余への献上物だったそうだな 」

玄葉の声は、低く、重々しい。

その声には、威厳だけでなく、何かを試すような響きが含まれていた。

夕霧は、その言葉に内心安堵した。

桔梗が、彼の注意を引くことに成功したのだ。

「 はい、陛下。

わたくしが病で伏せっていた際、その花の生命力に、幾度となく救われました故。

陛下にも、その心の安らぎと、癒しをお届けできればと存じまして 」

夕霧は、あくまで

「 病弱で繊細な妃 」

を演じ続けた。

その言葉は、まるで彼女の過去の経験が、全てこの瞬間のためにあったかのように、切実な響きを持っていた。

「 ほう。

そなたは、花に心を読むような、感性豊かな妃だと思っていたが、どうやらそれだけではないようだな 」

玄葉の言葉に、夕霧の背筋が凍りついた。

彼の言葉は、夕霧が単なる花を愛でる妃ではないこと、

そして何か別の目的を持っていることを示唆していた。

彼は、すでに夕霧の不審な行動に気づいている。

それは、彼女の隠密行動が、玄葉の監視網に捉えられていたことを意味していた。

夕霧は、一瞬の沈黙の後、意を決して口を開いた。

周囲に他の妃や侍女がいないことを確認しながら、さらに声を潜めた。

彼女の声は、風に紛れるほど小さく、しかし玄葉の耳には、はっきりと届いた。

「 陛下。

わたくしは、この後宮に、不穏な影が差し込んでいるように感じております。

そして、それが、妃殿下方の御身を蝕んでいるやもしれぬと…… 」

彼女の言葉には、確かな真実の響きが込められていた。

「 具体的に申せ 」

玄葉の瞳が、鋭く光った。

彼の表情は変わらないが、その声のトーンに、わずかな緊迫感が混じっていた。

それは、彼がこの状況の重大さを理解している証拠だった。

「 わたくしは、かつて、不治の病に苦しめられ、その際に、様々な薬草や、毒に関する書物を読み漁りました。

自らの命を守るために、必死で知識を得たのです。

その知識は、路地裏で生きるために必要だった、と言っても過言ではございません。

そして、この後宮で最近囁かれている妃殿下方の体調不良。

淑妃様、徳妃様、そして他の幾人かの妃殿下方……その症状が、

わたくしが以前知ったある緩効性の神経毒の症状と酷似しているように思えるのです 」

夕霧は、自身の正体を明かさずに、あくまで

「 妃として学び得たこと 」

「 病弱な自身を守るための知識 」

として、毒に関する知識の出どころを匂わせた。

彼女は、かつて命を狙われた際に得た、血と汗の知識を、今、この場で武器として使っていた。

玄葉は、夕霧の言葉に、表情こそ崩さなかったが、その視線は一層鋭さを増した。

彼は、夕霧の言葉の真偽を確かめるかのように、じっと彼女を見つめた。

その瞳の奥には、わずかな驚きと、深い疑念が混じり合っていた。

「 毒だと申すか。

それは、看過できぬことだ。

しかし、確たる証拠はあるのか?

そなたの妄言ではないと、どう証明する? 」

玄葉の問いに、夕霧は、懐に隠し持っていた指示書を、素早く取り出し、彼の掌に滑り込ませた。

その紙は、彼の肌に触れるか触れないかのうちに、まるで魔法のように彼の手に渡った。

「 こちらを、御覧くださいませ 」

玄葉は、差し出された紙を受け取ると、そこに書かれた文字を読み込んだ。

彼の瞳に、驚きと、そして深い怒りの色が宿った。

彼の顔色は、わずかに青ざめ、その口元が、わずかに震えているように見えた。

「 ……李蘭の体調不良は、順調に進んでいる……だと? 」

玄葉は、低い、絞り出すような声で呟いた。

李蘭は、玄葉が正式に後宮に迎えるはずだった妃だ。

その彼女が、毒によって狙われていた。

そして、今、目の前の

「 影の妃 」

が、その真実を告げている。

玄葉の頭の中では、すべての点が線で繋がっていった。

なぜ李蘭が後宮入りを遅らせたのか、なぜ

「 影の妃 」

が必要だったのか。

そして、目の前の夕霧の行動が、全て理にかなっていることに気づいた。

玄葉は、指示書を握りしめ、夕霧を改めて見つめた。

その視線は、もはや疑念だけではない。

彼女の言葉の裏に隠された真実、そして彼女自身の覚悟を探るような、複雑なものだった。

彼の脳裏には、夕霧の行動の報告書、そして桔梗の花の献上、その全てが、まるでパズルのピースのように嵌まっていく。

「 この指示書は、どこで手に入れた 」

玄葉の声は、冷たかったが、その中には、深い探究心が込められていた。

「 月影様の宮の奥にございます、物置部屋でございます。

そこで、毒の原料となる植物が栽培されておりました 」

夕霧は、真っ直ぐに玄葉の目を見て答えた。

そこに、一切の嘘偽りはない。

彼女の言葉は、確固たる真実を宿していた。

玄葉は、しばらくの沈黙の後、深く息を吐いた。

彼の表情は、一瞬にして冷徹な皇帝の顔に戻る。

しかし、その瞳の奥には、今まで見せたことのない、強い光が宿っていた。

それは、皇帝としての怒り、そして、真実を暴くという決意の光だった。

「 分かった。

そなたの言葉と、この指示書。

信じよう 」

玄葉の言葉に、夕霧は安堵した。

命がけで手に入れた証拠が、ようやく皇帝の目に触れたのだ。

しかし、彼の次の言葉に、夕霧は驚きを隠せなかった。

「 しかし、そなたの真の目的は何だ?

そして、そなたは何者だ?

この後宮に、そなたのような娘がいるとは、余も知らなかった 」

玄葉は、夕霧の目を見据え、問い詰めた。

彼は、夕霧がただの妃ではないこと、そして

「 影の妃 」

である李蘭ではないことを、すでに察していたのだ。

夕霧は、自身の正体がバレる危機に瀕している。

このままでは、全てが水泡に帰してしまう。

「 わたくしは……陛下のお言葉の通り、かつて命を狙われた経験がございます。

その際、毒の恐ろしさを知り、身を守るために必死に知識を得ました。

その知識は、書物からだけでなく、路地裏で生きるために必要だった、あらゆる知恵と経験から得たものです。

そして、この後宮で、同じように苦しめられている妃殿下方を見て、黙って見過ごすことができませんでした 」

夕霧は、自身の正体を明かさずに、あくまで

「 妃として学び得たこと 」

「 病弱な自身を守るための知識 」

として、過去の経験を匂わせた。

彼女は、正体を明かせば、この場で処刑されるだろう。

しかし、それでも真実を伝えなければ、後宮の闇は深まる一方だ。

彼女の言葉には、自らの過去を隠しながらも、真実を伝えようとする切実な願いが込められていた。

玄葉は、夕霧の言葉に、さらに深く眉をひそめた。

彼の瞳は、夕霧の嘘を見抜こうとしているようだったが、

同時に、彼女の言葉の裏に隠された真実、そして彼女の覚悟に、わずかな信頼を寄せているようにも見えた。

彼の心の中では、夕霧に対する疑惑と、彼女がもたらした重大な情報への関心が、複雑に絡み合っていた。

「 よかろう。

そなたの言葉を信じる。

この件、余が必ず解明する。

そして、この後宮の闇を、根こそぎ暴いてくれる 」

玄葉は、力強く言い放った。

彼の声には、絶対的な皇帝の威厳が宿っていた。

それは、後宮の頂点に立つ者としての、揺るぎない決意表明だった。

「 そなたは、この件について、決して口外するな。

そして、今まで通りの生活を続けよ。

余が命じるまで、決して余の元を訪れるな。

そして、余は、そなたの身辺警護を密かに強化する。

決して、誰にも気づかれぬように、余の影がそなたを守るだろう 」

玄葉は、そう言うと、持っていた指示書を丁寧に懐にしまう。

そして、彼に付き従っていた侍従に、目配せをした。

侍従は、すぐにその場を離れていった。

おそらく、月影に対する秘密裏の調査を開始するよう命じられたのだろう。

妃たちの健康状態を詳しく調べさせ、毒の存在を裏付ける証拠を集め始めるはずだ。

後宮に、新たな緊張感が走り始めた。

夕霧は、玄葉の言葉に安堵し、深く頭を下げた。

命が助かっただけでなく、彼女の言葉が皇帝に届いたことに、かすかな達成感を感じていた。

彼女は、もはや単なる

「 影の妃 」

ではない。

玄葉からは、警戒されつつも、どこか信頼されるような、複雑な視線を向けられるようになった。

彼女は、後宮の運命を左右するキーパーソンとして、その立場を確立し始めていた。

しかし、その立場は、同時に彼女自身の命を危険に晒す、新たな戦いの始まりでもあった。

長慶宮に戻った夕霧は、改めて自分の置かれた状況の重大さを実感した。

皇帝を動かした。これは、大きな一歩だ。

しかし、月影が、自分が宮に侵入したことに気づいている可能性も高い。

彼女が、さらなる行動に出る前に、手を打たなければならない。

月影が、自身の権力を維持するために、どんな手段に訴えるか、夕霧には想像できた。

彼女は、決して容赦しないだろう。

夕霧は、窓から差し込む月の光を見つめながら、これから起こるであろう激しい嵐の予感に、身を引き締めていた。

後宮の均衡は、今、揺らぎ始めている。

夕霧の行動が、その均衡を完全に崩壊させることになるのか、あるいは新たな秩序をもたらすのか。

彼女の、荊棘の後宮での戦いは、今、新たな局面を迎えたのだ。

泥棒として培った知恵と度胸、そして過去の経験から得た毒の知識を武器に、

夕霧は、この偽りの宮で、真実を掴むことができるのだろうか。

そして、その先に、彼女自身の隠された過去が、どのように後宮の運命と結びついていくのか。

それは、まだ誰も知らない物語の始まりに過ぎなかった。

夕霧の運命は、複雑に絡み合った後宮の糸の中で、今、大きく動き出そうとしていた。

この後宮で、彼女が辿り着く真の居場所とは、一体どこなのだろうか。


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― 新着の感想 ―
すんません、面白いですがもうちょい改行多めにしていただけると読みやすいです。
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