第八十一話 三人衆の策謀(後編)
京の夜空が静かに瞬く中、信長軍と三好軍は熾烈な戦闘を繰り広げていた。信長は冷徹な目で戦局を見極めながら、兵たちに的確な指示を出し続けた。
「全軍、一斉突撃せよ。敵の中核を打ち崩し、総攻撃を敢行せよ」
信長の厳しい命令に応じ、兵たちは同時に動き出し、三好軍の母体に攻め入る。戦場は緊迫感と激しさを一層増していた。兵士たちの息づかいが荒くなり、一瞬の中に戦意が高まる。
宗則は陰陽術を駆使して、敵の動向を冷静に見極めていた。彼の背中の烏のあざは再び疼き、不安感がわずかに広がっていた。
「信長様、敵の動きを測定しました。次の戦術をお示しください」
信長の目には冷徹な光が宿り、新たな指示が発せらる。
「全軍、総攻撃を続行せよ。敵を押し越し、その野望を打ち砕いてやれ」
信長の命令に応じて兵たちは一層奮戦し、剣戟の音と怒号が戦場に響き渡っていた。その頃、三好軍の指導者たちも自軍の未来を見据えて戦場で指揮を執っていた。
「我らも、この戦いに全力を尽くし、信長の野望を打ち砕かなければならない」
三好軍の指導者たちの声が兵たちに伝わり、彼らの心にも深い闘志が宿っていた。
宗則は再び依り代紙を取り出し、式神の騰虵を召喚する。騰虵は俊敏に夜空に舞い上がり、敵軍の動向を探り始めた。
「騰虵よ、敵の動きを探るのだ」
騰虵は夜空を飛び回り、敵の動きを探りながら報告する。信長はその報告を受け、冷静に頷き新たな指示を出す。
「全軍、配置を整え、敵の動きを封じ込めるのだ。全てを守り抜け」
その時、本願寺の鐘の音が戦場全体に響き渡り、兵たちの注意を引きつけた。信長の目が鋭く光り、状況の変化を見極める。
「まさか、一向宗勢力がここに参戦するつもりか…」
宗則は遠くに雑賀衆・根来衆の火縄銃部隊が現れるのを確認する。三好軍に加勢する動きが戦況を一変させる兆しが駆け巡る。
「これは…本願寺の一向宗勢力が兵力を送り込んできたか…」
その瞬間、敵軍の動きが一斉に活発化し、信長軍に向けての急襲が始まる。
壮絶な銃撃戦が展開される中、宗則は型を組んで陰陽術を駆使して敵の動きを対処していく。彼の心には、城に残した綾瀬と森可成の様子を心配していた。
信長の指示により全軍は迎撃態勢を整え、戦場の緊張感が極限に達していた。一方で宗則は宇佐山城への不安を抱いていた。
その時、綾瀬が伝令として駆け込んできた。彼女の姿には急報を携えた緊張した表情が浮かぶ。
「宗則様、浅井、朝倉両軍が宇佐山城に向けて進軍を開始!既に森可成殿を中心に奮戦していますが、敵の勢いが増しています。増援が必要です」
宗則はその報せを急いで信長に伝える。
「信長様、綾瀬からの急報です。宇佐山城が危機に瀕しています。増援が必要です」
信長は瞬時に冷静な判断を下し、即座に決断する。
「全軍、進撃を停止し、共に宇佐山への増援を行う。可成を必ず救援せよ」
迅速に伝えられた指示により信長軍は再び動き出す。しかし、宗則の背中の烏のあざが再び強く疼き、不安が広がった。
「何かが…宇佐山に何かが…!」
その時、突如として石山本願寺からの参戦が確認され、本願寺勢力が一斉に攻めかかってきた。
戦場は一気に混沌と化し、信長の指示の下、迎撃が行われる。宗則は戦況に応じて陰陽術を駆使し、状況を対処していく。
「可成殿、どうか持ち堪えてくれ…」
その後、宇佐山城からの急報が次々と届く。延暦寺の僧兵たちが参戦し、浅井・朝倉軍と合流し、信長軍への攻撃が増していた。
「森殿が信長様のために…奮戦している。急ぎ救援を…」
急報が続く中、戦局が一気に動く。三好軍、本願寺の一向宗門徒が一斉に攻めかかってくる。
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