第七十四話 姉川の戦い(後編)
朝露がまだ草葉に残る中、信長陣営と浅井・朝倉連合軍の戦闘は激化の一途をたどっていた。
戦場には怒号と剣戟の音が響き渡り、兵たちの奮闘が続いている。
信長は宗則の報告を活かし、冷静に反撃の指示を出し続けていた。
「宗則、この混乱を乗り越え、我が軍を勝利へと導け」
宗則もまた、自らの決意を強くし、陰陽術を駆使して戦場の状況を見極めていた。彼の眼には冷静な光が宿り、一瞬の気の乱れも見逃さない。
「信長様、敵の動きが再び活発になっています。慎重に対応し、反撃のチャンスを逃さないように」
信長はその言葉に頷き、新たな命令を下す。
「全軍、再び攻撃を仕掛けよ。敵の進軍を阻み、我らの陣形を守り抜け」
兵たちが再び動き出し、戦場の緊張感が一気に高まる。信長軍と連合軍の間で激しい戦いが繰り広げられ、剣と槍が交錯する中、宗則の存在が影響を与えていた。
一方、浅井長政は冷静さを失わず、兵たちに落ち着いた指示を出していた。
「我らの士気は依然として高い。この戦いに勝利を収めるために全力を尽くせ」
兵たちはその言葉に奮起し、信長軍に押し寄せた。その勢いは強大であり、戦場の空気を激しく揺るがせた。
朝倉景健もまた、冷静に戦況を見極め、効果的な指示を出していた。
「信長を追い詰めるためには、我々の連携が不可欠だ。彼の動きを封じるために全力を尽くせ」
戦局が激化する中、宗則の役割も一層重要となった。信長の期待に応えるべく、彼はさらに集中して陰陽術を駆使した。宗則の冷静な判断が戦場に活気をもたらし、一瞬の変化をも見逃さなかった。
「信長様、敵の援軍が迫っています。また、この攻撃の一部隊が脆弱な場所を探して進軍しています。その動きをしっかりと捉えてください」
信長はその報告を受け、新たな指示を兵たちに伝えた。
「その位置を的確に狙え。薄い部分の強化を忘れるな」
突然の援軍の出現が戦場を動かし、緊張感が一層高まった。信長軍と連合軍の間で激しい戦いが続く中、宗則の冷静な判断が光っていた。
遠くから響く馬の蹄の音が近づき、徳川家康が大軍を率いて援軍に到着した。家康の冷静な指示が兵たちに伝わり、戦場は新たな展開を迎える。
「全軍、織田軍と共に攻撃せよ。この戦いに勝利を収めるのだ」
徳川軍の参戦が信長軍に新たな勢いをもたらし、戦場の空気が一変した。宗則もその状況を見守りながら、さらに冷静な判断を続けた。
「信長様、今こそ反撃の時です。我々の力を結集し、敵を打ち破りましょう」
信長は深く頷き、新たな命令を発した。
「全軍、総攻撃を開始せよ。我々の勝利は目前に迫っている」
信長軍と徳川軍が連携し、総攻撃が開始された。戦場は一瞬の静寂の後、再び激しい戦いが繰り広げられ、剣戟の音が響き渡る。兵たちの戦意が頂点に達していた。
浅井・朝倉連合軍もまた、全力で抵抗を続けていたが、陣形が次第に乱れて広がっているのを見た家康は、迅速に指示を出す。
「榊原康政、敵の側面を突け。織田軍と連携して総攻撃をかけるのだ」
榊原康政が命を受け、徳川軍が側面からの力強い攻撃を開始し、連合軍の陣形を突いた。宗則の探知が功を奏し、連合軍の動きをしっかりと捉えたのだ。
「信長様、徳川軍が敵の側面を突き始めました。敵が分断され、朝倉軍が崩れ始めています」
朝倉景健の冷静な表情が曇り、すぐさま撤退の指示を出した。
「このままでは浅井の兵も危険にさらされる。無駄な消耗は避けるべきだ。撤退せよ!」
宗則の報告を受けた信長の目には冷徹な決断が映った。信長の指示通りに進撃を続けた信長軍と徳川軍が連携し、戦場の状況は瞬く間に有利なものへと変わった。
「この勝利を決定づける時が来た。全軍、一気に敵陣に攻め込め!」
兵たちの士気が一気に高まり、浅井・朝倉連合軍に決定的な打撃を与える。信長は冷静に観察し、次々に的確な指示を出し続けた。
「我々の力を結集し、敵を完全に打ち破るのだ」
信長軍と徳川軍が一体となって進軍し、朝倉軍は早々に撤退を開始。景健は利害を見極め、浅井の戦で無駄な消耗を避ける冷徹な判断を下し、素早く撤退を決断した。
戦場は歓声に包まれ、続いて浅井軍もその勢いに押され、撤退を開始。信長軍と徳川軍の勝利が確定し、宗則の探知が戦局を決する役割を果たしたのであった。
京の夜空には星が瞬き、信長軍と徳川軍の勝利の瞬間が輝いた。その中で宗則の冷静な視線が再び未来を見据えていた。
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