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運命の皇子と伝説の乙女  作者: ふう
第一章 皇子の帰還

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57 凱旋観艦式

英雄達の凱旋



 次の日の早朝、ローゼンシア帝国の帝都にあるビエナブルク港には帝都中の人が押し寄せたかと思うほどの大勢の人が詰めかけていた。

 大人も子供も手に手に女神の祝福を表すこの国の国花である青いバラや、ケスニア教では神聖な花である白いユリの花を持ち、そして金色の獅子に青いバラの紋章のローゼンシア帝国の国旗や盾にシーサーペントと剣のマルティオス辺境伯家の紋章の描かれた小旗を振りながら、英雄達の帰還を今か今かと待ち構えている。


 昨日、ドニエーブル帝国の艦隊による突然の襲撃に帝都では人々が恐怖と混乱に陥った。

 それに対し帝都を、国を守るため急きょ出動したリオンハルト皇太子率いる第四騎士団であるローゼンシア帝国海軍と、援軍に駆けつけたマルティオス提督率いるマルティオス騎士団の奮闘により、敵艦隊は撃破され侵略を阻止したという報は一夜にしてローゼンシア帝国内を駆け巡った。

 戦々恐々として戦いの行方を見守っていたビエナブルクの人々と皇帝を始めとした貴族達は祖国の勝利の知らせに歓喜し、本日急きょビエナブルク港にて勝利を讃える観艦式を行うことになった。

 そして驚くことに今回の戦いで新たに聖女とその守護聖獣が現れたという。

 現在、ケスニア教の総本山のあるラスティーニ公国に聖女、聖人と呼ばれる者が数名存在し信仰の対象として崇められている。

いずれも瘴気を浄化できる特別な力を持ち、強い治癒魔法の能力を持つという。

 このローゼンシア帝国で聖女と呼ばれる者が現れたのは約500年ぶりで建国以来三人目となり、ほとんど神話や歴史上の伝説となっている。

 そんな聖女と新たな聖獣が現れたという嬉しい知らせに人々は色めき立った。

 そのため観艦式には聖女と新たな聖獣をお迎えするためにケスニア教のビエナブルク大神殿よりたくさんの神官と聖騎士を引き連れたツェルニヒ大司教もやって来た。

 皇帝と貴族達もこぞって英雄達の凱旋に駆けつけた。

その中にはワイマール宰相とテレンスの姿もある。

 そうして詰めかけたたくさんの帝都の人々に見守られお祭り騒ぎのビエナブルク港に、小旗と同じローゼンシア帝国とマルティオス辺境伯家の旗を高々とマストに掲げた軍艦が次々に威風堂々と入港して来た。


 昨日の戦いが決した後、リオンハルト達ローゼンシア帝国海軍の艦隊は、もうすでに日が暮れて真っ暗になっていたためそのままビエナブルク沖で停泊し、戦いの疲れを癒して早朝より帰港することにしたのだった。

 港で待ち受ける皇帝始めとした多くの人達の前に、朝日を浴びて黒々と輝く戦艦の船縁には、今回の海戦を勇敢に戦い抜いた騎士団員達が直立不動でずらりと並び、拳を握った右腕を胸に当て、皇帝陛下、大司教猊下の親閲に騎士の礼をとっている。

 今回の戦いでは、残念ながらフリゲート艦一隻を失ったがディアーナの高度な治癒魔法のお陰で重症者は無く、また死者も出なかった。

 大艦隊のほとんどを失い数隻で逃げ帰ったドニエーブル帝国側と比べたら、奇跡のような大勝利となった。

 そんな中、先頭を走る旗艦が岸壁に接岸し、タラップから黒い軍服をまとい、一つに束ねた輝く黄金色の長い髪とマントを靡かせたリオンハルト皇太子が降りて来た。

その隣には、聖獣レグルスの同じ黄金色のたてがみが朝の光に輝いている。

その勇ましく美しい立ち姿に一段と歓声が大きくなる。

 続いてタラップを降りて来たのはディアーナだ。

ディアーナは昨日と同じドレープのある白いドレスに片側だけのマント、ペリースを羽織り長い銀色の髪を揺らしている。

 その隣にはディアーナより少し大きいぐらいの大きさの聖獣アルファルドが付き従っていた。

蛇のような長い体に短い前足、2本の角と背中には大きな羽を持ち、パールの光沢を持つ鱗に覆われた銀色の聖獣を初めて目にした人々は、水を打ったように一瞬静まりその後、どよめきと最大の歓声を上げた。

 マルティオス騎士団の旗艦も接岸し、紺色の軍服にマントを羽織った軍神のような堂々としたジェラールも銀色の髪を靡かせて観衆の大声援の中降りて来る。


 大司教であるツェルニヒは目を細めてその奇跡を見つめる。


(本当に伝説の通りじゃな…。)


 「聖女様!」と呼ばれてはにかむ白いドレスに腰に剣を下げたまるで戦女神(ヴァルキリィ)のような銀髪の美しい少女と、従うように少女を守っている銀色に輝く聖獣(シーサーペント)を感動の面持ちで眺める。


(レグルス様の仰ったのはこの事だったのか。

先の聖女様、500年前の中興の英雄、獅子(リオネル)帝の妃になったヴァレリア様も銀の髪を持つマルティオス公国の姫であられたという。

そうか、今回ももしや…。

ああ、女神アルテーアのご加護があまねくあらんことを!)


 共に手を取り皇帝の前へと進む金の英雄と銀の聖女の神々しい姿に神の深い御心を感じ、ツェルニヒの目に自然と涙が滲んだ。


 一方、皇帝ユーレヒトもこの光景に神が与えた大いなる運命を感じていた。

 前回のコルネリゼ領での戦いに引き続き、この国の未来をも左右する海戦を勝利へと導いたリオンハルトとマルティオス騎士団の圧倒的な強さ(実際はディアーナを失ってブチ切れただけであったが)と、そして500年ぶりに現れた二体の聖獣と聖女の存在、これらの戦いそのものが何らかの意志の下、災いなすものからこの国を、今の和平を守る為に使いを下された神の御意志なのかもしれない。


(女神アルテーアと海神トリトーネ、そして我が最愛の亡きエリーザベトとアレクサンダー。

この国を守り給し全ての御加護に最大の感謝を…!)


ユーレヒトはこの運命という名の神の采配に思い至り、心の中で落涙した。

 そして目の前に騎士の礼を取るリオンハルト皇太子と聖女ディアーナの力強く麗しい二人の姿を満足げに見て大声で宣言した。


「今日、ここに、この国難とも言うべき戦いに勝利を収めた英雄達と聖女に対し、皇帝ユーレヒト フォン ローゼンシアの名において最大の感謝と栄誉を与える。

我らがローゼンシア帝国に神の加護と栄光を!」


 その時、突然光り輝く花びらが空いっぱいに現れた。

 大観衆の驚きと歓喜の声とともに舞い落ちる光の花びらの中、笑い合うディアーナとアルファルドの姿があった。

ディアーナのクラスチェンジ

やっとタイトル回収できました。



お読みいただきありがとうございます。

不定期投稿になりますがよろしくお付き合い下さいませ。

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