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吸血にしようよ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

親指、無理矢理捩じ込んだキス描写。

苦手な方はご注意下さい。


夜の繁華街に迷い込ませて、導かれる先は何時だってネオンの灯りが灯るホテル街だった。そうして、逃げ出せなくなったのを見計らって、何時も強引に事を運ぶ。

両手親指を無理矢理歯の間に詰めて、口が閉じられない様にしてから唇を奪う。そうして上下から加わる段差ある圧力に負けず、そのまま舌を捩じ込むのだ。そんな無理に事を進める輩のキスが丁寧な筈などなく。そいつは口腔を蹂躙し続けた。だから何も考えられ無くなるのは、ただの酸欠。酸欠なだけ。

「ぐっ……うぅ……」

結局私が出来るのは、親指に痕が残る程に噛み付いて、舌を丸めて引っ込ませる事だけだった。目を開ける事すら出来ない。前に薄目を開けたら、開ききって興奮した黒目と目が合って、結局尻込みしてしまう。

キスが終わった。口内を弄り回した舌が抜ける。その拍子に思い切り拳を振り上げた。

「お前とのキス、本当に嫌い」

そう半泣き状態になって、クイーンサイズのベッドに大の字になって寝転んだ。お前は大人しく床でもソファでも使って寝てろ。


半ば強制的に付き合ってる恋人は、顔だけは良かった。陶器のように光沢のある肌と、スラリとしたモデル体型。小さな顔と相まってバランスが良い。

でも性格は本当に最悪だった。思い立ったが吉日と言わんばかりに事に及ぶ。相手の気持ちを放ったらかしにして、ただ自分がしたい様に振る舞う。暴君だった。いいや、人間扱いするのもおこがましい。野生にいる肉食動物と言った方がしっくり来る。

今日も閃いた様に目を見開いて、逃げ出さない様に腰周りに手を回した。それからは冒頭通り。無理矢理部屋に押し込むや否や、キスを施して、ぶん殴られる。何時もの事。本当、なんの成長もない。

そうしてうつ伏せになって不貞腐れていると、髪を撫でられる感触がした。条件反射として、起き上がり、その手を思い切り叩き落とす。顔を合わせると神妙な顔をしている。

「ごめん」

「一人で風呂場で寝てれば?」

そう、怒りに身を任せて叫ぶ。もう振り返る真似はしなかった。


海原みたいなベッドで一人目が覚めた。あいつの姿は何処にもない。部屋は外側から鍵が掛かっているから、恐らく此処の何処かにいるはず。

立ち上がって探し回る。ソファを確認、クローゼットの中を確認。居るわけないか。そうして浴室を覗いた時に、立膝を着いて小さくなってる彼奴を見つけた。

「君の言う通り、風呂場でいい子にしてたよ」

「あ、そうですか」

「ねぇ、褒めて。抱き締めて」

ぐりぐりと髪を押し付けて、大型犬の様に甘えてくる。これも何時もの事。この行為を繰り返して、早数回。本当に人外とは難儀だなと感じる。

「吸血衝動は?」

「大分落ち着いた」

「キスじゃなくて、吸血にしようよ」

無理矢理口に親指を捩じ込んだキスシーンが書きたかった。

場所が場所なので、様々な匂わせ、伏線を入れてあります。

という事で年齢指定させていただきました。


とある曲から浮かんだのですが、変化球になってしまったので、もっと曲を聴きます。

本当は愛する事を知らないから、こんな対応になっていたというノリでした。


愛することを知らないから、愛情表現が捻れてるキャラが好きです。不器用なところが大好きです。



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