#8.5
晴人は自分の部屋へ行ってしまった。
遂に部屋には雪菜とこの人の二人だけ。
気絶した晴人を部屋に運ぶときに少し話したが、その後すぐにここに引きこもったので、まともに二人きりになるのは今が初めてだ。
会って半日くらい。話しているのを聞いて分かったがこの人はそんなに悪い人じゃない。
むしろ晴人とは自分より上手く付き合っているなと感じる。
まあ、この人の話が本当ならば物心的に考えても晴人との歴は雪菜より長いのだから当然か。
いや、この人も雪菜…
なんだかややこしい。難しい。
「雪菜ちゃん?」
「は、はい!」
「あ、ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど。」
「全然、そんなこと…」
びっくりした。急に話しかけてくるんだもん。
「そんなに怖がらなくてもいいんだよ?私たち姉妹なんだし。」
「…。」
「まあ、納得できないのも無理はないよね。突然お姉ちゃんなんて言われたって困っちゃうもの。私が雪菜ちゃんの立場でもそうなると思う。」
「…お姉ちゃん。」
「…!!今何て言ったの!?もう一回言って!」
「うう…」
めんどくさい。お姉ちゃんってみんなこんな感じなのかな。不干渉な兄の方が楽だった。
あれも問題はあるけど。
「今は無理でもいつかはお姉ちゃんって呼んで欲しいなあ。私、妹が欲しかったの。」
「晴人がいるのに?」
「妹も欲しかったの!勿論、弟も可愛いんだけど、色んな服着せて遊ぶとか出来ないじゃない?晴君にも小さい頃はしていたんだけど…」
「してたんだ…」
あの晴人がお姉ちゃんの言いなりだなんて信じられない。お姉ちゃんってもしかして怖いな?
「そう言えば、気になってたことがあって…」
「ん、何かな?」
雪菜は話している間お姉ちゃんの目はほとんど見ていなかった。ずっと胸を見ていた。雪菜が貸したパジャマから溢れんばかりの大きな胸。アニメとかではいるかもしれないけど、このサイズは現実にはなかなかいない。
「それ…」
それを指さした。
「ああこれのこと?気になる?そんなに良いものでもないけどね。」
なんだと!これが持つ者の余裕なのか。
持たざる者はこんなにもそれが欲しくて堪らないというのに。じゃあ寄越せよ!
「雪菜たち、名前も誕生日も一緒なのに何で胸だけ全然違うの?」
「心配しなくても雪菜ちゃんだってそのうち大きくなるよ。」
「本当?」
「うん!だって私たち名前も誕生日も一緒じゃない。」
「そっか。じゃあそれ触ってもいい?」
「え?!あの…その…これそんなに大したものじゃないよ?」
「うん!じゃあ触っていいよね?」
「なんでそうなるの!あ、ちょっと!」
思わず手が出てしまった。
すっごい柔らかくて、あったかい。
将来的に雪菜もこれを手に出来ると思うと胸が弾む。
「ストップストップ!これ以上触るの禁止!」
「あ…」
手を弾かれた。
おっぱいタイムは終了してしまった。
寝てる時にでももう一回触ろう。
「もう、雪菜ちゃんがこんなにえっちだなんて思わなかったよ!どうせ寝てる時にでも触ろうとか考えてるんでしょ!」
バレてた。
「次やったら私晴君の部屋で寝る!」
「いやそっちの方が問題だから!」
あいつだって触るよ、多分。
「妹ってこんな感じなのかー、なんか思ってたのと違うなー。」
「ごめん、もう二度としない!だから許して、お姉ちゃん?」
「うーん、許す!可愛い奴だなあ全く、撫で撫で」
よし!これあと2回くらいは使えるから寝てる時に起こしちゃっても大丈夫!
そのあとめちゃくちゃ怒られた。