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なろうラジオ大賞3

恐怖! 爆裂雪だるま!

※ なろうラジオ大賞3の開始時刻よりも前に投稿してしまったため、再投稿しています。

  感想を書いてくださった方、評価してくださった方、申し訳ありませんでした。

「大変です! 町中で雪だるまが爆発しています!」


 大慌てでヘルメットをかぶったリポーターが語る。

 彼の背後ではあちこちで爆発が起こっている。


 突如として現れた雪だるま軍団。

 彼らは自分の意思で行動し、そして盛大に爆発する。


 爆発するタイミングはランダム。

 ゆっくりと近づいて来て、触っても無害。

 殴ろうが蹴ろうが、おしっこをひっかけようが、まったく反応しない。


 その代わりに爆発する。


 本当になんの前触れもなく爆発する。

 周囲に雪をまき散らし、被っていたバケツが吹っ飛んで、腕の部分の箒が空を舞う。


 爆発の威力は相当なもので、コンビニが一件跡形もなく消し飛ぶくらい。

 町は恐怖に包まれた。


「落ち着いて避難してください!」


 自衛隊が避難を呼びかけている。


 バスや電車、ヘリコプターなど。

 あらゆる乗り物を駆使して住人を避難させる。


 さすがは災害大国ニッポン。

 一晩のうちに住人の避難が完了。


 事件は大々的に報道され、世界中で話題になった。

 パニックを起こさない住人たちに賞賛の声が贈られる。


 そんな中でも、雪だるまたちは爆発し続ける。

 町は焼け野原のようにすべてが吹き飛ばされてしまった。


 どうやら彼らは、建物に近づいて爆発する習性があるらしい。


 それに気づいた人類は落とし穴を掘って埋めてしまおうと思いつく。


 すぐさま日本全国からショベルカーが動員され、街の周りに穴を掘り始めた。

 その道30年のプロや、穴掘り名人のおじいちゃんや、なろうのスコッパーが集められ、穴という穴を掘りまくった。

 そして……。


「成功です! 次々に雪だるまたちが穴へ落ちて行きます!」


 雪だるまたちは次の獲物を求めて町の外へと侵攻。

 彼らを誘導するために建てられたプレハブ小屋にまんまとつられ、落とし穴の中へ。


 奈落の底へ落ちて行く雪だるまたち。


「これで……終わりだ」


 指揮官が言う。

 雪だるまでぎゅうぎゅうになった穴の中へ、プレハブ小屋が投下される。



 どがああああああああああああああああん!



 勢いよく爆発する雪だるまたち。

 あたり一面にホワイトスノーが舞い散る。


「なんて……なんて美しいんだ」


 太陽の光を浴びてキラキラと輝く雪の粉。

 幻想的な風景がここに。


「しかしあいつら……何で真夏に現れたんだ?」

「きっと、私たちにこの光景を見せたかったんでしょう」


 指揮官の隣に立つ町長が言う。


 灼熱の太陽が照り付ける猛暑日。

 冷たい雪がやさしく火照った身体を冷ます。


 恐ろしい悪夢もようやく醒めた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「これで……終わりだ」は死亡フラグかと思ったのですが、無事でよかったです。「勝手に動く雪だるま」というとファンタジーな光景ですが、やっていることはそこら辺の犯罪者よりも凶悪ですね。
[一言] 人類の発想が唯一知能が高い人間らしいなと思いました。 最後の散り方神秘的でしたね。 想像して、綺麗だな、と思いました。 何が目的で、雪だるまたちは来たかわからないけど、最後、夏を涼しくしてく…
[一言] パニック映画は本来群像劇だということを思い出させてくれる最後のセリフが印象的で、良質なディザスター・フィルムのように余韻がありました! ただ、新作が乱発されてギャグっぽくなっていくのも、パニ…
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