出合い頭
夜通し働いていた明け方。
うっすらと日が差してきて、徐々に周囲の景色を浮かび上がらせはじめていた。
暦の上では秋になってはいるのだが、最近は季節の変わり目などないように夏の残滓がしつこく残っていてやけに蒸し暑い。
徹夜明けで、生あくびをかみ殺しつつ少しぼうっとしていたせいか、それに気付くのが遅れた。
急ブレーキできしむタイヤの音が耳朶を打つ。やがて現実味のない衝突音が鈍く響いた。
ああ、やっちまった。血の気が引き、身体が冷える。
ふと、変なことが頭に浮かんだ。
これweb小説でよく見るやつだ、異世界に転生とかするんだろうか。
埒もないことを考えてしまった。
本当になんでこんなことに……。もっと周りを注意しておけば……いや、今更後悔しても遅いのだ。
俺の人生はこれで終わりを迎えることになるだろう。
俺は意を決してトラックを降りた。
短編に行き詰まって勢いだけで書きました。相応しいキーワードが分からなかったので、キーワード詐欺になっています。すみません。