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両想い

それからさらに星を眺めていた。


 オリオン座よりもさらに東に、双子座とこいぬ座が見える。明るいプロキオンを見ていたら、ひかりは僕に話しかけた。


「ねえ先輩。あのですね。知ってましたか? プラネタリウムって、別に天文部に入ってなくても見れるんですよ」


「……まあ、そうだな」


 確かにそれはそう。だけど、なんでだろう。「私がプラネタリウムが好きってだけで天文部に入っているのはおかしくないですか?」みたいなことをにおわせて来る。これって……。


「私、でも、やっぱり、天文部に居たいなあって思うんです。ずっと、思ってたから、今までいました」


「……ありがと」


「いえ、私、楽しかったですし……それに、えーと、私、先輩に恋してるんで……好きなんですよ。先輩が」


「……」


 予想はしていた。というか期待していた。天気がいい日に、今日の夜は星がすごくきれいに見えるだろうなって期待するように。


「……すごい最後になっちゃいましたね。言うの」


「ああ、うん……」


 僕は考えた。僕はひかりが好きだ。ずっと二人で星をたくさん見た。プラネタリウムはもっとたくさん見た。だから、すごくゆっくりと好きになっていったんだな、と思う。空を、星がゆっくりと動くみたいに。


「僕も好き」


 だからそう続けた。


「えへへ……うれしいです」


 そうして、僕たちは両想いだと分かった。


 だけど、なんか無言になって。


 ひかりが先に口を開いた。


「今度、デートに行きませんか?」


「おお、行こうか。どこに行きたい?」


「……考えておきます」


 そう答えたひかりは、綺麗な星空ではなく地面を見ていて、少し何か悩んでるようだった。

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