シグラのゴルフ場探検
畑を後にしたシグラは…。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
(ザクザク、ザクザク。)
掘り進むうちに、土が砂に変わりました。
「また湖に来たのか?」
(サラサラ、ザクザク。)
しかし、砂の範囲は小さく、すぐに土に戻ってしまいました。
「あれ、湖じゃないのか?」
シグラは外に出て確認します。
すると、一面芝で覆われ、一部砂の部分と池があるだけでした。
「変な所…。」
突然、シグラの横に|小《ちい
》さな白い物が落ちて来ました。
「な、何だ!」
すると、遠くから声が聞こえます。
「ナイスショット!」
なんと、ここはゴルフ場だったのです。
「じゃあ次は私ですね。」
さっきの声の男が打つようだ。
(カキーン!)
鋭い音と共に、黄色いボールが飛んできた。
。
「わっ!危ね!」
シグラの目の前でバウンドし転がって行った。
「君、上手いじゃないか!」
上司らしき男に誉められたのか、照れているようだ。
「あのボールを転がせば良いのか?」
シグラは近くの白いボールの方へ行き、鼻で転がしてみた。
(コロコロ、コロコロ。)
シグラは面白くなってきたのか、池の方へ転がして行く。
「お、おい、私のボール、勝手に動いてないか?」
部下らしき男が白いボールを見る。
「本当ですね…。」
白いボールが池に向かって行く。
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「ま、待ってくれ私のボール!」
「ルンルン♪」
シグラには男の声が聞こえていませんでした。
(コロコロ、ポチャン!)
「何てこった!」
上司らしき男は肩を落とす。
「落ちちゃった…。」
シグラは穴を掘り、今度は黄色いボールに近付く。
(ザクザク、ザクザク。)
シグラは黄色いボールの横に出てきて、穴に落とした。
「君のボールはどこだい?」
部下らしき男が見回すが、黄色いボールの姿は無かった。
「たしか、この辺りに落ちたはずですが…。」
落ちた跡を辿った先に、小さな穴を見つけた。
「ここってグリーンだったか?」
上司らしき男の質問に部下らしき男は首を振る。
「カップはあの旗の下なので、ここはまだフェアウェイだと…。」
上司らしき男は、考え込む。
「じゃあ、この穴の中に…。」
上司らしき男は穴を覗き込む。
「とりゃ!」
シグラは黄色いボールを穴の外に弾き飛ばした。
「わっ!」
上司らしき男は驚き腰を抜かす。
「中に何か居るみたいですね。」
上司らしき男は黄色いボールを手に取る。
「事務所に戻ろうか?」
部下らしき男は頷く。
2人はプレイを止め、戻って行った。
「ボール…。」
シグラは少しガッカリした。
暫く落ち込んだ後、遠くから別の男がやって来るのが見えた。
「またボールだ!」
シグラはボールが来るのを楽しみに待ったが、今度の男が打ったボールは、シグラの頭上を越える飛距離だった。
「えー!」
シグラはボールを見すぎて、尻餅をついてしまった。
打った男は走ってボールに向かって行く。
シグラもボールを追っていたが。
「あのヒラヒラしているのは何だ?」
シグラが見つけたのは、グリーン上の旗だった。
(ヒョコヒョコヒョコ)
地面を走り旗まで辿り着く。
「この穴は何だろう…。」
シグラが考えていると。
「これを入れたらバーディーだ。」
シグラが慌てて穴に隠れると、男が穴に向けてボールを打った。
(コロコロ、コロコロ。)
「よしっ!」
(コロコロ、ポン!)
シグラの頭に当たり跳ねた。
「跳ねた!?」
男は驚きながら、穴を覗きに。
「あわわ!」
シグラは逃げる様に穴を掘る。
「あれ?」
男は不思議がりながら、パーを入れる。
そして、シグラはゴルフ場を後にした、探検に出掛けるのであった。