表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

水明

作者: 生神真原

これはエリカの記憶。

私というちっぽけな存在が

私を形成するためにあなたを求めたのかも知れない。

気のせいでも

あなたは間違いなく私にとっては

夜に凜と儚く咲く夜桜だった。

そう、桜だ。

そうだ、枝垂桜だ。

冬のインクを溶かしたような空の中に

抗っているみたいにそこに立っている。

そんなあなたに見とれた私がいたのでしょう。

凜と立つあなたを私はよく知っています。

だからこそ

私はあなたのことを知らなくて

自我を失ったみたいに喪失感に怯えて

春の日の輝かしさに目を奪われる。

そんなことはわかっているさ

私はあなただからね。


私がエリカであったから

あなたが枝垂桜であったから

私は今も生きてゆけるだろう。

今もその儚さを忘れたくて

私は今も夜の中にぽつり。

あの凜とした記憶があなたを今も映し出す。

あなたはもう忘れてしまっているでしょう。

それでも、私はエリカのままでいよう。

私のあなたへ向けた幼い感情の視線は

桜並木の花吹雪に遮られた

夜から抜け出した貴方の視線とは

もう出会うことはないでしょう。


はらり、はらり

記憶は鮮明に浮き出して。

はらり、はらりと

季節は巡る。


いつまで経っても私はエリカだ。


武 頼庵(藤谷 K介)様主催 第二回初恋企画 

「春、出会いや別れのある季節の涙な初恋」参加作品です。



良ければ感想どうぞ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 詩の流れはとても美しくキレイですね。 [気になる点] 枝垂れ桜という男(?)の例えがよく分かりません。 遅咲きでも華やかであるとかそう言う意味でしょうか? それが他の桜に目移りしてしまった…
[良い点] 水明という題に惹かれました。 少し不思議な感覚におちいりながら読みました。 鏡を見ているような。 透き通る湖畔の水面を覗き込んでいる気持ちになりました。素敵な詩でした。
[良い点] 『はらり、はらり 記憶は鮮明に浮き出して。 はらり、はらりと 季節は巡る。』 という部分が気に入りました。 改行の使い方が上手だと感じます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ