『赤の姫』の戦い
ぶっちゃけ下書き……すいません。何か今日書けないです……。
明日、ちゃんとここから編集して追記し、いつも通りの文量にしようかと思います。
つまり明日はコレの編集になるので、新しい話の更新は無しです。
……ホント、身勝手ですいません……。
12/21日 更新致しました……!
竜族の魔法とは、言ってしまえば「拡張された感覚」だ。
五感とは別の新たな感覚。
私達人間の言う第六感とは違う、むしろ人間では想像もできない現象を引き起こす異能力。
それが魔法だ。
例えばそれは、風が吹いてくるタイミング分かる感覚だったり、遠くにある物を引き寄せる感覚だったり、だ。
そして、『赤の姫』の魔法は「火生覚」――つまり、火を生み出す感覚、だ。
>>おぉ……!
感嘆の声はあおい姫から。
今『赤の姫』の手には、握りつぶせる程度の小さな火が灯っている。
もちろん、この程度の火が生み出せるだけな訳じゃない。触れる感覚があるから見ていなくても物が分かる通り、感覚にはある程度の延長性がある。
それはこの、火を生み出す感覚も同様だ。
火を生み出し、大きくする。大きくしたものを、好きな形状に変化させる。
彼女はそこまでのことを可能としている。
身の丈ほどある大きな燃え盛る炎を圧縮し、揺らめきを固定し、剣の形と成す。
それを二つに別けるように、両手で握っていたその大剣を裂く。
そうしてそれぞれの手に握られたのは、炎の色に染まった二対の長剣だった。
>>炎の剣……
次の呟きは、エレノアから。
しかし、そこに嫌悪感はない。
むしろそこには、興奮にも似た感動のようなものがあった。
それが、『赤の姫』を喜ばせている。
……思えば、彼女のあの力が、ああして受け入れられたことは無かったかもしれない。
魔法を行使する時周りにあったのは、恐怖と嫌悪。
竜族の証とも呼べる人間にはないその特異能力への、敵意と拒絶。
だからこそ、ああして己の力を振るいたがることは、今まで一度としてなかった。
振るう時はいつも、仕方なしに。
他に手立てがなくて。
未熟な自分ではそれに頼るしか無いという、無力感に苛まれながら……。
……それが、今は無い。
元気よく自分から前に出た時のまま、喜びの中、構えを取る気配が伝わる。
きっと、本当に初めてなのだ。
こんな、自分の力を見せびらかすためだけに、魔法を使うなんてことが。
「…………」
ふと、考える。
ここが本当に異世界だというのなら、彼女はここにいるべきなのでは、という考えが。
……否、そうではなく、ここが同じ世界の別の国だったとしても、ここにいるべきなのでは、と。
異世界だとかそうじゃないだとかは関係ない。
ただ、『赤の姫』を受け入れてくれる。
きっと自分たちも似た力を使えるからこそだ。
『赤の姫』の魔法に対して、忌避感が無い。
特殊ではあっても異端ではない。
だから受け入れられ、感動された。
いくら人間を助けても、その人間に拒絶される世界なんて……戻る必要なんて、無い。
あんな場所に戻る必要なんて、どこにもない。
「はぁっ!」
気合一閃。
大きな包帯塊の一撃を、その小柄な体躯を活かして躱し、懐へと一気に潜り込む。
同時、股下部分の地面を強く踏みしめる。
魔法である炎を圧縮し・力と成したその足で。
地面が振動し、その中心点にいた相手の姿勢が、グラりと崩れる。
そうして倒れ込んでくる身体の中心で交差するよう、切り上げと横薙ぎを同時に・十字を描くよう斬撃を放つ。
普通ならそんなことをして血を浴びて、鎧も武器も使い物にならなくなる。
しかし彼女が持つ武器は炎の塊だ。
それは斬撃であると同時に炎撃でもある。
斬られたその体内から一気に炎が巻き起こり……断面を焼き固め、同時に体内に火の種を植え付け――
「――燃えて」
――『赤の姫』のその合図で、全身が燃え始めた。
全身が包帯なだけはあり、よく燃えている。
……と、こうして感動している場合ではない。
今私は、彼女たちと行き止まりに挟まれている。この光景に注目している間に、彼女たちの背後へと場所を移動して置かなければ遭遇してしまう。
五感全てから発する気配を絶ち、無になり、ゆっくりと……それでいて高速で、その脇をすり抜ける。
元包帯グルグル巻きに注目している気配が伝わる今なら、こちらに視線を向けてくるはずがない。
――そんな考えはあっても、油断はなかった。
それなのに、エレノアが――確かにこちらへと、身体の方向を、向けてきた。




