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序章「空を見上げて」
序章
「絶対、一緒に行こうね」
それが私の親友 西 梨亜の最後の言葉であった。
なぜ、私だけが助かったのだろう。
低いビルだってない、民家がポツポツと立っているだけの私たちの街。
都会に憧れ、クラスがあの話題一色になっていたあの時、あの時間。
それが私たちにとっての日常であり、また私にとっての幸せな毎日だった。
あの日までは。
私はなぜ助かったのだろう。
親友を助けられなかった私。
私、村雨 幸は今日も自問自答をし、明日を見つけられない。