終わりの始まり 後編
……い、おー……おーい。
(……ん。うるさい)
んー……そろそろ起きてくれないかなぁ、こっちが勝手に喚んだんだし起きてくれるまで待とうとは思ってたけど流石に起きるの遅くない?仕方ない、無理やり起こすとしますかぁ。何して起こそうかなぁ、濡れタオル?鼻をつまむ?それとも……
(どれも、ショボくね?いや、やられたら嫌だけど)
斬首、絞首……ダメだ、これ以上ネタがない。僕の語彙力少ししかない……、よし溺死にしよう。
「はい、起きたぁ!起きましたぁぁ!!」
おぉ!やっと、起きてくれた!いやぁ、もう少しで君をの息の根をとめるとこだったよ。危なかったぁ。
(いや、危なかったのは俺だろ!何言ってんだこの……人?)
……やっぱり、君は勘がいいね。お察しの通り、僕達は人間じゃない。けど、神でもないし、天使でもない。もちろん、悪魔でもないよ?僕達はそんな枠組みには縛られない、そんな存在。
「ぇ?俺…今、喋ったか?それに今、人間じゃないって…は?しかも、何だよ勘がいいって」
ん?ああ、喋ってないよ?僕達が感じ取っただけだから。それで、人間じゃないってのは、そのままの意味。勘がいいってのは……まぁ、後々自分で分かるようになるさ。
「……。ここはどこ……なんですか?」
あれ?別に敬語じゃなくてもいいのに、敬語なんか使われたらこっちがシンドイじゃん。それで、ここはどこ?っていう質問だったね。ここは君の夢で、正確に言うと君が望んでいた、世界さ。
(えー……。いや、確かに非日常を望んではいたけどさ。まさか、こんな形で叶うとは思わなかったなぁ……)
だよね。僕達も、まさか勘がいいだけの人間を選ぶとは思わなかったよ。けどまぁ、これでやっと本題に入れるよ。今までが、前振りだと思うと長かったねぇ……。で、本題なんだけど君はどんな能力がほしい?
「能力?」
そう、能力。例えば、魔法を使いたい!とか、未来を予知出来るようになりたい!とか、一を知って百をあるいは、千を知るような頭脳をもちたい!とかいっぱいあるだろ?ないんだったら、そのままでもいいけど君、死んじゃうよ?
「ッ!?死ぬ?なんで!?」
落ち着きなよ。もしかして、非日常を求めてるのが自分一人だと思ってたの?そんなわけないじゃん。君以外の十数人が、今同時に僕達と話してるんだよ。まぁ、主に話してるのはこれからのルールの事なんだけどね。
「…………」
そんなに睨まないでくれよ、ちゃんと一から説明するから。えーと、まずはなんで死ぬのかって話からだね。死ぬ理由は簡単、他の人間も何かしらの能力を持たせるから。それじゃ、ルールの説明に
「能力を持たせるって、さっきの俺みたいな選択肢はないってこと……ですか?」
話は最後まで聞いてほしいんだけどなぁ……。ちょっと説明する順番が変わるけど、まぁそう言うこと。
「じゃあ、なんで俺の時だけ選択肢が?」
だから、話は最後まで聞いてほしいって言ってるよね?
「ッ!すいません……」
うんうん。物分かりのいい人間は嫌いじゃないよ?それじゃ、ルールの説明に戻るね。最初から言うけど別にいいよね?
「は、はい」
じゃあ、言うよ?君たちにはこれから能力をもって元の世界に戻ってもらいます。そして、その能力を持った人間と戦ってもらいます。もちろん、勝者には賞品または、新しい能力をあげます。ですが、戻る際にはここでの記憶は一時的に忘れさせてもらいます。そんな事をしたら能力者同士が会わないんじゃないか、という疑問もあると思いますが大丈夫。皆さんは同じ町の人間ですから必ずどこかで出会うことになります。そして、誰か能力者同士が出会うと参加者全員の記憶が戻ります。そして、それがスタートの合図です。以上僕達から。
何か質問ある?
「…ないです」
そうかい?良かったよ。説明するのは面倒くさいからね。それで能力は決めてくれた?今まで結構、時間あったような気がするけど。
「は、はい。『――――』ていう感じの能力が欲しい……です」
へぇ~、いいんじゃないんかな。それじゃ、詳しいことはこっちでやっとくから。元の世界に戻すけどいい?それじゃ、行ってらっしゃ~い☆
「あ、はい」
……最後になんか引かれた感じがしたけど、まぁいいか!さてと、これで全員終わりだけど何しようかな?他の僕達とお茶でもしようかな?なんてね♪
読んで下さった方には感謝です。
……後書きって何書けばいいんでしょうか。