【プロローグのみ】ニッチ世界転生
どこかのオッサンが、どこかへ転生しましたよ。
それの冒頭部分だけの一発ネタ。
「んっ……」
「あっ、起動した!」
「んんん…………」
俺は死んだはずだった。
理由は……まあ、言いたくない。 言えば白い目で見られるのが目に見えているから。
それなのに、死んだ自覚があるのに、何故か意識が覚醒した。
なんだ、どうしたんだ、俺は。
なんて思いながらも、本能は正直だった。
覚醒したなら目を開けろ。
状況を確認しろ。
その気持ちに突き動かされ、目を開ける。
……と。
「うわぁっ!!?」
巨人だ!!
目を開けた瞬間に飛び込んできた情報にパニックになった。
目の前にいて俺を覗き込んでいたのは、巨大なヒトの顔だった。
これに驚いた俺は思わず上半身だけ起こして、手足で後退れるだけ後退り、背中が壁にぶつかって止まった。
まずい、なんなんだこの状況は!?
なんてもう何か出来る事をと考える余裕も無く、上空にある巨人の顔を見続けるしかなかった。
その顔は丸みがかった女の子の形をしていて、ストレートな黒髪全体……特に前髪が妙に長く、正面から見ていたら前髪がカーテンになって目が隠れて見えないかも知れない顔だった。
見下されているから目が認識できる。
目がパッチリなまん丸で、瞳孔が十文字に見える特殊な感じだが、間違いなく可愛いと思えただろう。
……自分も相手と同じ位の身長だったなら、だが。
なんて、もう現実逃避ばりに女の子を眺めていたら、話しかけられた。
「あれ? この子は怖がりさんかな? 大丈夫、怖くないよ?」
どうやら俺は急に他所の家に上げられた猫みたいな扱いらしい。
女の子から言葉と共に手のひらが差し出され、多分その手のひらに乗れと言っているのだろう。
「…………」
しばらく観察しても暴力は振るってこないので実害は無さそうだし、手のひらに乗ってみるとする。
「わあ、かわいいね!」
…………かわいい?
いやまあ、俺はオッサンだが、小さなオッサンはキモカワキャラとして定番だからな。
それを素直にかわいいなんて言うなら、この子は少し残念な感性をしているのだろう。
そう思いながら観察していると、向こうも俺を全力で「かわいい」を連呼しつつ観察し終わってから、なんかワケの分からない事を言われた。
「素体、スッピンのままじゃ可哀想だからね、お着替えしようね?」
お着替え?
いや、オッサンのお着替えて……(ドン引き)
なんて思っていたんだが、彼女の手のひらに乗ったまま移動した先にあった鏡を見て、こりゃまたビックリ!
「ふふ、初めて自分の姿を見たのかな? 人間の小さなパートナーロボット、フローリアちゃん。 これからよろしくね!」
俺はどうやら、小さなメカ少女になっていたらしい。
なんかこの子の趣味なのか、豊かで数も多い金髪ドリルをドリドリぴょんぴょんさせ、それはもうキッッツイドSな顔付きで、身体つきも大変にゴージャスなお嬢様と言った風貌のメカ少女。
身に着けている物は、いかにもメカ少女らしいピッチリした水着っぽくもありSFパイロットスーツっぽくもあるやつ。
ただし装飾とか派手さとかは最低限で、いかにも[ここから貴方が育てて下さい]と言われそうな初期装備らしさが漂っている。
「一緒に生活して、一緒にいっぱいお喋りして、一緒にオシャレして、興味があったらフローリアバトルも一緒にして、いっぱいいっぱい楽しもうね! オチョーちゃん!」
なんか俺、小さなメカ少女になっていたらしい(2回目)
この後、フローリアとしての機能の確認をしたり、男として苦手な長話でぐったりしたり、ボディを洗浄するとか言って一悶着してから風呂に一緒に入ったり、バトルをゲーム感覚で楽しんだり、フローリア開発の一番偉い博士が変なプログラムとプロジェクトで暗躍して……な定番イベントが起きたり、他にも色々なイベントが起きる予定(それを書くとは言っていない)
補足(蛇足)
フローリア
最大20㌢位の、少女の姿をした自律行動ロボ。自我あり。 欧米の女性名を指すフローレンスからとって、フローリアがシリーズ商品名。
人間のパートナーとして超デカい企業が開発・発売している未来のアレク◯内蔵PC端末みたいな物。
無線充電でパワフルで、防水耐圧耐火性能が優秀で、超耐久で家事もこなせるスーパー家電。
こんなんだからフローレンスバトルとか言ってゲーム感覚の戦闘競技も人気になって、製造元も調子に乗ってバトルに実質的なファイトマネーを出すようになって、フローリア用の武器防具やブースター等の武装も開発するようになって、一大産業にまでなってしまった。
フローリアのボディ
いかにもなメカ要素(関節とか仮面みたいな顔とか)をむき出しにする事も、人工皮膚っぽいのでまるっきり小人に見える様にする事も可能で、このオッサンは人工皮膚を貼られているタイプの模様。
この話題は感想を受けて、説明不足を補う目的で書き足しました。




