探索報告書 6
「重要資料…管理施設…?」
そんなことが書かれている扉の前に立ち血に濡れたドアノブに手をかけ、ゆっくりと引く。すると音を立ててその重たい扉は空いた。そこにあるのは薄暗い廊下。壁には『毒ガスに注意』と書かれている。
「わざわざ教えてくれるんだ…」
そうつぶやきつつその廊下を進む。気を付けろと言われてもその廊下は一本道で何をどう気を付ければいいのかが分からない。なので少し歩幅を小さくしてその廊下を歩いていく。やがて一つの扉が現れた。入り口とは違い木製の扉。この扉だけ木材なことに違和感を抱いたけれど、扉を開けるしかないだろう。そう思い僕はその扉を開ける。
「子供…部屋?」
目の前にはおもちゃの数々が散乱しておりベットの上に血が付着しているが子供部屋だということが分かる場所がある。おもちゃなどを見るに女の子の部屋だろうという印象を受けるが、そもそも何でこんなところにこんな部屋があるのかという疑問が強い。
「うん?」
ふと目に入った本棚に僕は近づいた。
『役割記載書』『研究所内規約について』『おともだちのつくりかた』『研究所内設計図』
本の中に明らかに一つだけ目的が違うものがあった。
「お友達の作り方?」
わざわざタイトルがひらがなになっているのでこの本だけはほかの本とは何かが違うはず…
「とにかくすべて見てみよう」
そう思い『役割記載書』と書かれた本を手に取った。