探索 4
私はパソコンの電源をつける
「喉が渇いたな…」
そうつぶやくとゆっくりと私はそれを手に取る。
「ん」
私はそれの中身を飲み干し、ゆっくりと息をする。
「まだ仕事が終わんないや…きっとまだみんな起きないんだろうなぁ」
あたりを見渡すと前までの騒がしさなどかけらのない真っ赤な部屋が広がっている。
「やっぱり一人で使うには広すぎたかな…」
そんならしくないことを考えながら私はパソコンを確認する。
「施設規定
・研究所職員の外出には所長の許可を要する
・研究所職員は辞職に所長の許可を要する
・研究所職員が研究所内の情報を外に持ち出すことを固く禁ずる
・研究所内に発火物または刃物等の危険物持ち込みを禁ずる
・研究所職員は××の捜査時のみ現警察官よりも上の立場を持つ
・××を殺害した場合その遺体は研究所に搬送する
・××には最大の慈悲を与え殺害する
・××以外の民間人に危害を加えることを禁ずる
・上記の規定に違反した者は即刻処分となる」
赤い文字で表示されている文面はここに私が勤めるうえでのお約束。もしこのお約束を破ったら私は…
「まぁ…破るつもりはないけどね…」
その資料を保存しパソコンの電源を閉じる。
「別にパソコンのパスワードなんてものは設定していないし、わざわざつけっぱなしにしても電源が減るだけだしね…」
私はそう言ってこの部屋にある唯一の出口を見る。
「だれ?」