探査報告書 2
「これで全部かな」
僕は壁と植木鉢に挟まれている6つのロッカー…そのうち開いた3つのロッカーの中身をとれる範囲ですべて取り、オフィスの机の上にロッカーごとに分けておき、どこで手に入れたのかをすべて神にメモしておく。
【0001】のロッカーは空。【0002】ファイルや封筒、カラーペンが入っていた。【0004】折り紙とセロテープにハサミ…8月10日の外出許可証が入っていた。
「0001番のロッカーが空だったのに意味はあるのかな…」
そう考えつつ僕は【0004】のロッカーにあった外出許可証に目を移す。
「5月4日の外出許可証って…さっきの手紙に書いてあったサプライズ用の物かな」
でもこの許可証には判が押してある。けど僕は言った記憶はない…そもそも個々の記憶があんまりない時点で忘れさせられてるだけなんだろうけど…
「そう言えば…」
この手紙に書いてあったパソコンのパスワード…多分最初の部屋のパソコンだと思ってるんだけどな…
僕はゆっくりと立ち上がり最初の部屋に戻る。
「それにしても…一体ここは何なんだろう…」
清潔感が漂う一面真っ白な部屋もあれば、血をまき散らして倒れている職員もいる。だけど僕には個々の記憶がない…何かきっかけでもあれば戻るのかな…
そんなことを思いながらにもその部屋にたどり着いた僕はそこにあるパソコンの電源をつける。するとやはりパスワードと書かれた画面が出る。
今この研究所の職員で誕生日が分かっているのは3人…0729(7月29日)0505(5月5日)0810(8月10日) だから多分この中のどれかで…というか多分本人の誕生日なんだろうけど…
僕はパソコンで本人の誕生日を打ち込む。
≪ログイン完了≫
その言葉が画面に表示された直後赤色の背景に『所長 お誕生日おめでとう!』と書かれた垂れ幕の前で、5人の白衣を着た男女が真ん中にいる1人の白衣を着た赤い目の少女と一緒に笑顔で映り込む姿の写真がホーム画面として表示される。その中にはあの死体になっていた男と履歴書で見た青い瞳で白髪の女性もいる。そして…鏡で見た自分自身の姿も映っていた。
「あ…れ…?」
画面をのぞき込む僕の顔がパソコンに反射して写っていた。
その顔は泣いていた
ふ