學園祭
警戒していた日を無事に乗り切ったことに安堵した私はすっかり気を緩めていた。
校舎裏呼び出し事件の日、結論から言うとチェリが校舎裏へ向かう様子は一切なかった。
前回、なぜチェリが校舎裏へと足を運んだのか記憶が曖昧で思い出せていない事が不安だったが、問題なく過ぎ去ったようで私は胸を撫でおろした。
しかし、実際はそう簡単ではなかった。
あの日校舎裏でカナディアが囲まれるという事態は実際に起きていたのだ。
噂の出所も不明。一体誰が目撃したのかも誰が言い出したのかも不確かな噂。
しかし、チェリ達のサロンでの話を偶然聞いてしまったブーラによって流れは変わった。
「アラン、先日テンプル嬢が囲まれていた件ですが、どうやらワーリス嬢が一枚かんでいるようです。」
風のよく通るテラス。グリー様は飲んでいた紅茶を静かに置いた。
サロンでチェリ様の周りで令嬢たちが話していた話をそのままグリー様に伝えた。
「それって、本当にチェリちゃんが命令…」
黙って聞いていたトパー様が横から口を挟んだ。
「トパー。」静かにトパー様に目を合わせたアランは笑顔のままガーネッツ様に命を下した。
「ガー、悪いけどチェリの様子を見ておいてくれないか。」
了承したガーネッツ様を確認した私は鈴音に報告する為に急いでこの場を離れた。
學内が學園祭にわく教室の片隅でチェリはため息をついていた。
「チェリ様?どうしたの?…ゴホン。」
學園では大人びた口調を使用しているクローバだったがついいつもの口調で話してしまい咳払いをして切り替えたクローバ。チェリは何も気にした様子もなく話をつづけた。
「今朝、部屋の前にこんな手紙が落ちていたのだけれど、誰かが落としたのかもしれないと思って申し訳ないけれど確認させてもらったのよ…でもあまりに不可解で落とし主も探せなくて困っているの…」
チェリが見せてくれた手紙は手紙と呼ぶにはあまりにお粗末などちらかというと走り書きのメモに近い感じの紙だった。
「今日の日付と…これは旧校舎…でしょうか?」
クローバは紙から読み取れるだけの言葉を読み上げた。
魔道具越しに様子を観ていたわたしは彼女たちに聞こえるはずも無いのに声を上げた。
私は急ぎクローバにメッセージを送った。
しかし私の想いは届かず、彼女たちは今日の放課後に旧校舎へ向かう約束をしクローバは席に戻ってしまった。
放課後になり、二人は旧校舎へ向かっていた。
扉に近づいた時―
少し離れている本校舎まで届くのでは無いかと思う程の声で悲鳴が聞こえた。
声の聞こえた方へ向かうとそこにはカナディアが階段の手すりにもたれかかりぐったりとしていた。
「…っ…。カナディアさん!?大丈夫ですか?」
チェリはカナディアに駆け寄った。
程なくして、勢いよく扉が開かれる音と舞い上がる埃。
複数人の影が私を見下ろしていた。
カナディアを抱き支え、呼びかけるチェリを押しのけるかのように真っ直ぐにアランがやってきた。
アランに支えられよれよれと立ち上がったカナディアは息を詰まらせ言葉少なに話し始めた。
「分からないんです。誰かに押されたと思ったらもう階段から落ちていて…。」
アランは言葉を遮るように優しくカナディアを包み込み撫でると、その後直ぐにやってきた養護教諭の先生の持ってきた担架に乗せた。
取り敢えずと養護室に運ばれた、カナディア。
背中が見えなくなるまで見送ったアランはくるりとチェリたちの方へ向き直った。
「お二人はどうしてこんなところにいたのかな?」
一件優しそうだが有無を言わさない雰囲気を醸し出しながら笑顔で二人に向き直る。
先に口を開いたのはクローバだった。
「アラン様こそどうしてこちらにいらっしゃったのですか?」
クローバの問いかけにアランは「それは今こちらが聞いていることだよ。二人はここに来た理由を隠さなければならないという事でいいかな?」
今度はチェリが口を開く。
「今朝、わたくしの部屋の前にお手紙が落ちていましたの。
持ち主にお返ししなくてはと思いまして失礼とは思いましたが、確認させていただきましたの。」
「その手紙とやらを僕に見せてくれないかな?」
そっとポケットから手紙を取り出すとアランに手渡した。
「ふむ。これは手紙と言うにはあまりにもお粗末なものだ。これは本当に拾ったものなのか?」
「どういう意味でしょう?」
まるでチェリの自作自演を疑うかのような発言に嚙みついたのはクローバだった。
「そうか分かった。そういう事にしておこう。さぁ行こうか。」
微笑んだかと思うとアランはブーラたちを連れて本校舎の方へ向かっていった。
どうもはじめましての方ははじめまして。
お久しぶりの方はお久しぶりです。
愛羽真琴と申します。
新年迎えましたね。
今年初投稿という事で目標の宣言をしようかと思いたち後書きを書き始めました。
私、Minecraftというゲームが好きなのですが、そこで新世界を創造しようかと思いここで報告させていただきます。
正直、三日坊主な自分に並走作業が予定通りに進行出来るのかという不安はありますし、報告するかどうか悩みましたが、もしかしたら報告を行うことで作業が進むかもしれない…というなんとも他力本願な一縷の望みのもとここへご報告させていただこうと思います。
また、進捗報告はTwitterの方で行う予定です。
のんびり進めていく予定ですので何卒お手柔らかにお願いします。
愛羽真琴




