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娘を悪役令嬢にはいたしません!!  作者: 愛羽真琴
アイリーン・ベア・エリザベート篇Ⅱ
14/27

学園生活

しかし私はまだ気づいていなかった、これが救済の無い悪役令嬢の物語だということに。


王立ブルネット学園

この学園では、平民も王族を含む貴族も同じ教室で授業を受けている学生であり、扱いに差異があってはならない。

初界生と上界生の二学年あり、初界生では様々なことを幅広く学び、上界生では専門的な事を学ぶ事ができる。

学園では授業以外も様々なことに積極的に取り組み学ぶことを期待されている。


クラスに馴染み始めた、チェリは楽しそうに学園生活を楽しんでいるようだった。

しばらくは平穏な日々が流れた…と思われた。

私たちは知らなかったのだ、ある噂が流れていることに。

そして、とうとうこの日がやってきてしまったのです。

ストーリー上では今日カナディア・テンプルが編入してくる。

時には王子に対して手厳しい態度をとっていたが、それは妃としては当然の態度のようにみえたし、王族に嫁ぐ身としての振る舞いは完璧なはずだ。

今日まで公務の合間に様子を見ていたけれど、特にチェリの性格が悪いような感じは無かった。

まるで家での我儘が嘘かのように。

そんなチェリが編入してきたばかりのカナディアに意地悪するようには思えない。

再び意識を魔道具に戻すと、丁度カナディアが先生に促され挨拶している所だった。

「今日からこの学園で皆と学ぶ事になった、カナディア・テンプルです。これからよろしくお願いします。」

平民らしく明るく元気な挨拶に教室がざわついたが、「ようこそ、王立ブルネット学園へ、明るく元気の良い挨拶じゃないか、これから共に学ぼうではないか。」王子のこの一言に一瞬で教室の空気が変わるのを感じた。

その場は王子の一声でおさめられたが、なぜ貴族たちがザワついたのか理解できなかった彼女はそれからも同じような行動を繰り返し、その度に王子たちに助けてもらうのでした。

少し遅れて入學して来たことで、分からないことだらけのカナディアにクラスの皆は丁寧に教えていきました。

ある日は移動教室へ共に向かう為に声をかける者、

教科書がまだ手元に無いカナディアの為に教科書を見せる事を口実に席を近づけ、授業中に喋りだす者…

クラスはカナディアを擁護する主に攻略対象者達とあまりに目に余る行動に注意を促すものでほぼ二分していた。

当のチェリはと言うと、チェリ本人が直接カナディアに何かする訳ではなく、チェリを取り囲むご令嬢達がする噂を肯定も否定もするわけなくただただ聞いているだけだった。


これといった事件があった訳では無いが、王子とチェリ、二人を持ち上げる形の対立構造は確実にクラスを蝕み、徐々に学年、学園へと根を伸ばしていた。

しかし、異変に気づいた時には遅かった、チェリがカナディアを虐めていたという噂が広まっていた。

もちろん、火のない所に煙は立たない。

チェリの前でされるひそひそ話しか聞けていないが、どうやら数日前校舎裏にてカナディアを呼び出したということらしい。

しかも、一人で来たカナディアに対し、チェリには複数人の取り巻きがいたそうだ。



事件当日

わたくしはクローバにおすすめの場所があると聞かされて校舎裏へやってきていた。

「本当にこんな所におすすめの場所があるのかしら。」

どんどん校舎から離れ森へ森へと入って行くクローバ。

私は思わず疑いの目を向けた。

「ええ、本当におすすめですわ。」

仕方なく跡を継いでいくと、私たちが普段使わない校舎裏にしゃがみこむ人影とそれを取り囲む人影に気づいた。

「ねぇ、あれって…」クローバに声を掛けようと先をみると、そこにクローバはいなかった。

先に行かれたのかと当たりを見回したが、クローバの姿は跡形もなく無くなっていた。

ごそごそしていたからか取り囲んでいた人影がチェリに気付き、仕方なく茂みから姿を現した。

「こんな所で何をやっているの?」私は出来るだけ優しさを意識しながら問いかけた。

誰も答えずその場を長い沈黙が支配した。

暫くし、口を開こうとした時、校舎の方から鋭い声が飛んできた。

「こんな所で何をしている。」

王子の問いに私は「それを聞きに参りましたの。」と答えた。

「それは、私の問の答えにはなっていない。」

望む答えを返せないことが分かったので私は黙った。

暫く沈黙が流れ、その沈黙を破ったのは何処から現れたのか、クローバだった。

「アラン様、わたくしに発言をお許しくださいますか。」

「ああ、学園内では特別、私の許可を得る必要は無いよ。」

「私見ていましたわ。チェリ様は何もなさっておりません。」

まるで、私が何かをしたことを前提とした会話、どんどん話が進んでいく。

なにもしていないと何度言っても聞き入れてもらえず、あの場にいた令嬢たちに視線を向けるも王子の迫力に黙ったまま。

この場で解決しそうにない事を察すると王子の口外禁止を合図に解散となった。

よく通る声で高らかに解散を宣言するとカナディアを支える様に王子は来た方へ戻って行った。


あの場に居た誰かが漏らしたのか、それとも見ていた誰かが喋ったのか分からないが、噂はあっという間に広まり、今日に至っているわけである。

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