表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娘を悪役令嬢にはいたしません!!  作者: 愛羽真琴
アイリーン・ベア・エリザベート篇Ⅱ
12/27

セレモニー

それから5年の月日が流れ、娘は10歳の年になった。

王子の10歳セレモニーに婚約者ということは隠して呼ばれた娘に付き添う形で私だけが、パーティーに参加していた。

わが国ではあまりパーティーを行わない。やっても生誕パーティーぐらいで、国内向けはあまりやる必要が無いからだ。

故に大抵は、海外に向けて行うものが主流だ。だから普段以上に疲れる。

普段は着なれないドレス。緊張するなというほうが無茶である。

最低限の挨拶を終えるとする事が無くなり、私たちはひっそりと壁際で時間が過ぎるのを待っていた。

しかし、ダンスタイムの時、事件は起こった。

あろうことか、今宵の主役で、最も目立つ男、王子が娘を一番最初にダンスに誘ったのだ。

誰しもが憧れの王子様と踊るチャンスではある、しかし、私たちには全くもっていらない。

チェリがどうするのかと様子を伺っていると、突然王子の襟を掴んで無理矢理に同じ目線までかがませ、王子に耳打ちをした。

その場にいた誰しもが、とんでもない様子に呆気に取られていたが、王子の笑いで一気に場が緩んだ。

「ははは。分かったよ。行っておいで。」

2人に注目していた私たちは何が何だが分からずただただその場を去っていくチェリを見送る事しか出来なかった。

慌てて後を追いかけた私は、馬車のところでやっとの事チェリに追いついた。

「チェリ、どこに行くの?王子にダンスに誘われたのではないのですか?」

私の質問にチェリはいたずらっぽく笑うと、馬車に乗り込んだ。

私も慌てて乗り込み、事情をきくと、どうやら化粧直しをしてくるから待っていてほしいと伝えて出てきたらしい。

とんでもないことになった。今までドタキャンをしないでちゃんと弁えてる子だと思って油断していた。

まさか、こんな大舞台で逃げ出すとは…。

これから一体どうなるのか、ゲーム本編が始まるまであと4年ほど、分からない未来に不安を抱えながら馬車に揺られ帰宅した。


次の日早速王家に呼び出しを受けた私たち。

今度は旦那様も一緒に。

私はビクビクしていたが、チェリはあっけらかんとしたように、旦那様も知らんぷり。

当然昨夜の出来事は一家の主である旦那様には伝えておく必要があるので、帰宅後その足で旦那様に会いに行った。

しかし、大切な話だと言うのに、いつも通り私は旦那様の部屋へは入れてもらえず、旦那様付きの執事に事情を話し、伝えてもらう事にしたので、ちゃんと昨日の話は伝わっているはずだ。

大層ご立腹な国王様、それもそのはずだ、自分の大切な一人息子がこけにされたのだから、そんなの私だってチェリをこけにされたら怒ると思う。

それを王子は苦笑いしながら宥めている。

あの後、どうなったか分からないが、もしかしたら上手く収めてくれたのかもしれない。

王子は助け舟を出すかのように、部屋へ来るよう指示してくれた。

まるで私たちを庇うかのような行動だが、その時の王子の瞳の奥は決して笑ってはいなかった。


あくまで早く帰りたいと言わんばかりの態度の旦那様。

王子は気付かないふりをしてくれたが、私の冷や汗は止まらないし、息をするのもしんどくなってる気がする。

チェリに憐れみの目に近い表情をして、目線を合わせると、「どうして、あんな事したの?あの後どうなるか、君は少しでも考えた?これが、将来妃になる人間のすることか?」静かにではあるが、しっかりとした怒りが伝わってくる。

私は謝るよう目線で促したが、チェリは私の視線に気付いたが、俯いて知らんぷりしていた。

どうしようかとオロオロしてると、王子はやれやれと息を吐くと、今度はこちらに向き直り、乳母を呼び出すよう指示を受け、私たちは取り敢えず解放された。

流石に乳母に申し訳が立たないので、我が家へ戻ると緊急対策会議を開くことにした。

メンバーは私と乳母、良い案を持ってそうなチェリ付きの侍女マリーと執事長。

私は早速議題を発表した。普段のようにグダグダ考えている時間が無いからだ。

「今は緊急事態、無礼講だから思う事何でも言ってちょうだい。どんな意見でも今はおしいわ。

まず、チェリの今後の態度をどうするかよ。」

まるで前世の自分が憑依したかのようにテキパキと皆に指示を出していく。

この世界では役に徹しようと大人しくしていただけに始めこそ戸惑っていた皆だが、事の大きさを理解したようでどんどん意見を出し合い白熱した議論となったのでした。

暫く頭を突合せ夜は更け、なんとか朝方完成した資料を前に、暫くは魂が抜けたように突っ伏していたが、思い出したかのよう乳母に託すのでした。

主な内容はと言うとチェリに再教育を施すことであった。

しかし、これだけでは終わらなかった。

どう話が進むかと玄関をウロウロしていると、乳母が青ざめた顔で帰ってきた。

内容を聞くと、私たちの提案したものに追加で学園で学ぶ事を先取りしておけ。と言うものだった。

私たちの会議でもそな話は持ち上がったが、チェリに勉強の時間以外がなくなってしまうから却下した案だった。

それでも乳母には提案は全てのむよう言っておいたので、受け入れてきたらしい。

これもチェリの選択の結果なので受け入れざるを得ない。

その日からチェリは一変した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ