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娘を悪役令嬢にはいたしません!!  作者: 愛羽真琴
アイリーン・ベア・エリザベート篇Ⅱ
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王子様

無常にも月日は流れチェリは5歳になった。

そして今日は王子様との初顔合わせの日。この国の第一王子、つまり娘の婚約者との初対面の日だ。

相変わらず、私の周りに変化は無かった。

そんな事を考えていると、王子様たちが待つ、お城へと到着した。

「お初にお目にかかります。ワーリス・チェリ・エリザベートでございます。」

この世界では階級の下の者が先に挨拶をするのが一般的だ。

「はじめまして。僕の名前はアラン・グリー・ブルームと言う。これからよろしくね。」

二人が挨拶を終えるとまだぎこちなかったが、とりあえず二人でお茶をさせる事になった。

別室で待機する事になった私と旦那様。

…案の定重たい空気が流れる。旦那様は普段、チェリがどんなに我儘を言っても知らん顔。

もちろん私と顔を合わせても一切の会話は無い。

長い長い沈黙がその場を支配した。


私はさっきの事を思い出していた。

さっきの王子様の態度が、引っかかっる。

ゲームの王子の性格は横柄な俺様が鼻につくタイプだったはずだが、もしかしたら王様の手前猫を被っていたのかもしれない。

そんな事を考えていると、お開きの時間になったようで、メイドさんが娘を連れてきてくれて、私たちは帰ることになった。

屋敷へ帰る馬車の中、娘は不満たらたらな顔だった。

事情をきく為に私は部屋に娘を呼び、メイドに人払いをする様に頼んだ。

「もーー!王子様があんなに我儘だなんて思わなかった!まったく、噂詐欺よ。

何?あの態度、僕は君に興味なんてありません。見たいな顔。」

流石に旦那様の前でこの態度は取れなかったらしい。

不満をぶちまけてスッキリしたのか、穏やかな顔でチェリは部屋へ戻って行った。


一夜明けて、チェリの顔はイライラしていた。

一晩寝てスッキリするかと思ったが、そうではなかったらしい。

そうだ!今日は我が国一番の道具師が我が家に挨拶にやってくる。

娘からは一つ年上のお姉さんと同い年の息子さんも来るはずだ!

そしてこの二人は確か同じ学園に通うはず!!

チェリには同い年ぐらいの友達はまだいないから是非とも仲良くなって欲しい!

「奥様、ワーリス様、ハチェット・ツーラー様がお見えになりました。」

「分かったわ。すぐ行くわ。」迎えに来たメイド長と、共に客間へと向かった。


「お初にお目にかかります。ハチェット・ツーラーと申します。

こちらは、姉のピン・ツーラー、弟のホー・ツーラーでございます。」

それぞれの、挨拶が済み、旦那様とハチェットさんが出ていくと部屋には私たちだけになった。

流石は商人の娘、少々面倒な性格をしているチェリに上手く取り入ってくれている。

職業柄お貴族様を相手にする事が多々あるのだろう。

すっかり機嫌を良くしたチェリは饒舌にしゃべっていた。

ピンと共にいたホーもピンに促され弱弱しくも会話に参加していた。

ここで見ているだけでは本当の二人の力関係は分からないので想像であるが、ピンは姉をやっているような気がした。

やがて日が傾き、ハチェットさんが迎えに来る頃にはホーの緊張もある程度は解けたようだった。

ピン達とのお茶会には楽しそうにしているチェリだが、今だ割り切れないようで、王子とのお茶会の度に不機嫌になっていたが、それでもドタキャンをすることなく頑張って行っていた。

そんな毎日が暫く続いたある日、王子とチェリが庭で読書をしているのを見守っていると、一人の少女が2人を影から見ていることに気づいた。

初めは王子に夢を抱いているのだろうと思って気にしていなかったが、チェリが帰宅のため馬車に乗り込もうとした時、同じ少女が影から見ていることに気づいた。

どうやら、お目当てはチェリの方だったようだ。

翌日、同じ所から見ていた少女に私は声をかけた。

「お初にお目にかかります。ジーニアス・クローバ・フラワーでございます。本日は父について参りましたの。」

彼女はフラワー家の長女で、彼女の家も私と同じ辺境伯だ。

最初こそ驚いていたが、チェリの友達になって欲しいと言うと、彼女は瞳をキラキラせた。

丁度翌日、王子は公務があるらしく、お茶会は無い日だった為、チェリに彼女を紹介することにした。

「お初にお目にかかります。ジーニアス・クローバ・フラワーでございます。」

憧れのチェリを前にド緊張していたようだが、無事挨拶を済ませ満足したのか、足早に立ち去ろうとしたが、菓子を用意してあると言って無理やり引き留める事に成功した。

極度の緊張からロボットのような動きになったクローバを見てチェリは面白かったようで、「今日から貴方は私の隣にそばにいなさい!」と満足気に言い放った。

クローバは歓喜したようで奇声をあげた次の瞬間、意識を失ってしまった。

チェリは不思議そうにしていたが、自ら進んでクローバを介抱していた。

その後も、チェリはピン達やクローバとお茶会をしながら、王子とのお茶会にも参加していた。


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