クラス分け
王立学園は一クラス二十人以上、一学年がAからCクラスまでで約六十人、全学年で二百人弱である。ラク様に言わせればかなり少ないらしいのだけれど、いくら身分差がないとは言え、基本的には貴族教育のための学校なのだ。王侯貴族の人数はそれほど多くはないし、通っている平民も特待生や豪商など限られた層だけ。大体、あまり多過ぎても式で集まった時など遠くまで声が届かないし。(マイクはないのかと聞かれたけれど、それが何なのかは分からない)
入学式が終わった後、あたしたちは指定されたクラスへと移動した。新入生代表のジュリアンはAクラスであたしはCクラス。別に身分や試験結果で固まっている訳ではなく、満遍なく振り分けているので、どのクラスにも王族の関係者も平民もいるそうだ。まあ、ジュリアンと同じじゃなくてよかった。
「リジー=ボーデンです。ボーデン男爵家長女で、入学を機に王都に来る事になりました。男爵領を発展させるために、たくさん勉強したいと思っています」
当たり障りのない自己紹介を終え、席に着きながらリューネ様を見やると、立ち上がりながらこちらに向かってウインクしてきた。なんだ可愛いな……と思っていたら、隣の席の男子が顔を赤らめている……ん??
「外相リンクス侯爵の娘、リューネです。皆さんは私の亜人のような姿が珍しいようですけれど、我がクラウン王国の外交力の結果ですから! テセウス殿下のおっしゃる通り、差別意識を持つ事なく接してくれると嬉しいです」
ちらちら見られているのが分かっていたのか、先ほどの殿下の演説を引き合いに出して牽制してくる。その殿下が亜人差別の筆頭なのだが、ちゃっかり発言を利用するあたり、彼女もなかなかしたたかなようだ。
そして隣の男子はリューネ様の知り合いなのか、事あるごとに視線を送っていた。
「ロラン=オンブル……伯爵家次男です。将来は立派な騎士になるのが夢です」
「騎士団長のライラプス家とは代々ライバル関係なのよねー」
リューネ様に囃し立てられ、ロラン様がムスッとしながら席に着く。ライラプスって、リューネ様の婚約者ドロン様の……ひょっとしてライバルというのも、剣の腕に限った話ではないのでは? 断罪時にドロン様に腕を掴まれたあたしとしては、ロラン様の方を推したい。
それからオリエンテーションが行われた。内容は去年と一緒だったけれど、ただの義務としてそこにいた時とは違い、これから自分の意思で学んでいくのだと思うと、気分が高揚するのだった。




