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硝煙の中で輝く  作者: 宇都宮 光
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この世界で生きていく

 微かに聞こえてくる乾いた音。少し遅れて響く振動。この音を聞いてもあまり動じなくなったのは、いつからだろうか。いや、正確には動じていないわけではない。動じないように振る舞い、心を無理やりにでも落ち着かせているだけだ。何も考えず、感情のままに従うよりは幾分かはましだろう。そう思いながら、支給された煙草に火をつける。一吸いして落ちつき周りを見渡すが皆、疲弊している。大半が装甲スーツを装着したまま、体を休めている。もっぱら俺装着したまんまだ。次の出撃命令がいつでるか、わからないから仕方がない。ここが前線である以上逃れなれない運命だから。だが、この状態に文句を漏らすやつは一人もいない。これが自分の果たすべき義務であり仕事だと考え、文句を言っても状況は変わらないと理解しているからだ。そんなことを考えている矢先ありえないほどにやかましい音で警報が鳴りだした。

 〈こちらHQ、警報は聞いたな。これより5分後、戦闘態勢に入る。各自装備を装え集合せよ。繰り返す。各自装備を整え集合せよ。〉

 「こちらブラボーリーダー、了解。戦闘態勢準備に入る」

HQとの無線を終え、小隊全員に伝える

 「今の無線は皆聞いたな。これから戦闘だ。各自スーツを装着後起動しろ。」

 「了解!」

 全員が準備に取り掛かる。俺も装甲スーツの節電状態をオフにし、武器格納庫へと歩き出した。

 ぽつんと言葉が漏れる

 「ああ、また地獄が始まるのか。」



 

 

 

 


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