映画鑑賞(随筆日記)
「令和のつれづれ」を、うっかり
「平成のつれづれ」と、ミスタイプしそうになりました。時間が経つのは、早いもの。
日々、つれづれ…
「令和はまだ始まったばかり」と、書こうとしましたが、「令和も、もう3年」です。この先歴史としての令和を振り返る時、代表する出来事といえば、「コロナ禍」があがることでしょう。(えっ?令和の災い主郭は、まだまだこれからですって!?いやいや…)
コロナ禍で、いったい何が変わったか。
私的には、「Amazonプライム」に入ったことが、生活に大きな変化をもたらしました。(宣伝じゃないよ)。2020年3月から始まった自宅待機が、暇で暇で。
「プライム入ったら、映画みないと」。定額見放題コンテンツの充実していること。
観なきゃ、そんそん。
私は、映画をろくすっぽ観ない「詳しくない人」なので、映画のあれこれについて書くのはお叱りを受けそうですが、映画の紹介ではなく「映画をほとんど見ない層が感じた事」を書いているだけなので、ご批判はご容赦を。
そういえば、プライムの他にも、生活を変えたものに
「小説をタダで、クラウドに投稿できる」
というのがありました。
書かなきゃ、そんそん。
急に、セコい話になりました。
目先の小さな餌に食らいつく小魚よろしく、自分より大きなものの意図に振り回される人生なのであります。
いや、ここは視点を変えて
「システムの構築、運用のほかもろもろ。現場の細やかな配慮とサービスによって、社会は形作られている」
と、解釈すべきでしょう。
<欲望という名の電車>
しょっぱなから古典で申し訳ない。「欲望という名の電車」はカラーなし、白黒、モノクロ映画です。ストーリーは、お嬢様育ちの婦人が、久しく疎遠にしていた妹夫婦を、トランクひとつで頼ってくるというありがちなお話です。
この映画のタイトル”A Streetcar Named Desire”を最初に耳にしたのは、英会話の例文でした。
上記タイトルは会話で、「いかにも、観賞し尽くされた古い映画」と揶揄されてました。つまり、テキストに載るくらい当時流行ったのでしょう。(映画の公開は、1951年)
きれいに着飾る元国語教師の姉ブランチに対して、妹ステラは庶民と結婚した平凡な主婦。妹の夫スタンレーは、義姉ブランチが故郷の農園を売り払った金の行方を疑い、彼女の悪評を耳にする。スタンレーの友人ミッチは、ブランチの色香に溺れるが、彼女の不埒な正体を知り…、というスジです。
名作映画としてテレビで観た当時の私は、若い多感な年頃でしたが、とにかく強烈な印象を植え付けられました。老いて自分が醜くなることを恐れ、狂人へと身を落とすブランチの変貌ぶりは、エロさもグロさもないのに、どんなホラー映画より心底怖かった。
ホラーでいえば。
例えば、もし怖いと思う対象が「サメ」ならば、海に近づかなければいい。
もし、「斧を振り回す夫」が恐怖ならば(シャイニング)、苦労してでも子供を連れて稼ぎ口を探せばいい。
もし万が一「狂気に満ちた異世界に飛ばされる」不運にあったとしても、神に好転を祈るくらいはできる。
でも、映画にあるような「若さの喪失に抗う」絶望は、誰の身にも絶対に起こることで逃れる術はない。ああ、なんという不滅なテーマ。
若い女性の皆さまは、映画のブランチを観て、日常に感謝しつつ人生設計のヒントを得るかもしれません?
さて、プライムで久々に、もう若くはない私が映画を見返す機会に恵まれたわけですが、最初に観た当時と、印象が変化していたことに驚きました。
ブランチの印象は、ではじめから「浮くほど着飾った、胡散臭い人」。
多感な当時の私(しつこい?)は、ブランチのことを「きれいなお姉さま」とみていたのに。
妹の印象は「自主性のない、くたびれた主婦」から「夫や姉への愛情溢れた、地に足のついた人」に、変わりました。
妹の夫スタンレーは「自制の効かないDV夫」ではなく「肉体的にも逞しく狡猾さと行動力に溢れた家族思いの大黒柱」だった。
ブランチに惚れるミッチは「紳士な救世主」から「絵に描いたようなカモ」に見えて…。
何より、当時あれほど怖かった話が、どこか達観さをもって客観視できていたこと。現実には、年齢を重ねたことで、よりブランチのキャラクターに自分が近くなったはずなのに、驚きです。いえ、本当に他人事になったのでしょうか?なんたって、私はもう多感な若…(以下自粛)。
せっかくですので、ブランチのセリフから印象的だったものを抜粋します。
Woman's charm is 50% illusion.
神秘的な方が、女の魅力が増す。(直訳だと、女の魅力なんて幻想?)
Yes, magic. I don't want realism, I would imagine.
現実より、魔法の世界がいい。
You know what played out is? My youth is gone out of forest.
若さを失い、枯れ果てたのよ。
Death. the opposite is desire. How could you possibly wonder.
死の反対は欲望。私は欲望を求めることで生きてきた。
映画で人から見下されていたブランチですが、彼女から学ぶことは多いです。
<誰も知らない>
「誰も知らない」は、実在の子供置き去り事件を題材とした邦画です。
公開は2004年。受賞多数の話題作とはいえ、2021年の今ごろ、何故にこのチョイス? ええ、鮮度ある流行は追わずに(追えずに)、懐古の醸成を好き勝手にたしなむのが詩絵流ですから。
同じく是枝監督がメガホンをとった「万引き家族」(2018年)は、カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞しました。
実際にあった「巣鴨子供置き去り事件」では、兄弟の世話を押し付けられた長男(14歳)が、友達と共に三女を殺害、遺棄して逮捕されています。母親は、3人以上の男との間に6人の子供をもうけるも、戸籍登録しないで学校に行かせず。長男ひとりに子供たちを押し付けて、自分だけ新しい恋人と同棲していました。100%母親が悪なのに、刑量が謎すぎる(母親は保護者遺棄の罪で執行猶予付)。尤も、「母親を収監すると残った子供の世話をする人がいない」(長女と次女を引き取り、長男の養育は拒否)、長男も「こんな母親のもとより、養護院で暮らした方が幸せ」といった、現場の事情に配慮した判決なのかもですが。
映画の印象は、実際の事件の再現というより、事件にヒントを得た創作ですね。プロの役者とは言え子供たちの動きや表情がとても自然で、児童に演じさせられている緊張感がまるでないことに驚きます。俳優には台本を覚えさせるのでなく、監督が口頭で指示を出していたそうで。なるほど、自然な振る舞いの撮影には、そんな工夫があったんですね!一度見ると、思わずそのまま引き込まれてしまう映像です。
母親が新しい恋人のことを「今度こそ、いい人」と言い、柳楽くん演じる長男が(「そんなわけないじゃん」)とは言えずに、布団に顔を突っ伏すシーンのキュンキュンすること。
母親役は、YOUさん。
鬼畜な役の設定とは裏腹に、「隠しきれない、良いお母さん感」が子供達とのやり取りからにじみ出ています。他の子にも子供ファーストな気配りができる「賢母」なんだなと、映画とは関係ないところで感心してしまった。冷淡な母親像の演技をあえて求めないのも、監督の意図のうちなのかも。
芸能人としての彼女は、外出すれば「子供を置き去りにした」と叩かれ、弁当を作れば「アピールがうざい」とやっぱり文句を言われていたと記憶しています。が、映画を見る限り、きっととっても信頼できるお母さん。私がもし芸能人で、シングルかそれに準じる立場で、子供のことで悩んで相談相手が必要なら「事務所を超えてYOUさんに相談しにいく!」と、思ってしまいました。(なんともあり得ない妄想)。
それにしても、実際の事件で問題だった母親を、「愛情あふれた母親」が演じてる美化に、ちょっとモヤモヤします。子供となんちゃらは視聴率が取れるそうですが、映画は注目されてなんぼで、正確な再現など求められないのでしょうけど。
ちなみに、状況が深刻になる後半を、私はかなりスキップしました。映画を家でなく、劇場で強制的に全部見せられるならば、しんどいだろうな。近所の子を見つめる感覚でまったり役者さんたちを観ていたいのであり、親近感からのバットエンドは辛いのです。
YOUさんの本業は、歌手でしたね。
耳にしたことのある素敵な曲は、「塊魂」のサントラ「天使の雨」です。
https://www.youtube.com/watch?v=iD24bv2VDJc
<ミュータント・ニンジャ・タートルズ>
映画館で目にした、ステキに弾ける予感しかしない予告編。
ようやく本編を観れました「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影2016年
ニューヨークを舞台に、影の忍者が飛び回って悪を倒す、 アクション映画です。ヒーローは、世を忍び(忍んでないけど)刀やヌンチャクの使い手。忍者でタートル(海亀)な4兄弟。
なんと、実写版だけで6作!
原作も読まずシリーズ他の作品も見ずに申し訳ないのですが、なんで海亀がヒーローなんだろう。カメが大活躍する映画を一番みたがるのはカメ自身だと思うのですが、なんの為の誰得映画?
はっ!ひょっとして!?レプタリアン…
ええと、失礼しました。ディスってないです。ストーリーの完成度が高く、子供から大人まで楽しめる映画です。
敵のシュレッダーは人間の遺伝子を操作する薬で、サイとイノシシの凶悪な戦士を作ります。
ところが、ヒーローのカメたちが「俺たち、これ使って人間の姿になれるんじゃね」てな事で、兄弟喧嘩が始まり…
ところで、敵のマッドサイエンティストが用済みになって捨てられるシーン
「東京の施設に、連れて行け」(転送ボタン、ポチ〜)
バクスター博士「いやだ、助けてくれ〜」
ってくだり…。東京はどんなポジションなんでしょう?
(博士、ぜひ東京でのご活躍、期待しています!)
「頑張れ、海ガメ四兄弟!地球と人類の平和を守るために!」
うーむ。私が解説だと違う作品みたいだ。
スカッとしたい時、おススメ。大画面か、できれば映画館で鑑賞したい。
<Xファイル>
例えばもし、可愛い後輩に「先輩、Xファイルってどんなドラマですか?」と聞かれたら。あるいは、気になるあの人が「Xファイルをみたことないので、オススメの回を教えてください」て、シチュエーションでもいい。
厄介なことに、相手がオカルト好きでないリアリストで、SFに科学的な裏付けを求めるタイプだとして。ドラマだけで218話あるのに、どの回を推すべきか、なかなかの難問です。しかも、Xファイルはプライム見放題対象ではないので、時間だけでなく料金もかかります。
あなたは、考えます。
この好奇心旺盛な誰かさんに、ぜひ、Xファイルの良さを知ってもらいたい。できればロマンチックなのがいいし、「観てみて損したわ」とか、思われたくない。ベストな1話をチョイスしないと。
そんな時のお勧めは、”War of Coprophages" (1996年)シリーズ3、13話です。オカルト要素が薄めで、Xファイルには稀なロマンスがある上、奇跡的にハッピーエンドなんです!
タイトルのCopro-は、”排泄物”、Phageは、”食べる”。
邦題は「害虫」です。
スカリーは"dung eater"と言っていました。モルダー風に言うなら
「殺人ゴ●ブリが、人間を襲撃してくる」です。
恐ろしげなタイトルですが、安心してください。流血グロは少なめです。
ゴ●ブリに覆われた死体がいっぱい出てきますが、病気か不幸な事故によるもので、殺人●キの襲撃によるものではありません。
「汚いじゃないか、ゴ●を身体中に這わせて、役者が病気にならないか?」
そんな心配しそうになりますが、大丈夫。
彼らエキストラは、クリーンなSPF。 衛生環境の整った環境で育ったぼんぼんなので、その辺にいるノラのゴ●とは違います、多分。
それにしても、スタッフがこの話を撮り終える動機と熱意はどこから生じるのか、私は本気で知りたい。
人間は、考えすぎる。
昆虫は、反応するだけ。
今見返しても、ストーリーに古さを感じさせない。セリフでは「猿の惑星」が、多く引用されています。
唯一残念なのは、スカリーの有名なセリフ「モルダー、あなた疲れているのよ」が出てこないこと。代わりにモルダーが「ひさしぶりに、いい気分だ」
と言っちゃう、まったりな話です。
個人的に、エキストラの●キが撮影の終了後にどうなったのかが、気になるところです。何匹かは脱走して、天寿を全うできたでしょうか?
蛇足ながら、シリーズ3には、日本に関するエピソードが2話含まれますが、私の記憶ではどちらもTVで放送されませんでした。
<アメリカン・ビューティー>
ふと、こんな妄想をします。
しゃれた映画を誰かと一緒に楽しみたいと思って、「ビューティフル・マインド」を観るつもりが、うっかりタイトルの似た「アメリカン・ビューティー」を観てしまったら。(前者は、知的な感じの、数学者ジョン・ナッシュの半生を描いています。)
で、今回紹介したいのは、後者の「アメリカン・ビューティー」の方。
アメリカの退廃した家庭がテーマの1999年公開の映画です。
ティーンの娘の友達に恋して筋トレ始める親父、父親を気持ち悪がる娘、同業者と不倫する妻、保守的と見せかけて実はヤバめの隣人。この内容にしてタイトルに「美点(beauty)」とあるだけでもびっくりなのに、さらに自国名を入れちゃうって…。ロリコンを絶対嫌悪する国だろうに、映画はアメリカ国内外で受け入れられて大ヒット、数々の賞をいただいちゃうこの国の自由さよ。
どの層に受けたのだろうか?まさか、ファミリー??
もっとも、「アメリカン・ビューティー」はバラの品種名だそう。赤い薔薇が作品中で使われてます。
アメリカの裕福な白人一般家庭が、崩壊する映画といえば、他に「フォーリングダウン」(1993年)が思い浮かびます。フォーリングダウンでは、失業して離婚の危機にある父親が、ランチャーぶっ放して、いい具合に弾けます。あり得ない展開なのに、一線を超えちゃう背景や、「もともとおかしかったよね」って、へんなわかりみが醸し出されてました。
さて、同じく末期的な家庭を描いた今回の「アメリカン・ビューティー」。最初から最後まで、今だとわりとありがちな問題に、登場人物は悩みます。どこか狂っている一方で、自分たちの日常が、平凡(ordinary)であることを恥じてすらいる矛盾。
主人公はクズ父親ですが、あるべき大人の人物像でもあります。新しく見つけてくる仕事がファーストフードの店員だったり(しかも、楽しそう)、自身の背徳を受け入れつつ、ティーンの導き手としての役割は果たしてます。
主人公のリストラを目論む上司から「イカれた、ビョーキ野郎だ(One twisted fuck)」と言われて、「何も失うものがない、普通の男さ(ordinary guy)」という返しが、まさにこのとおり。(これって私が、『賢い拳』で書きたかった世界観です)。
奥さんの方も、実は結構頑張っている。不動産業で業績をだそうと" I will sell this house Today!" と自分を鼓舞して、理想に向かって邁進する。主婦業も完璧にこなして、お庭に薔薇まで育てちゃう。
お隣に住む娘の恋人は、繊細でいかにも感受性の強い素敵な青年。まあ、ヤクの売人で、SONYのハンディーカメラ片手に娘をつけ回すストーカーなんですけどね(両思いになったから、セーフ?)。
でも、一人ひとり彼らなりの超えちゃいけないラインを守ろうと努力している。ひとつひとつは、意外と普通というか日常(受け入れがたいですが…)。理想像への固執が強すぎる人が、結局そこから逸脱してしまう。
奥さんが、夫の喪失に発狂して終わるのが、せめてもの救いです。
もう一つ引っかかったこと。前半は、みんな言いたいことが言えずに我慢しています。後半では、言いたいことを言いまくって怒鳴りあいます。我慢せずに吐き出すのもありなのかな、と映画を見て思いました。実地で試す勇気はありませんが。映画でも、主人公は破滅してましたし。
パーカッションのBGMのタイトルは、その名も " Dead Already"
https://www.youtube.com/watch?v=6sWll2mqPD0
薬でキメて、ノリノリに車で聴いてたのは アメリカンウーマン
https://www.youtube.com/watch?v=gkqfpkTTy2w
ところでこの映画、私は誰とどこで観たのかどうしても思い出せない。ビューティフル・マインドであれば聞けますが、「娘の同級生にガチ恋して、隣人に◯される親父の映画を一緒に観たかな?」などと聞く勇気がなくて、確認できません。
<ネタのネタの蛇足>
ちょっとだけ愚痴っていいですかね。
私この映画鑑賞の「プライムな日々」を、とあるサイトに書き綴っていたんです。
そこに宣伝もなしにどうやってか辿り着く希有な読者がいて、私のこのロングテイルの先に絡みついた枯れ草のような文章にして珍しくアクセス数が上ったんです。
「映画産業は斜陽とか言ってるけど、案外需要あるんじゃん。」とか
「ネットで文章を読む人口って、思ったより多いんだな。」とか、適当に納得してて。
ところが、上記「Xファイル」の記事を載せた次の日にアクセスがいきなり0になりました。
(ええ、ええ、もともと誤差みたいな数だったので0に違和感はありませんでしたけどね。)
まあ、誤差かどうかは置いといて、いったい私の紹介文のどこに、読者を遠ざけた要因があったのか、反省を兼ねて自己分析してみることにしました。
さて、Xファイルの「殺人ゴキブリ」ですが、この文中のどこが上記読者にとってダメだったんでしょう?
私が思うに、世の中「ゴキブリが嫌い」と枕詞のように言われている中には、本当にゴキブリが嫌い(表裏のない正直者)な「ゴキ嫌い」と、世間の雰囲気に忖度してゴキブリが嫌いなふりをしている「隠れゴキ嫌い」(ゴキブリは嫌いじゃないれど、ゴキ嫌いを装っている人)と、が混在してると思うんです。
例えば、目の前で「きゃー、ゴキブリ! 私、ゴキブリが大っ嫌いなの!」と、叫んでいる人がいるとしましょう。
その人が「隠れゴキ嫌い」か「本当にゴキブリが嫌い」か、どうやったら見分けることができるでしょうか?
答えは、「わからない!」だと思うんです。
そう、他人の心の中はわからないんです。
Xファイルの見どころの執筆時、私は、世の中には結構な数の「隠れゴキ嫌い需要」があるものと踏んでいました。一部の人たちはゴキブリの話を「聞きたがっている」ものだとばっかり。が、残念ながら今回、読者層のターゲットを見誤っていた可能性があります。そうか、あんがい世の中には世間の雰囲気に忖度しない正直者が多いのかもしれませんね。
え?あなたは、ゴキブリ好きを公言する正直者の「ゴキ好き」ですって?
すいません、今回そう言った極一部の人は、カウントしていません。そういった真正の方は、どうぞ我が道を行ってください。
ちょっと待ってください。私は何か、勘違いをしていたかもしれません。
そう言えば、Xファイルの「害虫」では、ゴキブリに覆い尽くされて死んだのが、男優ばかりで、女優はいなかったと記憶します。ゴキブリに覆われた死体役を演じたかった女優には、平等にチャンスを与えられなかった可能性があります。これって男女差別じゃないか。
ドラマに密かに不満をもったフェミニストの、声なき抗議だった気がしてきました。
「役が欲しいから、チャバネとワモンの羽を纏った衣装で世間の注目を集めてやる!」
そんな気概を持った女優が現れた日には是非、待合室のテレビででもチラ見して、人知れず心の中でだけ応援していたいと思います。
ところで、その後に紹介した「アメリカン・ビューティー」。娘をストーカーする隣人を感受性豊かと褒めたのが不快な人がいたかもしれません。 確かにヤクのディーラーでしたが、彼が扱っていたのはマリファナ。 映画作成当時は違法薬物でしたが2021年での現在、イリノイ州での大麻使用は合法です。彼は今の法律では「犯罪者」に当たらないと思います。隣人は今のところクリーンです、多分。ゴミ袋がクルクル風で回るのが美しいといっていた彼。変人であって、変態ではありません。
ちなみにこの愚痴は、「なろう限定特典パート」です。なろうには、世間を欺く「隠れゴキ嫌い」が、きっと多いと私は信じていますから。
一応断っておきますね。ネタなので本気にしないでください!
<食の生産現場のドキュメント>
食に関するドキュメント映画を3本、紹介します。
食といっても。頑固親父が出てきて「究極の食材が」とか、インスタ映えな盛り付けに「お料理のモチベがあがっちゃう」とか、「お、うまそうなレストランだな!よし、プライベートジェットで行くか」的な、グルメ展開は一切ありません。
あくまで、畑や酪農などの生産現場を取材したものです。
「フード・インク」 アメリカの食、ファストフードや生産現場の現在。センセーショナルな話題が次々と続き、精神的ダメージマックスです。これって、フィクションではなく、現実なんですよね…。 終末論に飢えた方には、きっと満足いただける内容です。
「ありあまるごちそう」 主にヨーロッパにおける畜産農業の問題点。テーマは深刻なんだけど、フード・インクを見た後だと、どうしても牧歌的なビフォーアフターの「ビフォー」の雰囲気。上記と撮影時期は3年しか違わないんですけどね。日本人の感覚だと、こちらの方が馴染みがあります。
「100億人ー私達は、何を食べるのか?」 今回の3本の中では、新しい2015年の映画です。興行成績は上記2本を二桁ほど下回るものの、世界各地の伝統的な、そして最新技術をいずれもポジティブな視点で紹介していて好感が持てました。日本の水耕栽培の紹介もあります。ローカルな取り組みを紹介するエンディングにほっこりします。
<フード・インク>
公開は2008年(日本での公開は2011年)。一回り以上むかしの映画ですが、米国の食の工業化、大規模化、企業による独占化の波は今も止まらない。選挙がらみの映画でもあり、取り上げた企業から献金を得た政治家が写真でモロ映し出されます。米国選挙を2回以上経た今、より冷静に政治的主観の意図を薄めてみれる気がします。
「モンサント社などの遺伝子組み換え大豆のシェアは、米国2008年の時点で90%。」これ、すごい数字でびっくりしました。遺伝子組み換えは単に口に入る食の問題だけでなく、もれなく除草剤散布による、作付け地域の雑草を文字通り根絶やしにすることも意味しているんですよね。
徹底的な薬品散布が植物層だけでなく、動物層や菌層に与える影響を考えたら、クラクラしてくる。
遡ること、1996年の遺伝子組み換え大豆のシェアは2%だったそう。私も昔は、新しい技術を賞賛する側よりの人間だったので、
「遺伝子組み換えと言っても、遺伝子配列の違いだけ。DNAは、口に入れば消化されて核酸になるのだから、人工も自然も安全性は一緒!」とか、考えていました。
アメリカ(輸出国でもある)の食の現在が、多様性を奪われた危ういバランスの上にあるなんて。画一化され過ぎた状態は、将来的に起こりうる環境変化に弱いんですよ。
アメリカの食といえば、アメリカンビーフ、牛さんです。
映画では、「本来は草を食べる牛に、コストと手間の観点からトウモロコシを無理して食べさせた事で、大腸菌o157の繁殖につながった」と述べています。被害者の生前の映像や悲しむ遺族の映像が流れて、こたえる…。
菌の発生について、とんでも理論かと思って調べてみたのですが。日本でも「干し草給餌が有害菌の定着を抑える」と言った研究結果が出ているので、センセーショナルな内容とはいえ、あながち嘘と言い切れないのかな?
ちなみに、これらの菌に対する企業側の対策は「穀物給餌の見直し」ではなく、「アンモニア噴霧による殺菌」でした。今さら、システムを根本から見直す選択枠は、コスト的に不可能なんでしょう。
こういった食の経済的効率化、工業化に対抗して、より自然な酪農を試みる個人の取り組みも紹介されています。
「これ以上の規模では無理だね。出来ることをする。」
現地では、これら食品を手に入れようにも、近所のスーパーには売ってないし、お高いんでしょうねぇ。
アンモニアで消毒したハンバーグのパテは、正直おいしそうに見えなかったです。
「日本人の肥えた舌の食へのこだわりって、実はこれら大企業からの防波堤になるんじゃねぇ?」そんなことを考えたのでした。
<ありあまるごちそう>
2005年の、オーストリアの映画です。日本公開は、2011年。
フード・インクの興行成績が$460万に対し、ありあまるごちそう は、300万。結構頑張ってます。
ヒットしたのは、主にドイツな模様(BoxOfficeより)。
オープニングで、暗い映像に小麦農家の絶望と苦悩が映し出されます。
「小麦の値段が、安すぎて…」
一方で、まだ食べられる美味しそうなパンの大量廃棄映像。
ああ、他所の国も、悩みは同じなのだと。
安いからと、コーンの可食部を燃やして暖をとる。一方で、食料自給率の低下、原生林の破壊など、問題点を一つ一つ拾っていく映像が続きます。農家さんや漁師さん、それを運ぶ運転士さんの考え方や知識や哲学が興味深い。
しみじみ見入ってしまいますが、何せフード・インクを見た直後なもので牧歌的に感じてしまう。いやはや。
養鶏場で鶏の世話をしているおじさんがいいます。
「叩き上げの経営者がいなくなり、学校で学んだ新しい上司は、数字しか見ない。味のことは、二の次なんだ。」
おおっと!
いち従業員が、言います。
「ネスレの社長は、オーストリア人なんだ。いい人なんだけど、偉いからって彼には選択権はないから。」
この後、そのネスレ社長のトークが長々と続きます。
「水は食品として捉えたら民営化して所有できます。公共のものとは限らない。…(中略)…株主が、利益が…(中略)…私は、従業員とその家族を守らないと…」
確かに、社長はいい人そうだ。
話を切り取って強調したり加工したようには見えませんが。この編集の順序、なかなか後ろから刺してきてます。
「コストの問題。対価は払うべき。」
(安いが正義)とか、耳触りのいい事を言ってくれないのね、と。聞いてて耳が痛いわ。
<肉食恐竜の真実>
食のドキュメントの続きを書くつもりでしたが、せっかくGWも始まったばかりなのでファミリー向けのものを一つ。
もちろん、1人で楽しむも良作です。
肉食恐竜の真実(2005年)
BBCの番組でやや古いですが、ティラノサウルス対トリケラトプスといえば、お子さんから元お子さんまでもが喜べる鉄板ネタ。
化石の痕跡に見る恐竜の戦いの跡が、とか、両恐竜の視野の広さが、とか、脳の容積を計算すると知能が云々などと専門家が出てきて様々な議論をします。
なんと言っても、目玉は実際の化石から型取りした頭蓋骨の複製。材料の選定はそれでよかったのか?もっと最新の研究だとティラノの皮膚はうろこ状ではなくて…などと言ったツッコミはこの際いいんです。
BBCの予算を使って、鋼鉄のメカティラノを作って暴れさせてみた。
ああ、いいなぁ。
こんな大人の自由研究でワクワクする時間を過ごしたい。
<ドクター・ドリトル>
今日はGW最終日、こどもの日です。「端午の節句」といいかえると、なんと奈良時代から続く伝統行事。
「よーし、お父さん蟹を焼いてお祝いしちゃうぞ。お、刺身もうまそうだな!」
「なに言ってんの。今日のメニューは、子供が喜ぶお肉とポテトサラダよ。あら、ファミリーケーキが安いのね。柏餅の代わりにこれ買おうかしら?」
そんな会話の聞こえてきそうなスーパーです。
ちなみに我が家の夕飯は、餃子になる模様。もともとお買い得野菜である「ニラ」が、超お買い得になっていたから。
さて、プライムで選んだ映画は「ドクター・ドリトル」です。
ドリトル先生シリーズといえば、子供時代にかぶりつくように読んだ児童文学。
「大きくなったら先生の人間の助手として潜り込み、カタツムリの船に乗って月へ行くんだ!あれ?月じゃなくて、深海だったっけ?」(つまりよく覚えていない)
「ええと、その前に。動物と話せる指輪を探しに行かなきゃ。」(それは、ドリトル先生じゃなくて「ソロモンの指輪」)
それでは、気持ち新たに映画鑑賞ができる準備が整っているところで、
ロバート・ダウニー主演の2020年公開のドクター・ドリトルです。
本に登場したドリトル先生のイメージは、太っちょで天然だけど賢くて優しい。ですが、ダイニー演じるドクター・ドリトルは、痩せた変人で好戦的(アベンジャーズの人だもんね)。
登場する動物は、オウム、犬、アヒル、ネズミ、ふむふむと。シロクマ、ゴリラ、ダチョウ、キリン、リス、クジラ…。なんかちょっと多くね?イメージのアットホームから程遠いし。
大型肉食動物がこれだけいると、映画でのドリトル家の食料事情を、勝手に心配したりして。
個人的な印象として、ストーリーも動物種も、ちょっと詰め込み過ぎな気がします。最後はドラゴン(動物?)まで出てくるし。ドラゴンの容姿に詳しくないですが、正直あまりイケてないというか、伝説の竜にしては抱えている悩みもあんまりで。
最初から最後までドタバタですが、ハッピーエンドです。ナナフシくんの活躍には、ほっこり。ただ、「ドリトル先生要素」は、ないかな??
ちなみに、ゴールデンラズベリー賞(いわゆるラジー賞)という、不名誉な賞を獲得ました。
ここまで読んでいただいた読者の皆さま。いいこと言えずに、スイマセン!
ドクター・ドリトルの映画は、この他にもサンフランシスコを舞台にしたエディ・マーフィ主演のコメディーがあって、こちらは娘も登場してシリーズ化しているようです。
エディ・マーフィ…コメディー、ロバート・ダウニー…ファンタジーときたから。
ここはひとつ、ラッセル・クロウ…で、サスペンスかスリラーで次作があったら観てみたい
<100億人ー私たちはなにを食べるのか?>
ありあまるごちそう公開から10年後、同じくオーストリアで作成された「100億人ー私たちは何を食べるか?」(2015年)です。こちらも同じく、主にドイツでヒットしました。
先ずは、タイの屋台で揚げられた昆虫食をムシャムシャ。
オープニングにこの映像を持ってくるあたり、製作者の野望と覚悟を感じますが(タンパク質を昆虫で取りましょう)、そこは見なかったフリをして、スルーっと。
次に紹介されるのは、種子会社バイエルの研究所。遺伝子工学で作成した、遺伝子組み換え作物の特許を一番多く持っています(前回取り上げたモンサント社のシェア率ではなく種類の数)。様々な種類の種子をストックすることで、その土地にあった作物や環境の変化に対応してゆくことが可能です。
場面は変わって、インドの田んぼ。
素朴な倉庫に並ぶ壺(種子バンク)に保管されているのは、さまざまな土地の特性に合った土着品種の米。その数なんと、727種類だそう。
「種は、企業ではなく農家が所有するべき」
と、農家の独立性に誇りをみせるのが印象的。
最先端の技術も伝統的なやり方のどちらも、多様性を人の手で維持していくというポジティブな点に光を当てています。
扱うテーマがとても幅広い。 遺伝子導入したシャケに人工肉の作成。酪農家の自家試料の試み。「採掘している無機肥料も、実は取り尽くされつつある。」と言った話や、循環型の有機農法への取り組み。ミミズの利用。価格の問題は避けて通れず、市場価格の4~5倍は出さないと往来の方法での農家は立ち行かない。
工場式農業に警告を発する一方で、明るい未来を示しています。地産地消の試みや、「公園や庭、空いた土地に食べれるものを育てよう」という、市民活動まで。
思うに、この取材受けた人、全員気分がいいんじゃないかな?
取材が幅広く入念で、言葉の選び方も慎重です。学術的と言いますか、とてもフェア。そして、どの方面でも良い点に目を向けて紹介している
インドで40%いるベジタリアンの一部が食肉文化に興味を示しつつある。との紹介では、食肉の工場化の暗い面だけでなく
「莫大な人口の市場を考えると、工場の拡大が必要」と、ホクホク顔のおじさんが経営の未来に目を輝かせてます。
日本の水耕栽培もありました。こちらも、あくまで好意的な紹介です。
幅広い観客の視点に寄り添って作られている映画です。暗い未来を暗示することで感情を呼び起こすというより、フラットな気分で冷静な思考を促す工夫がされています。
ただ、ドキュメント映画の相場は知りませんが、新しい作品とはいえ興行成績の方は前者の2作品より二桁低い$2万3千。
人気を得るって、志とは別で、ムズいんだな。
<殿、利息でござる!>
江戸時代劇の鉄板といえば、大岡裁きに白馬の殿様、そして最強アイテムである三つ葉葵の印籠。「上がよきに計らう」から、若いもんはチャンバラ騒ぎにキャッキャして、庶民目線なお侍さんにキュンキュンできるんです。
しかし、昨今のスレた大人に「支配者層による懲罰話」は、プロパガンダを疑ってシラけてしまうばかり。
ええ、税金請求額を二度見して、悪徳代官もびっくりの中抜きを目にする日々ですから。
「殿、利息でござる!」は、はじめは経済ファンタジーものかと思ってました。これ「実話」なの?まるで、日本式の平和的革命(政権は替わらず、流血なしで上が心をいれかえる)みたい。日本って、こんな素敵な国だったのね。
仙台藩の小さな宿場町吉岡宿は、年貢の取り立てに無償の伝馬役にと窮困し、宿場を捨てて夜逃げするものが後を経たぬほど寂れつつありました。
「百姓は、侍に苦しめられなきゃならないんだ。」
(百姓は、農夫のことでなく一般の人という意味。網野善彦著)
これは、シャッター街で上級国民の無慈悲な搾取に涙を濡らす現代人のようではないですか!
そこで、無鉄砲だが宿場町への愛が強い酒屋の十三郎と頭脳派な茶師の篤平治が「百姓が藩にお金を貸して利息を取り、宿場町の発展に利用できないか」という夢物語を語り合い…。
お金を工面するため、兜人形を手放す子供、春画を売り払う主人、はては浅野屋が酒蔵を潰して金を工面するといい出す。なんとか出資者が集まると、歩合で争いが起こり、大肝煎りは「出資は尊敬されたり名を売るためではない!」と「つつしみの掟」を言い渡す。まだまだ前途多難…。
俳優陣の演技には、しみじみ見入ってします。殿様、やけに歩き方が綺麗だなと思ったら、羽生選手だった!
すべての日本人が見るべき映画だと思います。ただ、映画のように利他を強要するのは現代において危険だと言わせてください。個人や家族が守れずに、全員がまとめて搾取される未来はありうるわけで。
ちょっと仙台味噌をポチってくるわ(これは、映画とはなんの関係もありません)
<駆け込み女と駆け出し男>
ビル・ゲイツさんが妻のメリンダさんと離婚して、85年生まれの中国美女と再婚するそうです。
「別れて次いくなんて、誠実なのね。」とか「手切金いくらかしら?子供がいるからそれなりに。」てな声が、聞こえてこない。いろいろ想像の域を超えた世界のようですが、彼の資産は14兆円と言われています。
自分ならお金を何に使うか考えてみましたが、まったく思いつかない。
じゃあ、宝くじ3億円が当たったら?
「ウーン…」
わかった。それなら給付金10万円では?
「えーと、えーと。なんか高級そうなフルーツ!?」
このままでは皆さまの人生のお役に立てそうにないので、小学生に使い道を聞いてみました。
「○○○(国名)買うわ。」
スケール、デカすぎるよ!いろいろ危なそうだし(要らぬ心配)。もう少し安いやつでお願い。
「○○○社(超有名なグローバル飲料会社)買う。ジュース飲み放題だね。」
信じられる未来があるって、素晴らしい。
さて、だいぶ横道に逸れました。
女からの離縁が今ほど簡単でなかった時代(でも、救済措置があっただけでも、世界的には稀)江戸時代の縁切寺「東慶寺」を扱った2015年公開の映画「駆け込み女と駆け出し男」です。
本当に美しい、日本の映画。ただ、テンポのよい単純な話に慣れてしまった人間としては、内容についていけずに世界観に馴染むのに時間がかかります…。内容の理解はとりあえず置いといて、映像美を楽しむことにしました。
役者さんの演技、小道具、照明、心の内面の描写。本を読むことでは得られない、映画だから味わえる粋美です。もう一度じっくり、できれば原作読んでから、観なおしたい。
<VHSテープを巻き戻せ!>
みなさんは、片付けは好きですか?
私は、大いに関心があります。ものを減らしてシンプルライフ、断捨離、ときめきのクローゼット、ミニマリスト、LOHASな暮らし。
さて、理論を学んだら、次は実践です。
こんまり先生もがっかりなワードローブ、巣ごもりOKな大量の食料、ホコリをかぶった学生時代からの積読の山…。待てよ、資源ごみは2週間後じゃないか!そもそも「生前整理」にはちと早い?だいたい、モノを捨てさせようと「スッキリ」だの「人生リセット」などと煽る、世間の風潮はなんの布石だろう?はっ、ひょっとして案件??
そんな斜め上に片づけからの現実逃避を企むあなたに、もちろんガチ勢コレクターにも、刺さるかもしれない「VHSテープを巻き戻せ!」Rewind This!(2013年)です。
ドラマではなく、教科書的に歴史順序で組み立てたアメリカのドキュメント映画。VHSの技術革新の変遷に加えて、そこに生み出された生活習慣や文化について紹介しています。
「世の中にはストリーミングのみの何も欲しくない人と、コレクションの『神殿』を作り上げるこちら側の人とに分かれる」
こちら側の人、VHS(主に映画)を部屋中にうず高く積み上げる個人コレクターたちは現役。
VHSは「とても長く続いたフォーマット」「DVDは、VHSより短命。ブルーレイはもっと短いだろう。」「技術的に優れていたベータがVHSに負けたのは、エロの扱いの違い(本当かよ?)」
単なる収集家と侮るなかれ。語られるテーマは、壮大です。
「家で録画や視聴できるようになった」、
「VHSで映像を低予算で作れるから、個人が発信者になりえる。」「メジャーからセルへの移行だ」「店で、カバーデザインを見て選ぶレンタルビデオは、メジャーも零細も関係なく民主的にチャンスがある」
コレクターのビデオ愛は、哲学的で信仰に近い入れ込みよう。みなさん陽キャといいますか、実に生き生きとしています。2006年にVHSの生産が終了したことを嘆き、VHSのタトゥーを彫った人たちまでいたそう。
「1万回人生があっても、このテープを観終えられないだろう。」
コレクションの保管場所にかかる諸々の費用やら、片付けにかかる費用を案ずる老婆心の出る幕はありません。「VHSにしかない映画は多数ある」。若者がビデオ収集に興味を示さないのは「嘆かわしい」こととして語られます。
それにしても、日本ビクターのVHS、SONYのベータ、東宝のVシネマ。熱く語られる文化を作り上げたのは、いずれも日本製なのね。映画では、押井守監督ほか、日本人数名のインタビューも収録されています。
「VHSは、きっと復活する!」「VHSは磁気テープだから、物理的に考古学的な記録が遺るんだ。」「デジタル配信は、購入ではなく借りてるだけ。kindleを購入しても、後から勝手に消されることもある。」「体制に管理される現在の方式では『所有』ができなくなることを意味する」。
コレクター達は、気持ちガチにレジスタンスの模様。
「繰り返し巻き戻されたことによるテープの伸びが、映像に痕跡を遺す。筋が出たら、お気に入りのシーン。ドキドキする殺人シーンかおっぱいが登場するはずだ。」「おっ○いは、すごい」
興味深いですが、いい年した大人が顔出しして、揃いも揃って「おっ○い、おっ○い」と、六丸っちっくな発言を連発してます。これってオタクの鏡?なんでしょうか??
<嵐が丘>
最近ストリーミングを始めた知人と「おすすめ映画」の話になりました。
やっぱり「恋愛映画」がいい、という大人が多くてびっくりしたのですが、空飛ぶ海亀や殺人〇〇に熱狂する大人よりもよほどメジャーだとのこと。
そういえば昔、読書家な知人が「『嵐が丘』は、大恋愛映画だ」と言ってました。
嵐が丘”Wuthering Heights”は1939年のモノクロ映画を観てみました。「嵐が丘」は、他に何度も映像化されています。
人里離れた田舎に暮すアーンショウ家。子供は、妹と兄の2人。ある日、主人が孤児のヒースクリフを養子に引き取ると言いだし、妹のキャサリンと彼は恋仲になります。一方、兄とは険悪な仲。主人の亡き後、兄はヒースクリフを奴隷のように扱い、彼はアーンショウ家への恨みを募らせます。
ストーリーも、登場人物のセリフも、あまりにえげつなく酷い(褒め言葉)。
ピュアな恋心、裕福な暮らしへの憧れ、恨み、アルコールに溺れる、復讐を目的とした立身出世、愛への執着、ハッピーエンドではない。原作者は、エミリー・ブロンテ(1818-1848)という女性作家です。
裕福なエドガーと結婚し、夫をちゃんと愛そうとするキャサリン。
金持ちになっても過去に引きずられ、妻を虐待するヒースクリフ。憎悪に囚われていて、誰も幸せになることができない。
恋愛映画の定石(?)をぶっ飛ばしていく勢いの、救いのないリアリティーに、くらくらします。
”ヒースクリフ。あんな人と結婚したら、地獄だわ”
Heathcliff. He gets worse every day, would regret if I marry him.
(キャサリンの台詞をヒースクリフが物陰で聞いてしまう)
”一度だけでも、ちゃんと私を見つめて”
Look at me just once.
(駆け落ちまでして、ヒースクリフと結婚した妻の懇願)
聞いているこちらまでダメージ受けそう…。オーバーキルにも、ほどがあります。
恋愛映画は恋心に憧れて見るものだと思うのですが、リアルすぎてむしろ醒めそう。(いい意味でですが)
この映画を見て、「こんな大恋愛したい」という人がいるとしたら、現状によほど恵まれずに病んで判断力を失っているか、結婚生活に行き詰まって自暴自棄な人じゃないでしょうか??
観終えた意識の置き場が定まらないですが、個人的には、繰り返しみたい映画です(自暴自棄では、ありません)
<ヘイル・シーザー!>
コーエン兄弟の作品といえば、「バカ」と「エロ」と救いがたい「犬死に」。(無茶苦茶言いいますが、あっているはず)
その昔、上映内容を明らかに勘違いして映画館に来たとおぼしき初々しいカップルが、前の席に座っていたのですが。内容のゲスさにフリーズしてて…。おっと、リアルゲス話はこれくらいにして、コーエン監督のこれとは別の映画を紹介します。
ヘイル・シーザー!Hail, Caesar!(2016年)。
1950年代のハリウッドが舞台の、映画作成会社において発生するあらゆるトラブルの解決に奔走する主人公の二日間です。トラブル解決人と言っても、撮影日の天気に合わせて映画のタイトルを替えさせたり、用途不明の10万ドルを電話一本で用意させられる、なかなかの権限を持つ忙しい実力者。トラブル続きで家庭も蔑ろになる生活に、「もっと楽で稼げる仕事がある」とヘッドハントされて、自身も心揺れます。
オールスターキャストなので、きっとあなたのお気に入りの俳優が見つかるはず。
意外なことに、この映画には「エロ」も「不理屈な殺し」も出てきませんでした!
映画の中で、いくつもの映画の撮影シーンがザッピングする複雑な展開。元ネタの知識があれば、とか、設定の1950年代にはハリウッド・テンの赤狩りがあったんだよね。とも考えますが、あくまでコメディーです。
扱われるテーマは「キリストの物語」に「マーメイド」に共産主義者が同列に出てきて、もう、これだけで可笑しい…。
話の一貫性とか、茶番の中に少しくらい混ざっている真実とか、このクラスになると多分どうでもよくて、迫真の与太話に演者と一緒になってケムに巻かれてしまう。カットひとつひとつが、本当に輝いています。セットもライトも演技も、素晴らしい。上手い人がわざと演じる大根の巧さ?もみどころ。『映画』の役者が、オフに見せるシュールな笑いがてんこ盛りです。
個人的にツボだったのは、ジョージ・クルーニー演じるベアードが、自分を誘拐した共産主義者のよくわからないけれどすごそうな話にのせられて、サンドイッチを両手に持たされて呆けているシーンです(万人受けするかは不明)。
バリバリと仕事をこなす主人公は、実は些細なことでもいちいち懺悔しないと落ち着けない繊細さの持ち主でもあります。
一方で、楽な仕事。”easy to do, easy job”
他方で、これまで通りの苦しくて、でも、なぜか良心が正しいと思える仕事
”So hard. Sometime I don’t know if I can keep doing it, but, it seems right”
自分は、どちらを選ぶべきなのか?主人公が悩みを打ち明けるラストシーンに、監督の本音をチラリと垣間見る気がします。
<国民的〇〇(駄)>
「国民的な人気」といえば、何を思い浮かべますか?
国民的ヒット作、国民的歌手、誰もが観ているあの番組…。
「次の国民的流行の波に、ぜひ携わりたい!」そんな野望もいいですね。
コロナ禍でストリーミングサービスを始めた人が、私の狭い交際範囲内に何人かいることを最近知りました。そこで、「共通の話題」としてトレンドを知るべく、みんなが何を観ているか聞いてみました。
(関西人) 「お笑いの〇〇さんは、面白い。」
(私) 「・・・(1ミリも興味なし)。」
(超多忙な上司) 「◯流は、私の癒し。」
(私) (ファンて本当にいたんだ?捏造された流行とばかり)
(私) 「〇〇ってアニメ、実は大人が真剣に観てるらしいよ?」
(私よりは若い人) 「はーい。それ、私です。」
…(汗)
(気を遣ってくれる隣席)「私さんなら〇〇を、きっと気に入りますよ!」
(私) 「勧めてくれて嬉しいが、〇〇はSFサスペンス。私が好きなのはSFコメディーだから、別ジャンルなんです!」
というわけで、「共通の話題の発見」どころか、やっぱりすれ違いだらけだったことが明らかになりました。(普通に、仲はいい)。
これでは「国民的」の前に「部署的人気」ですら「たまに気が向いたら物を書く私の妄想力」を以ってしても描けそうにありません。
と思ったら、小学生男児がストリーミングで「鬼滅」を見てました!
これよ、これ。「やはり、キッズは流行の礎よ。」
しかし、彼の表情が微妙で、どうも話は趣味で無さそう。不思議に思って、なんで見ているか理由を尋ねたら。
「鬼滅は、女子に人気だからね。」
「!!」
つまり、好きでも無い作品を話題作りのためにリサーチしてたわけ??君、すごいよ。
流行の形って一筋縄では行かなくて、いろいろなんですね。
<フルメタル・ジャケット>
アメリカ海軍のヒーロー映画といえば、トム・クルーズ主演の「トップガン」。エリートパイロットがかっこいい戦闘機で活躍して、バイクを乗り回して美人教官とのあれこれがついてくる。
私は、この映画をどこかで強制的に見せられたのですが、学校でだったかしら?
戦闘シーンもロマンスも楽しかったですが、アメリカの戦争プロパガンダ映画を日本の教育現場で税金使って見せたとなれば問題にならなかったのは不思議です。ヒーロー映画にケチ付けるのは野暮ですが、軍隊に入っていい思いをするのはコネのある御子息くらいな気もします。
どうせ若い人に戦争映画を見せるのでしたら、職業案内も兼ねて「フルメタル・ジャケット」(1998年)はどうでしょう。今時のふつうの若者が入隊し、戦争に行って活躍するまでのベトナム戦争のリアルが描かれています。
最初の30分は、ひたすら新人志願兵への過酷な訓練。
鬼教官ハートマン軍曹は、弛んだ若者の根性を叩きのめすべく罵りまくります。
「口でクソ垂れる前と後に”サー”と言え」
“The first and last words out of your filthy sewers will be sir.”
日本語訳は、キューブリック監督の指名で、原田眞人が担当。(前に紹介した、「駆込み女と駆出し男」の監督です)。罵詈雑言の嵐に、じつは「コメディー」かしら?と笑ってしまい、訓練を終えて無事に海兵隊員になった彼らに「おめでとう、よかった」などと思ってしまう。でも皆が皆、困難を乗り越えられて美談で終わりません。
映画後半は、ベトナムの戦場です。
まるでホームドラマのように淡々と、美化されない戦闘シーンが描写されます。アップテンポでイケイケなBGMはありません。
逃げ惑う市民を一方的に銃殺し、また反対に助けが来ないなか仲間が次々と撃たれてゆく。
戦争では、性善説などなんの役にも立たないという無力感に覆われます。
職務に忠実な鬼教官にシゴかれるブートキャンプを、2泊3日くらいなら「体験」したいと考えるのは、危ないヤツでしょうか?
ハートマン軍曹のスラング満載なシゴキ台詞の全文書き起こし(日本語訳付き)は、こちらから。
https://kubrick.blog.jp/archives/52245014.html
ちょっとそこの学生さん。英語の勉強とか言って、暗唱しようとしないように!
<ビューティフル・マインド?>
ビューティフル・マインド(2002年)は、アメリカの数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いた作品です。彼は1994年に、ゲーム理論でノーベル経済学賞を受賞しました。
なにが「ビューティフル」なのかと考えたのですが、その道の人に言わせれば上質な公式は「美しい」そうで、その辺からきているのかな?
昔の天才数学者の話となると、どうしても先の大戦の日本軍の暗号解読とかでてきますが、日本をとりわけディスった話ではありません。数式がわからなくても楽しめる、感動のヒューマンドラマです。
受賞に至るまで博士の疾病を支えた家族の苦悩は、大変なものだろうと想像します。一方、実在する元恋人や長男が映画では描かれていなかったり、リアルはさらに壮絶なよう。
さて、ナッシュ博士には大学で教鞭をとる傍ら、軍から任された秘密の任務がありました。
大衆向けの情報誌に紛れ込まされている、敵国の暗号の解読です。
秘密の任務ですから、家族にも内緒。
ところが、妻が博士の行動を訝しんで、後をつけると…。
いやいや、ドキュメンタリー映画なのに、いろいろおかしいでしょう?。
ミッション・イン・ポッシブルじゃないんだから、大衆紙に紛れ込ませた暗号を使ったスパイ大作戦が現代で敢行されるなんて。(ネタバレになりますので、詳しくは映画をご覧ください)。
「主要メディアには、隠語が散りばめられている」なんて言われたら、ナッシュの奥さんでなくても心配になるってもんです。
さて、皆さま。
実際にネットを飛び交っている、こんなのはいかがでしょう?
(ワクワク765、 接タネのタヒ率、 梅田と虎と小浜、 ようつべでバン)
どうしましょう!
意味不明な文章ですが、なんとなくだけど、読めちゃった!?
ふふふ、現代科学の叡智のAIの監視をかいくぐり、求める人たちにちゃんと届いちゃう秘密のメッセージ。超複雑な日本語の機能性は、伊達じゃありません。
しかも、この暗号解読の鍵は、小中高生時代からの日本語の使用経験と少しばかりの大喜利センス。天才的な数学能力も外国語の堪能さも多分要りません。
不満があるとすれば、対抗勢力(?)にエレガントさが欠けることでしょうか。
「正統派」国際機関のはずのWH丸はどこかに忖度して、クラス分けを国名でなくギリシャ文字表記にするそう。しかし、お膝元からは研究者が逃げ出し、味方であるはずの医療関係者は少なからずブチ切れています(涙)。
願わくば、平和の戻った日本でこれら隠語が古文書的な学問として、いつか解析される明るい未来がありますよう。その際には、歴史に立ち会った一市民としてトンチンカンな証言をして、ブラックな笑いをさそいたいですね。
ちょっと脱線が過ぎましたので、「ビューティフル・マインド」のレビューは、またの機会にでも(?)
<プリンセスと魔法のキス>
プリンセスと魔法のキスーThe Princess and the Frog(2009年)。ディズニーのプリンセス映画を私が語るのは気が引けるのですが、ディズニーあまり観ない人なりに紹介します。他サイトで連載中の「編集者の事件メモ(真木サワ)」には、サワがこの映画を鑑賞するシーンがあります。
ちなみに、呪いを解く為の『キス』はグリム童話の「かえるの王様」にありません。
両生類とのキスは寄生虫やら毒性やら危険なので、この描写がないのはもっともなこと。「かえるの王子」の楠山正雄訳はアマゾンの青空文庫で、プライム会員は追加料金なしで読めます(回し者ではありません)。
映画はクラシック(2D)なアニメで、描き手の気迫が伝わる手の込んだ作画でした。
ちょっと気になったので、製作費を調べました。
予算は $105M(M:100万) 。
同じプリンセス映画の”アラジン”(1992年)が$28M、”美女と野獣”(1991年)が$25Mなので”プリンセスと魔法のキス”は、なかなか気合が入ってます。ちなみにヒットをとばした”アナと雪の女王”は$150M。
ティアナは、良家のお嬢様シャーロットに家政婦として仕える母親の娘。”カエルの王子”を読み聞かせてもらった2人は言います。
ティアナ「どんなことがあっても、私は絶対に死んでもカエルにキスはしない」
シャーロット「王子様と結婚できるなら100匹とでも平気よ」
占い師扮する魔術師にカエルかえられた王子は、ティアナに魔法を解くためにキスしてとせがみます。
カエルの王子が叩きつけられるシーンに、ほくそ笑む私。やっぱり「カエルの王子」は、こうでなくっちゃ。
キスシーンがいくつか登場しますが、ひどいのが多い。
”レストランを開く夢のお金のために、いやいやと。”
”幼馴染の愛の成就の為に、魔法を解く儀式として。”
正気ですか、ディズニーさん!?
プリンセス映画ですよ?ファーストキスもまだであろう、恋愛に憧れる女の子の為の映画ですよ!?
他にも、やけにリアルが混じってます。
「自由には金がかかる。」
But freedom takes green.
「この世を支配するのは魔術じゃ無いだろ、金だ。」
You and I both know the real power miserly magic. It’s money
「女の”あとで”は、”お断り”って意味なの。」
When women say “later”, she really means “not ever”.
「カエルにキスした上に虫まで食べるなんて。」
I am kissing a frog and eating a bug on a same day.
ティアナの王子評は、真をついてて辛辣。
「お金持ちの、甘ったれ坊や」
「役立たずで女好きな怠け者」
味方の魔女ママ・オーディにもダメだしされる王子。
「あなたに必要なもの、それは自制心」
All you need is self control.
この映画の興行成績は、他のプリンス映画と比べて控えめ($267M)。
グッズも見た記憶がない。
王子もティアナも、物語のほとんどでカエルの姿ですしね。
アナ雪の”オラフ”(雪だるま)のキーホルダーを欲しがる子はいても、叶わぬ恋を貫く蛍レイのグッズを欲しがる人は稀でしょう?(レイは漢な虫ですが、私もいらない。)
そういったところも含めて、採算度外しで作ったのだろうと感じました。
黒人初のプリンセス映画なのだそうですが、差別問題はメインテーマではなさそう。チラ見するつもりが、引き込まれてしまいました。
最後のドタバタハッピーエンドは、ディズニーお約束。
再評価がまたれる作品です。
<JOKER>
最近、わが家の食卓事情がとても良くなり、食が充実しています。
一体、何があったのでしょう?
収入の大幅アップによる食費の増額? それとも、料理作る人が工夫した努力の賜物?
(ネットで、レシピが拾える時代ですものね)
いえいえ、近所に新しいスーパーがオープンしたんです。しかも、大手スーパーが複数も。
それぞれの店舗が、鮮度や品質や価格を競い合ってくれるので、いつも通りの生活を続けているだけでQOL(生活の質:Quality Of Life)急上昇中。
幸せって個人の努力も大事ですが、環境や運によるところも大きいな、と改めて思った次第です。
さて、当たりを引く人がいればハズレ(Joker)を引く人がいるのが世の習い。
不運だった方の人(?)、「JOKER」(2019年)の物語。
この映画、公開当初かなりプッシュされて話題になりました。アマプラでずっと有料で配信されていましたが、見放題対象になったのを機に視聴。
主人公は、ピエロ姿のこどおじ、アーサー・フレック。彼は、鳴かず飛ばずのコメディアンですが、場違いな場所で笑いが止まらなくなる疾患に苦しんでいました。(実在する病気で、情動調節障害と言うそう)。
仕事中、心ない人たちから暴行を受けたり、同居する母親は認知症を患う苦労人。その上、仕事はクビになるし、病気のせいで日常生活で人々から奇異の目で見られている。
地下鉄で絡まれたことがきっかけでキレてしまい、1人殺し2人殺し…。
エロのない、R15指定。
流血の殺人シーンはありますが、際どい部分は影や壁で上手にボカされてて、グロが苦手な人への配慮がありました。
殺人を犯したことで、彼は鬱憤を抱えた市民のヒーローになります。
新しいタイプのヒーローものなの???
う~ん。正義言うなら、せめてなんの恨みもない司会者マレーを殺さなければなぁ。
アーサーは狂ったピエロという設定ですが、途中まではまともな思考の持ち主でした。
殺人を犯して狂人になっていたとはいえ、恨みのない同僚は逃がしてます。
それに、日本の観客からしてみたら、彼はそれほど不幸ってほどでもない(言ってて、私も悲しいですが)。
幼少期の虐待によるPTSDには同情しますが、市のサービスで薬が支給されて話を聞いてくれるカウンセラーもいる。母子の関係は穏やかで、ひとりになって考えられる時間があって、自分自身を振り返ることができている。憧れのスターと共演した楽しい思い出もある。
なんと言っても、愛するひとがいて、それなりに成就している。
うん。完璧でないにしても、割と幸せ。
銃に気軽に触れる機会があることの方が、ホラーです。
調べたら、JOKERの名の由来は、他の映画のキャラクターから来ているよう。
なお、オリジナル映画のJOKERファンは、今回の「JOKER」を酷評しているらしい。映画は観てませんが、怒るのも分かる気がします。
JOKER演じるホアキン・フェニックスは、繊細で忠実そう。魅力あふれる人物でした。
<夏休み>
いつの間にやら、夏休みです。ここ数年はイレギュラーな事が多すぎて、準備のないまま休み突入です。
学校がない間、子供に何をさせましょう?
イベント系は、コロナ対策で縮小傾向(中止の多かった去年より、マシ。)
波のある遊泳プールは、少子化のあおりと安全面の保全ができないからと閉園。
学校のプールは、そもそも授業の実施なし。
日帰り可能な海岸は、サメの出没により遊泳禁止になってました。
屋外は熱中症が心配ですが、もともとセキュリティーを理由に、校庭で遊ぶことはできません。(防犯カメラが回っていて、安心ですが)。
公園は、遊具禁止(事故対策)砂場禁止(猫対策)だったり。
友達と遊べば、「子供が声を出している」と、ご近所さんから学校に通報されかねない昨今(これ、マジです。2020年の話。)
早くワクチンが欲しがる人に行き渡って、集団ヒステリーが収まって欲しい。
まあ、パンデミックのない例年どおりの夏休みであっても、普通にてんやわんやなんですけどね。
それならばと、ミニチュア作成ブロックを買い与えました。
数日は潰せるだろうと踏んでいたのに、半日で完成させちゃった…。
こんな時に頼りになるのが、家で1人でも楽しめる動画配信サービスです(宣伝じゃないよ)。
教えなくてもいつの間にかリモコンの使い方を覚えて、キッズアニメを食い入るように観ています。しかも、英語版を字幕で見てる。
あら、一石二鳥じゃない!?
「サウスパーク」無修正映画版(2001年)
笑いながら楽しそうに見ているので、一緒に覗いてみました。
カナダ対アメリカの戦争。悪魔とフセイン。なんだこりゃ?
主人公の子供たちは、下品なセリフを吐きまくり、放送禁止用語をリズムに乗って歌います。
たしかに、キャラクターはかわいい。
子供には受ける。(R15ですが、18でも生ぬるい)
しかし、全方向への差別がどこまでも酷い。ヘイトクライムはどうした。シャルリ・エブド襲撃事件の反省はどうした。ついでに、日本人にもひとこと言わせろ。
低評価の嵐かと思いきや、吹き替え版の声優への評価らしい。
時事ネタを扱ってて、一部キッズにカルト的な人気のようです。
視聴をやめさせようかと迷っていたら、自分で消してました。
「よしよし」。
大人気(?)テレビシリーズの映画版です。テレビシリーズの方は無料で視聴できるサイトが立ち上がっているよう。
オモテはどうだか知りませんが、何か別の目的があるんじゃないの?と疑ってしまう。
ネットの世界は、やはり怖いんだなぁ。
<ビューティフル・マインド>
このエッセーで何度か登場した「ビューティフル・マインド」(2001年)。
原題には、“ A Beautiful Mind “ と定冠詞の”a/an”が付きます。
ノーベル経済学賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュ(1928−2015年)と妻アリシア・ナッシュ(1933−2015年)の半生を描きます。数学の話もありますが、定理が理解できないでも楽しめます。
なお、同じタイトルのドラマとは、別物です。
ノーベル経済学賞受賞者を扱ったアカデミックなヒューマンドラマなので、公開当時に親と映画館で鑑賞するのにチョイスしました。
昔を思い出して、コロナ禍で2年会っていない親に映画の感想を電話で聞きました。
「ビューティフル・マインドって映画、覚えている?」
「ああ。あの映画なら、途中までホラー映画だと思っていたんだよね。」
「!?」
そんなこと考えてたの??
今回プライムで観直したら、確かに「ナッシュ博士が家族の支えのもと困難を乗り越えて、最後には名誉に浴する」といった単純な感動ドラマでは収まらなかったわ。
小学校の先生は、ナッシュ少年を評してこう言います。
「君の脳は2人分、ハートは人の半分」
教員にあるまじき人物評価ですが、これでも控えめな言い方。
ラッセル・クロウ演じるナッシュ博士は、天才だが他人をナチュラルに見下す高飛車で傲慢な男。米TVドラマ、ビックバン☆セオリーのシェルドンのセリフ「定理を理解できない子は、愛せない」を地で行っちゃう人物です。
調べたら他に元恋人や長男がいますが、映画には出てこない。映画の半分はナッシュ博士を支えるアリシアの物語なので、ご夫婦が存命だった撮影当時にアリシアに配慮して、前の家族は登場しないのでしょうか。
ちなみに、奥方のアリシア・ナッシュ博士はアカデミックな家の出で、物理学者の才女です。
そんな博士ですが、周りが天才ばかりなプリンストン大学では、並々ならぬプレッシャー下にありました。寝ても覚めても数学のことばかり考える人が集ってしのぎを削る世界(どなたか数学者のエッセイに「sleep with the ploblem」とあります)。周りに思いを巡らす余裕なんてないのかも?そりゃ精神もぶっ壊れますわ。
「人当たりよく振る舞うべき」などと、他人に強要できるものじゃありません。学問の発展に尽くされた博士は、実績を残された偉大な方です。
思うに、自分をイラつかせる存在というものは、気分良くさせてくれる言葉同様に感情を揺さぶってくれるありがたい存在でもあります(程度によりますね)。忖度されるばかりの環境にいたら、感覚が狂いますから。
博士は疾患を寛解させ、ついに受賞の栄に浴します。
でも、ナッシュ博士に真の安らぎをもたらしたのは、賞でなくて理解ある仲間や家族の支えといった、人の思いやりなんだよなぁ。
本国アメリカを除いたこの映画の売上は、日本が一番($14M)です 。 2位がドイツ。(BoxOfficeより)
そういえば、日本は世界的に有名な数学者を数多く輩出しているし、賞関係なしに数理を学ぶ者が大勢いる土壌と聞きます。しかも、余裕のある貴族だけでなく、百姓庶民の間で昔から。
だから、ストーリーが複雑で数学者の半生という真面目な内容ながら、多くの人が映画館に足を運んだのかもですね。
一方、現在の日本の研究現場は規制にがんじがらめで雑用に忙殺されて、肝心の研究に没頭しづらいと聞きます。数学が得意じゃない部外者なのに、日本の将来を勝手に憂うのでした。
<ミュンヘン>
「しまじろう」(2017年)を観ていたら、インフルエンザの予防接種を打ちたがらないチャレンジ園の仲間たちに「僕は必要だから打つよ」と、しまじろうがヒーロー然として登場していました。集団接種し損ねた(みみりん)に、病院まで付き添って接種を見届ける徹底ぶり。
しまじろうくん、正しいヒーローは「インフルエンザの予防接種は1994年から任意接種だから、打つか打たないかは自分の意思で決めていいんだよ。」って伝えるものだよ。
さて、日本シカ先生(チャレンジ園の先生ではなく、論文を紹介している一次情報系Youtuber)が動画の中で、「ミュンヘン」という映画をお勧めしています。1972年のミュンヘン五輪オリンピックで起きたパレスチナのテロリストによるイスラエル選手の人質殺害事件と、それに続くイスラエル政府の報復劇を描いた映画です。”Munich”(2005年)
テロリストは、選手を含む人質を殺害して満足げにこう言います。
「以前は誰も聞かなかったパレスチナの”声”を、世界中に聴かせることができた。」
これに対し、イスラエル側はテロ実行犯の抹殺と復讐を決意します。
「今は平和を忘れ、我々の強さを示さねば」
“ Forget peace for now. We have to show them, we are strong. ”
諜報員に選ばれたのは、フランクフルト生まれの平凡なユダヤ人。
はじめはテロリスト粛清の実績を上げ、任務をこなしていた彼らでしたが、仲間を殺され暴力の応報が続くにつれ、次第に心が病んでいきます。淡々と物語が進みますが、実際にあった事件が混じるからか、とにかく怖い。
監督はスピルバーグ。
彼はユダヤ人で、イスラエル側の視点で描いています。一方で、
「こんなことの先に平和はない。」
“ There is no peace at the end of this. ”
と、主人公に言わせています。
今回の東京オリンピック2020では、ミュンヘン大会の犠牲者を追悼して黙祷されました。五輪開会式で初めて、49年を経ての実現です。
いろいろな思いを胸に、見えないところで動いてくれた方たちがいたのですね。
イスラエル選手の段ボールベットの性能テストの発信や熱海支援の世界に向けての呼びかけは、彼らなりの返礼でしょうか。バッハが美味しいところを持っていったのがなぁ。
<メンタリスト>
メンタル◯◯◯なDaiGoさんが、炎上しています。
「ホームレスの命は猫より軽い」などと、発言したそう。
う〜ん。でも、私財を投げ打って保護犬活動していた本多忠祇さんは、ホームレスだったらよなぁ。”悪い奴ほど裏切らない”(2017年)
思うに、現世利益から離れた人は、聖に近い存在です。「出家」をひっくり返すと「家出」だし、「ケガレ」は「キヨメ」と古典的に表裏一体。
え、時代が違う?
それもそうですね。
礼節を知るには、衣食じゃ足りなくて「住」が要ると母も申しております。
かく言う私も、彼の本を手に取っていた時期がありました。
「片付けに必要なのは、収納術ではなくものの数を減らすこと。」
「効果的に勉強するために、復習しましょう。」etc.
当たり前のことなんですが、スーツをバシッと決めた若者(当時)に自信満々に語られると、妙に説得力があります。出立ちが、ひとつには重要でしょうか?
「男のスーツ姿って、セクシーよね。さすが、計算し尽くされた服飾だわ。」
などと分析していたら、年下の同僚が隣で
「男は、ジャージ姿が一番カッコいい。五割増に見えちゃう!」
って、言ってました。
スーツかジャージ。ぜひ、今日のコーディネートの参考にしてください。
さて、サイモン・ベイカー演じるパトリック・ジェーン「メンタリスト」を、と思ったら、シーズン7まで続いていた。しかも、いつの間にか有料コンテンツになっている…。
「メンタリスト」とは、本来「マジシャン」の一種です。(「メンタリズム 最強の講義」 ロミオ・ロドリゲスJr. 著)
ロミオさんのショーの実演を拝見しましたが、凄すぎでした。
ショーの合間にお話になる内容が、これまた壮絶なのに、人間味にあふれるお人柄で。
ファンを虜にするのは、さすがメンタリストですね。
<夏休み1>
ファイヤースティックのリモコン権が、なかなか戻ってきません。
しまじろうを観ているのは、戦隊モノも妖怪モノも、とうに卒業した小学生。
今頃になって園児向けのアニメとは、可愛らしいじゃないかって?
いや、アテレコやクソコラが大好きな彼は、子供らしい純な気持ちでなんか、観ちゃいないでしょう。
今日のチャレンジ園(2016年)では「バレンタインのチョコレート」が、話題になっていました。
「バレンタインのチョコレートは、女の子から男の子へあげるものだ。」と言う(きっこ)に、「そんなこと、誰が決めたの。」とブチ切れる(にゃっきい)。彼女は広報活動にも余念がなく、きっこ側に付くチャレンジ園のオスは1匹もいません。
さすが、フェミニンなキャラ(らむりん)を追い出してレギュラーポジションをゲットした女。もじもじキャラのパンダ女子に登場する隙を与えないのも、彼女の策略でしょうか?
突然「好きなものをみんなで食べよう」と、イレギュラーな企画が立ち上がり、園児たちは揃って参加します。
持ち寄られた食品はドーナツにサンドイッチに海苔巻きにクッキーと、とても庶民的。チョコレートはとんでも豪華一点の少しだけの登場です。
友チョコ、俺チョコ、やけ食いチョコの販促を予想していたのに、展開に戸惑う大人な私。
中の人に、何があったのでしょう。
アレルギーを持つ保護者からのクレームとか?(稀に、ニッケルアレルギーがあるそう)
それとも、カカオ不作による世界的なチョコレート不足が、こんなところにも響いているのでしょうか?
どうしちゃったの、スポンサーが資金提供を渋った??
あ、これはチョコと見せかけたLG◯T案件かも。
邪な大人の妄想は、止まらないのでした。
<占いタクシー>
ふた昔前にテレビでよく見かけた番組といえば、心霊や占いなどのオカルト。
出演者が怖がったり感動してて「ホントかも?」と信じたり、やっぱり「違うやろ」と思う。
だって、年取るほどに頑固だった人が、肉体を離れた途端に物分かり良くなるだろうか。
あるいは、生前に訳の分からないこと言ってた人が、死んだ途端に理路整然とわかりやすく喋るなんて、エントロピー的にありえない。
でも、その辺を差し引いても、この手の番組は人気。
広い意味での「先人の思い」を伺う身近な機会がすごく減ってるから、他人事でも第三者から、こういった話をもっと聞きたい。
(問題は、昨今のテレビだと配役がなぁ。
「あんた地獄に落ちる」とか、私欲私怨をぶちまける占い師とか、「滅多にいないレベルの俗物」に講釈を垂れられても…せめて番組内だけでも分別ある大人を演じてくれないと。)
こういった番組は、仏教圏以外の海外でも人気があるよう。
占いタクシーーあなたの人生占いますー(2018年)
アメリカのプロの霊媒師(能力の真偽ではなく、金を稼げてるの意)トーマス・ジョンが、故人の声を遺族に伝える、リアリティー心霊エンターテイメント番組です。
面白いのが、ジョンが扮するのがタクシードライバーだということ。
そういえば、某見える系芸人のお父さん(見える人)もタクシードライバーだし、(ここで引き合いに出していいのか大いに迷いますが)石巻の心霊体験の多くがタクシードライバーさん達の証言から得られています。
面と向かわなくても会話が成り立つので、恥ずかしがり屋の幽霊も出てきやすいのかも?
考えてみれば、宗教家は本職だから体験を公にできない(どちらにせよ、炎上不可避)。
医療関係者も(激務&臨床と脳が見ちゃう条件は揃ってますが)、本職に影響があるから個人(故人)情報は晒せない。それに、権威が信頼を失いつつある今という時代に、社会的立場が弱くなりがちなタクシー運転手の声は語り手としての魅力があります。
それにしても、番組内の霊たちが不動産投資を勧めるのは気になるところ。
(現世利益に執着してたら、成仏できないんじゃない?)
<シンドバッド>
リモート授業が始まりました。
学校側はサーバーや回線を10倍に増強して臨んだものの、地域ごとネット回線が大渋滞。
リモートで頑張っているのは、学生だけではありません。
地域のボランティアでZoomだTeamsだのとハッスルしているのは、定年をとうに迎えた方々。
それ自体は頼もしいですが、ネット回線がこれ以上混雑して「不要不急のネット利用は控えて」となったらどうしよう。
自由に動画が見れた頃はよかったと、今を懐古する日がくるのでしょうか??
さて、不要不急のアマプラです。
シンドバット 黄金の航海(1974年)
「シンドバッド三部作」の2作目。シンドバッドは、アラビアンナイトのお話の一つ。
アメリカの冒険映画で思い浮かぶのは「インディージョーンズ 失われたアーク」(1981年)。
雰囲気が似てるシンドバッドは、これより7年前の作品で、CGなしの特撮映画です。動きがぎごちないのは、多分ネット回線のジャムではなく、コマ送りの撮影技術によります。
アラビアンナイトでは、クジラ、ロック(怪鳥)、大入道、ヤシの実を投げるサル、象などが登場する7つの航海の物語ですが、映画ではこれらは出てきてません。
(ちなみに、アラビアンナイトはアマゾン「青空文庫」に収録されてます!)
代わりに映画に出た怪物は、ホムンクルス(小さな羽のある小人)、一つ目のケンタウロス、ライオンなど。
アラビアンナイトの世界を描いた子供向け作品というより、大人向けの娯楽映画でした。
それにしても、他教徒の描写が酷すぎる…。アメリカで作られた冒険映画で、監督はドイツ人のゴードン・ヘスラーなんだけどな。
<コンテイジョン>
世の中の動きがラノベなみに「非日常」です。
事実は小説よりも奇なりとは、よく言ったもの。
もっとも、祖父母が存命だったら、今の状況を「なんとかなる、大丈夫よ」と言ってくれそうな気もします。
あるスリラー映画が、現状のコロナ禍に酷似していると聞きました。
コンテイジョン 2011年公開。
パンデミックを引き起こすウイルスの感染者と家族、そして専門家チームの攻防を描きます。
世界中に広まった病気の正体は、新種のウイルス(致死率20%)。
発症すれば、家族との面会の時間も無いままあっという間に亡くなり、葬式をあげることも一族の墓地に埋葬することもできません。
感染者のむかえる結末は、子供だろうが医療従事者だろうが、ひたすら無慈悲。
迫真の演技に、G( 年齢制限なし)なのが不思議なくらい堪えます。
主人公は、人よりウイルスかも。
この映画の予算は$60,000,000で、B級映画ではけっしてありません。
実在する病気が綴られていて、専門家が監修したであろう詳細な描写が勉強になりました。
日本のサラリーマンがバス中で死亡した件では、
「水銀中毒による『水俣病』じゃないの?寿司好きに知らせないとな。」
などと、言わせてます。
病気に対する米行政の動きは、とても迅速。
大流行の原因が特定される前から、学校の閉鎖を決定。
看護師のストを非難する一方で、交通網を閉鎖して不十分ながら食料の配給を開始。
研究者はガイドラインを無視して研究を進め、ワクチンの製造に漕ぎ着けます。
夢のワクチンの誕生により、今度は熾烈なワクチン争奪戦が至る所で起こり、人質をとってまでワクチンを要求します。
「パニックはウイルスより深刻だ」
「恐怖の要因は、TVやネットの噂を信じること」。
「じき、Youtubeに」とメディアを脅せば、「新聞は、オオカミ少年じゃない」と、毅然と返されます。
一方、「医者でも記者でもないブロガー」は、1200万人の読者を煽り、ホメオパシーを推奨してワクチンの危険性を訴えます。ブロガーの目的は株価の操作で、映画内で唯一の悪人である彼は、証券詐欺と共同謀議容疑で逮捕されます。
無事ワクチンを手に入れた人々は、接種を証明するバーコード(ワクチンパス)を腕につけることによって、日常生活を取り戻すことができてハッピーエンド。
(現在進行形のコロナワクチンは、映画のみたいに一回で充分でありません。)
この映画をどう見るか?
オカルト好きにとっては、「予言の書」。
陰謀論者にとっては、我々が知らないところで用意されてた「シナリオ」。
ピュアな観客なら、「ワクチン確保を、政府に働きかけないと」。
現場の人間からしてみれば、CDCのミアーズ博士が「野戦病院」を準備するくだりに、「俺たちは活躍したくても、そんな権限は与えられてない。」
てところかと。
気になった点は二つ。
一つは、
「豚インフルも空騒ぎ」、「豚インフルエンザで懲りた(でも今回のパンデミックは本物)」など、豚インフルエンザの失敗が取り沙汰されること。
豚インフルエンザは、WHOがパンデミックLv6に指定したインフルエンザ。
大流行したのは2009−2010年です。
実際には弱毒性であったことから、2010年8月にポストパンデミックに引き下げられています。
そして、この映画が公開されたのが、引き下げから僅か一年後の2011年9月です。
もう一点。
映画では、病原体の正体が不明な状態から夢のワクチン配給までの期間が三ヶ月でした。
映画は途中まで、数理モデルを使って感染者数を日数単位で予想したり、リアルな数値が示されてます。(例えば、発症から死亡までが48時間以内なのは、スペイン風邪と同じ。)
病原体の特定からワクチンが供給されるまでの過程はとても詳細に描いてるのに、日数に違和感を感じます。まあ、物語だからいいんですけど。
<デッド・ドント・ダイ & パターソン>
コロナ禍ですっかり忘れていましたが、9月は防災月間です。
9月1日は関東大震災のあった日(1923年)。
自分が小学生だった夏休み明けの始業式は、防災頭巾に上履きで下校でした。
あれから、
阪神淡路大震災(1995年)、
人的被害は比較的少なかったものの揺れの大きかった中越地震(2004年)、
東日本大震災(2011年)、と大災害が続きました。
災害は忘れた頃にやってくるから、備えが大事。
うちの小学生男児がどこかで何か聞いたらしく、なにやら準備をはじめます。
私は、彼に聞きました。
「どんな災害に備えているの? 地震?コロナ?台風??」
彼は、答えます。
「ゾンビ!」
先ずは、ゾンビついて学びましょう。
ゾンビ映画は数多くあって、どれが(本物?)か迷います。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド、Night of the Living Dead(1968年)
ジョージ・ロメロ監督の古典は、外せません。
黒人が主演のモノクロ映画は、映画の枠を超えて社会現象を引き起こしました。
上記原典を踏襲した、トム・サヴィーニ監督の
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記(1990年)
も、心に深く刻み込まれた作品。
どちらも、「ゾンビ」はそんなに怖くないのですが、生きている側の人間心理が怖くて悲しい…。
この2作品だけで、個人的には「ゾンビ映画」は充分です。
チープな作りで古くても完成度は高いし、正直いうとグロは苦手。
でも、気になる新しいゾンビ映画がありました。
デッド・ドント・ダイ The Dead don’t Die (2019年)
アダム・ドライヴァー主演、ジム・ジャームッシュ監督の作品です。
ところで、同じ監督、同じ役者さんの全くテイストの違う作品があるんです。
パターソン Paterson(2016年)
パターソン村に住む詩人パターソン(本業はバスの運転手)の心の内側を描いた物語。
詩人の平和な世界観にどっぷりと浸かる、ゆったりとした作品です。
ドキドキの展開がないのに、目が離せないほど、カットの一つ一つが風景画のように美しい。
効率と結論を急がされる現代人には、心と時間にそれなりの余裕がないと、これを観るのは辛いかも。
この映画を評価できる観客が一定数いることが、素晴らしい。
さて、”パターソン”で詩人を演じたアダム・ドライヴァーは、”デッド・ドント・ダイ”では警官に扮します。
イライラするほど自分の世界観にどっぷりの詩人と、パニックに包まれた村でゾンビと戦う警官をどう演じ分けるか?
ドライヴァー演じるキャラクターは、両作品で同じような人物でした。
ゾンビに溢れた村で、住民達は阿鼻叫喚。でも彼は、警官として淡々とゾンビを倒すだけ。
同僚刑事が、パニック下で冷静さを失わない彼に対して、
「なんだか妙に落ち着きやがって、ふざけてる」
“ So oddly controlled”
なんて、キレてます。
そうか、詩人パターソン(本業バスの運転手)にイラッとしていた自分は正常だったんだなと。
この映画で、学べること。
対ゾンビ最強アイテムは、日本刀。
詩人(本業バスの運転手)は、警官になっても緊急事態においてもヤバいやつ。
ティルダ様(天使ガブリエル@コンスタンティン)は、人外に美しい。
救いも伏線回収もオチもないこの映画のジャンルは、コメディー、ファンタジー、ホラーだそう。
ジム・ジャームッシュ作品を、もっと観たい。
<ブライダル・ウォーズ>
2021年の10月から、シカ先生の動画がアカウントごとバンされました。学術論文を噛み砕いて一般読者にわかりやすく紹介する人気サイトですが、あとで視聴しようと登録していた動画も削除されています。
(誤情報ガイドライン違反)でバンされたりペナルティー受理の報告するYoutuberは他にもいて、規制の目をかいくぐって情報発信を続ける猛者もいます。
コンテイジョン(2011年)を観て次の展開を待つしかないのは、まるで干上がりつつある浅瀬で水を求める水生動物のよう。お釈迦様の手の上で抗うしかないわけですが、生き残りをかけた努力や幸運が結果につながる可能性は残っています。
一方、お姫さまの結婚は、Google様規制の手の上には載っていない模様。
日本のテレビや大手メディアはYahooコメントも含めて規制下にありますが、海外メディアへの影響力には限りがあります。この限界をロイヤルパワー(国力)の低下と考えると、両メディアを見比べる心境は複雑ですが、自浄作用がないんだからしょうがない。
まさか、日本の忖度と権威主義の最終形をこんな形で世界の人が目にするとは。
たかが結婚、されど結婚。
だいたい結婚した後の方がよほど大変なのに、結婚する前からトラブル続きでは先が思いやられます。
もっとも、結婚後の大変さを強調すると、若者が結婚から逃げ出して年寄りが困るので(誰だって老人になります)、ウエディングくらいは誰もが憧れるものでないと。
それに、困難な状況を乗り越えた先の風景には、どんな形であれプライスレスな価値があるはず。
ブライダル・ウォーズ(2009年)
結婚をめぐる恋愛ドラマかと思ったら、違った。
結婚「式」をめぐる、2人の親友ー女達の意地の物語。最後はドレスで身を包むヒロイン2人が殴り合うほど吹っ切れてるコメディーで、小君良い。
小さな女の子達の夢が、可愛い。ウエディングアイテムの詳細があれば、もっと楽しめそう。
「リミットは30歳ね。男がデートに誘うギリギリの線よ。」
まさか、ここで30歳の設定が出てくるとは。アメリカは年齢に拘らないなんて聞きますが、そんなことないみたいですね。
「新しい世代に神の恵みを。」
トンデモ設定なのにリアルな描写で、セリフ一つ一つが沁みました。
<後妻業の女>
10月7日深夜の関東の地震は(お姫さまの結婚強行への神のお怒りである)なんて話がネットでまことしやかに流れています。中世的なこの発想は、嫌いじゃない。
通勤ラッシュを外しての警告とは、日本の神様はお優しい。
ところで、10年前の東日本大震災では、前日前々日にも大きめの前震がありました。
防災グッズを、念のため見直そうと思います。
さて、お姫さまの結婚に関しては、怒り心頭の国民が神罰をアテにせずに行動してます。
母親の佳代さんは遺族年金と傷病手当金の不正受給で刑事告発されました。
宮内庁長官は警視総監などを歴任されていますが、ぜひ日本が法治国家なことを示していただきたいですね。
この件とは別に、結婚反対の全国抗議デモツアー&著名活動をされる方もいます。オールドメディアはデモを取材しませんが、発起人自らYouTubeでライブ動画してスパチャ(投げ銭機能)が飛んでいます。
後妻業の女(2016年)が、プライム見放題対象でした。
この映画が公開されるまで「後妻業」の言葉を知りませんでしたが、興味はあっても当時は怖くて映画館に足を運ぶ気にはなれませんでした。
裕福で孤独な老人に金目当てで近づき、殺害を繰り返す事件。映画に類似した実際の事件が、世間を騒がせてます。
筧千佐子(犯行は2007年〜)
角田美代子(尼崎事件2012年)
木嶋佳苗(逮捕は2009年)
2021年の今、「後妻業」の言葉はすっかり浸透しました。
映画はおどろおどろしいのを予想してたのに、簡潔であっさりしていて、わかりやすかった。上記事件の詳細と比べて、映画の方が緩いくらいです。(慣れって怖い)。
一応ハッピーエンドでして、何故か笑えます。
それにしても、戸籍って大事なんだな。
<華麗なるスパイス>
バジルは、食しますか?
キラキラ生活を送ってそうな知人がバジル推しだったので、生葉を齧ってみました。
これが強烈な味というか匂いでして…マルゲリータには外せない食材なのかもですが、蚊が逃げ出すのも納得の香りです。
ところが、文句を言いつつも口にしているうちに、癖になってきました。
スープ、サラダ、刻んで餃子のたねに最高。
生のが手に入りづらいので、ついに自分で栽培を始めました。
栽培法を調べるついでに、バジル関連動画を見つけては「いいね」をポチポチ。果ては何の関係もない映画レビューでバジル愛を発信するしまつ。
もともとインド原産のバジルは、人間の胃袋と脳を支配して年月をかけ世界中に広がりました。
懐柔された人間は、こうやって種を撒き電子世界でも普及活動を行い、まるでバジルの奴隷です。
ある日バジルを収穫しにいくと、植えた覚えのない植物が生えていました。
こぼれ種がどこからか飛んできたのでしょう。どうやら紫蘇のようです。
私は、その葉を齧ってみました。
「あら、美味しい。」
バジルに、強力なライバルの出現です。(どちらもシソ科)
「戦え植物ども!人間様の舌を満足させるのじゃ。主導権は我ら人類の手の内にある!」
(変な妄想が入ってます、すいません。)
華麗なるスパイス(2020年)
食を扱った台湾ドラマで、パクチーたっぷりな屋台そばを想像したら全く違った。
(昭和な発想でしたね…)
朝ドラを連想させる明るい色調は、現代の台湾でしょうか?
近代的な街並みに、おしゃれなファッションに身を包む若者。
レストランも、病気のシェフをちゃんと休ませていて、ホワイトな職場。ついでに言うなら、(悲しいかな)日本に失われつつある若々しい勢いがあります。
設定は、世界トップレベルのレストランシェフ vs. 屋台の看板娘
扱う店のメインメニューは「カレーイセエビ」
イケメンと、料理をパクパク食べる可愛い子がたくさん登場します。
カメラワークとライトが、とっても魅せてくれる。
料理の撮り方は、湯気やら色味やらが日本のバラエティーの演出が上ですね。
主人公の伊勢エビ評は良かった。
鮮度のいい伊勢海老を仕入れてて、スパイス控えめにして軽くソテーした方が旨いと思う。
申し遅れましたが、メインテーマは恋愛です。
<忍術三妖傳>
みなさま10月26日の結婚会見を見て、神話の誕生の時に立ち会ったと思います。
日本書紀では、アシナヅチと妻テナヅチが娘のクシナダが八俣の大蛇に食われるのをスサノオに頼んで防いだのに。自分が酒飲んで娘に熨斗をつけて手放すって、神話より意味不明。
氏か育ちかと言いますが、お世話になれば礼を言う、TPOをわきまえる(ex. 犯罪行為を人前で公言しない)。そんなこと、普通の家庭でも教えるのに。なるほど、バランスのとれた御両家なのだと納得。
考えようによっては、闇堕ちしてメインキャラを張るとは、さすが真の姫だったと思えなくもない。
穏便で安全な道を選ばず自らヒール役をかって出ることで、国民の団結と自立を促して…と。
それにしても、「自分の人生は平凡と思ってたけど、実は激動の歴史を生きてきた」などと、しみじみ振り返っていたら、このニュース。
長生きして、この先を見届けなくっちゃ。ワクワク。
忍術三妖傳(伝)
1937年 昭和12年のモノクロ映画。
家臣に一家を滅ぼされた御曹司・太郎丸がガマの忍術使い自来也となって仇討ちする物語。
80年以上前の作品なので、当時現役で鑑賞した人の多くは鬼籍に入っていると思われます。
テンポ良くホラーあり、ロマンスあり、ライト、音楽、セット、衣装、全てが超豪華。
映画セットとはいえ、昔の豊かな暮らし向きがうかがえます。
女性キャラも美しいだけでなく、強くて逞しい。
ハッピーエンドが、ロマンスより立身出世より仇討ち成就優先なところが素敵。
気高く優雅な作品です。
<カーズ3/クロスロード>
ネットの世界が、下がったり上がったりの祭り状態です。
普段はニュースをろくにチェックしない自分が、デイトレーダーばりにモニターに釘付けで、気づけば1日過ごしている。
大手メディアの報道とネット情報が大きく乖離していて、動画視聴の習慣はコロナ禍からなので(このような人は多いと思う)、何がどう転ぶかわからないものですね。
いつもは斜に構えたフリをするのに、この一体感にのまれてドキドキして、会ったことも無い青年(精神年齢)の試験失敗に皆で祝杯をあげるカオスな状態。
さて、例年通りのイベントも、少しづつ再開です。
茂木にレース(スーパーフォーミュラ)を観戦してきました。
みんな感染対策に神経を尖らせつつ、どこもサービス満点で申し訳ないくらい快適。
レースの方は、ごくみとアレジの2世が頑張っていました。
(他の選手の皆様、詳しくなくてごめんなさい)。
カーズ3/ クロスロード(2017年)
キャラクターが全て車の、大ヒットアニメ『カーズ』(2006年)のシリーズ第3作目
ディズニー・ピクサーの子供用アニメと侮るなかれ。『カーズ』は、涙あり、ロマンスあり、歴史ありの、ルーキー成長物語で大人が見ても楽しい。
『カーズ2』(2011年)は、なぜか忍者アクションなんですが(日本人の観客を意識した?)、コミカルで楽しいです。
さて、『カーズ3/クロスロード』です。
内容は、王者になったかつてのルーキーが直面する挫折と世代交代の物語。
体力の衰え、技術革新についていけない元王者、スポンサー会社のM&A、第1作で登場したマケインの師匠ドック・ハドソンが映画でもリアルでも(声優さん)亡くなっていて、映画を見にきた子どもにはさっぱりわからなくても、付き添いの大人にずっしりとくる内容です…。
「歳をとるって、物悲しいよね」と、言いかけて気づきました。
年齢に抗う苦しみに向き合うといっても、ライトニング・マケインには元チャンピオンという華々しい称号があって、記念館があって、可愛くて育てがいのある後任がいる。
「優雅で有意義な引退生活が待っている人はいいよなぁ」なんてスクリーン外で追い討ちをかけられるのでした。
<禅と骨>
ここ数年、お墓参りしていません。
コロナを言い訳にしていますが、遠方だし面倒くさいとどこかで思っているのかも。
祖父の葬式ではお坊さん呼んで読経してもらいましたが、別方の祖母は生前にキッパリ某宗教団体と手を切って、あっぱれな程スッキリと逝かれました。
お寺とは、ますます疎遠。
「お坊さんの功績」は、本で読みました。
托鉢の僧侶も、子供の頃に生で見た記憶がある。
でも、いま法衣の人に一晩の宿を求められたら、迷わず警察に連絡すると思う。
昔より豊かになったのに、説法が響かないのは乱世のせい?
正しく生きるより、やっちゃったもん勝ちの世の中だもの。
みんなの為に頑張っても、好き勝手しているあいつの方が目立ってるし。
ふと、思う。
徳を積むって、何かしら?
禅と骨(2017年)
京都の天竜寺の僧侶を務めた、ヘンリ・ミトワさんを追ったドキュメンタリー映画です。
僧侶なのでタイトルの「禅」がメインと思いきや、もう一つの「骨」がこれでもかとたくさん出てくる。ミトワさんの骨、ご親族の骨、骨、骨…。
むしろ、禅はどこにあるやら。
(この映画のレビューに低評価を付けている人がいますが、人間味やリアルが描かれすぎてて嫌悪感を持つ方がいるのも無理はない)
ミトワさんは、アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、アメリカにひとり渡り、結婚し、日本に帰って仏教に帰依し僧侶になりました。70代になって、「赤い靴はいてた女の子」を題材に映画を作りたいと決心したのは、「赤い靴はいてた女の子」に亡くなった母の影を重ねてのこと。
(短編のアニメドラマ「ヘンリの赤い靴」)
人生を好きに生きて、更にダメ押しでやりたいことをやってらっしゃいます。
支える家族は大変。それが美化されずに、そのまま描かれています。
これもかってくらいな、ドキュメンタリー映画。
思えば、ブッダも過激だったよな。
主人の乱心への、奥方と従者の苦しみは察するに余りある。
お寺から見る紅葉が、映像、音楽と相まって臨場感あふれる美しさ。
家族フィルムも、まるで親しい人の思い出を見ているような錯覚に陥るのは、何故なんでしょう?
2012年逝去、享年93歳。
ご冥福お祈り申し上げます。
<東京公園>
30歳が、キラキラして見えます。
自分が歳をとったら、若い人にエネルギーを感じるのかも。
外国のミュージシャンを中心に27歳クラブというのがあると教わったのですが、それとは違うかな?日本の、ちょうどゆとり世代と呼ばれる人達。(そういえば、元お姫さまも30歳でしたね。)
モニター越しに彼ら彼女らの活躍を見ると、元気が出ます。
喩えるなら、タロットカードの<愚者>でしょうか。
未来をピュアに信じていて、見ている側はその歩みを応援する一方、足元の崖に落ちやしないかヒヤヒヤもする。
でも、信じないことには何事も始まらないから素晴らしい。
東京公園(2011年)
今から10年前の三浦春馬くん主演の恋愛映画です。
撮影当時、彼は二十歳くらいでしょうか?一眼レフの構え方がキマっています。
それにしても、ストリート写真を銀塩モノクロで撮るのが趣味な爽やかな好青年って、カメラが母親の形見にしたって2011年の設定ではいろいろ無理あるような。実在の場所が出てくるから、東京の人には親しみがある。
視聴者層をやや高めに設定しているのか、台詞回しも皮肉が効いて面白い。
主人公は初々しい青年役ですが、登場人物の中で一番大人なくらいです。
終始受け身で静かな人物を、2時間近く魅せ続ける上手さよ。
自然な演技は、ちょっと違ったアングルで表情を観たい。
感じやすく、誰に対しても繊細な気遣いが行き届いている好人物。
これが求められている正しい若者の姿なのだとしたら、生きにくい時代だよな。
映画に、若者が抱える複雑さとしんどさを感じ取ってしまうのは、邪推が過ぎるでしょうか。
若い人が、未来を信じられる世の中でありますように。
<タロット女教皇>
小学生に「昔は、何して過ごしたの?」と、聞かれました。
動画視聴に熱心な彼にとって、Youtube誕生の2005年以前の世界が想像できないそう。
私は答えます「ラジオで人生相談を視聴するのが好きだった」。
(若い時分より年寄りマインドだったもので。)
人の悩みは、尽きません。
よく寄せられてた相談は
「子供が学校に行きたがらない」と言うもの。
「不登校」が社会に認知された頃でした。
(「不登校」の言葉が最初に使われたのが1968年、“HIKIKOMORI”がオックスフォード辞典に掲載されたのが2010年だそう。)
子供が行きたがらない理由はケースバイケースですが、回答者のアドバイスはいつも同じ
「そのうち自分から学校に行くから、放っておきなさい。」
回答者が複数いても、どなたも似た意見でした。
昨今の対応法(早めの受診や外部相談)を提案する回答は、私が聞いた限り皆無です。そもそも、対応できる機関や公共の相談先なんて、当時ほとんどなかったのかな?
似たような相談が続いて、回答者も辟易したのか、ある回では状況説明も聞かずに
「子供が自分から行動するまで信じて待ていないあなたは、酷い親」と電波にのせてなじっていました。(自主性に任せると、マニュアルにあったのでしょうか?)
そのきつい口調に、この番組を聴いた同じ悩みを抱えた視聴者の幾らかは、「信じてただ待つ」やり方に従ったと思います。
子供心に(何もしなくて本当に大丈夫だろうか?自称専門家の権威をアテにしたら危険では?)と感じましたが、年月を経て問題が深刻化してから再び「当時なにも行動しなかった親」がいま責められているのは、かわいそうです。
でも、電話で数分相談しただけでこの手の問題を解決するなんて、そもそも回答者が河合隼雄先生クラスだとしても無理な話。(ユング研究の第一人者で精神科医)。著書によれば、不登校児のカウンセリングに、箱庭療法や辛抱強い傾聴を何ヶ月も続けるのだとか。
引きこもるのが一概に悪いとも言い切れません。中国で今、「横たわり族」が増えていると聞きました。
大学を出て就職してからも終わることのない競争に疲れた若者が、最低限の働きしかしない準引きこもりの生き方を選んでいて、そうなるのも無理ないそう。彼らの行動は合理的でエコですし。
さて、タロットカード2番は『女教皇』です。
0番は夢見る愚者、1番は技を駆使する魔術師、次が2番の女教皇です。
女教皇はキリスト教に存在しないから、謎の多い絵柄だそう。
タロットカード、ウェイトースミス版の作成を企画したウェイトは、秘教を学術的研究対象とした学者で、絵を描いたのは共感覚の持ち主のパメラ・スミスさん。
(余談ながら、日本は外国から男女不平等社会と言われますが、日本で最初に帰依した仏教徒は女性でこれって世界では稀です。他国が男女不平等とか言えた立場じゃない。)
パメラ・スミスさんは大ヒット商品の絵を手がけたことで著作権ウハウハ…なはずもなく、報酬を僅かにもらったばかりで彼女は独身で慎ましい73歳の生涯を終えたそう。
『女教皇』のソニックさん解釈は「前向きに検討するが、(知識があるから却って)それなりの未来しか見えずにやる気が起きない」です。「横たわり族」を引き合いに出して、女教皇様ごめんなさい。
スミス版に倣ったNORISAN作の「女教皇」に描かれているのは、ヨウム。
とても長生きな、賢い鳥です。
賢いのでストレスに弱く、飼い主さんは細心の注意が必要なのだとか。賢さは時に、弱点になるんですね。
<新宿インシデント>
映画って、色々なジャンルがあります。
ホラー、サイエンスフィクション、ドキュメント、歴史、サメ、ロマンス…。
個人的に食指が動かないジャンルは、格闘もの(アクションムービー)。
恋愛映画だったら、ネジのぶっ飛んだヒロインの行動にツッコミ入れたり(恋とは、そうゆうもの)、ロマンスに興味なくても映画が会話のネタに使える。
でも、格闘モノはよく分からない。
ファンを通り越したマニアが多そうなので、ニワカが下手に感想を述べるのも憚られて。
そんな私でも、ジャッキー・チェンは知っています。
私の知る彼は、超売れっ子なのにお茶目で、日本のファンに向けて流暢な日本語で挨拶するファンサービスたっぷりな俳優さん。
アクション映画は体力勝負なので、全盛期を過ぎたろうと作品を検索したら、今でも年に何本も出演してた…。
新宿インシデント(2009年)
動画配信はどこも扱ってなくて、どうしても観たかったのでレンタル落ちをポチりました。
新宿を舞台とした不法入国者の成り上がり、ヤクザ、密入国と警察官の物語。
90年代の船での集団密入国、繁華街のヤクザのシノギ、パチンコ、偽造クレカ、残留孤児にぶら下がる家族、組織的窃盗と販売ルート、暴力団排除運動。どれも耳にしたことはあるものの、一般国民にはこれがリアルな世界なのかが分からないのですが、外人が描く日本の闇社会です。
ツッコミを一つ入れさせていただくなら、快適な社会を裏で支える3K仕事をしているのは、むしろお人好しで気の弱い日本人自身だと言うことでしょうか…。
全てを捨て密入国した中国人の普通のおじさん(鉄頭)が、仲間を引き連れトップに成り上がる設定は、アクション控えめであってもジャッキーのオーラあってこそ。撮影当時のジャッキーは、55歳。監督は、香港のイー・トンシン。撮影は、日本の北信康。もう一つ難を付けるなら、パソコンのモニターで鑑賞するには暗すぎる(テレビに接続するDVDプレーヤーはすでに処分済みなので)。
映画の予算は、$15.0M。対して香港での興行成績は$1.8M、台湾 $0.1M、日本に至ってはBoxofficeに表記なし(赤字?)。そういえば映画について聞いたことない気がする(私は映画を見ない人)。フィクションとはいえ、まさか触れちゃいけない核心ついてたってこと??
ジャッキーのその後は、息子の薬物所持による投獄が2014年8月。
北京の邸宅が差し押さえられたのが、2020年8月。
「党員になりたい」と、彼が発言したのが2021年7月。
鉄頭(主人公)に負けづ劣らず波乱に富んだ人生ですが、家族のために奮闘する人間ジャッキーも、らしくて素敵だよなと思う
(世界的なスポーツ選手が行方不明になる国)
ついでながら、今の日本は外国人が定住するのに密入国の必要すらない移民国家を目指しています。
<サバイバルファミリー>
知人が(ソロキャンプ)の作法を解説してくれました。
「焚き火を前に佇む、おひとりさまへの声かけ厳禁」だそうで、かなり意味不明。
いえ、私もそちら側の人間なので気持ちはわかりますが、アウトドアとインキャが結びつかない。
陰キャ陽キャに関わらず、そこは差し入れ持って声かけするシチュエーションだろうと。
尤も流行らせたのは芸人さんだそうで、パリピでいることに疲れた人の高尚な遊びだとしたらなかなか贅沢です。
キャンプはともかく、「サバイバル」には興味あります。
生き残りのヒントになりそうな作品をいつくか覗いてみました。
氷点下で生きる(2013)
映像を通じて極限状態で人々はどう知恵を絞って生きるか知りたかったのですが、番組で紹介されるアラスカの白人の暮らしは、文明の力をめいいっぱい持ち込んで銃で野生動物を殺傷しまくるというもの。
別に、人種やお国柄と絡めた非難するつもりはないけれど、彼らの極寒生活は共生というより、エンターテイメント。
「自然が生んだ怪物を相手に立ち向かうこと」を信条としていて、「ここでの暮らしは、事務職よりはマシ」とか、自分の都合優先で他人の命を危険に晒す姿に恐怖を覚えます。都会の絶望を最果ての地に持ち込むのはちょっと…。
私が想定した(サバイバル)は、ガソリン高騰で物流が止まったり、食料不足やライフラインが絶たれる状況。絶滅危惧種を仕留めて肉にする娯楽ではないです。
サバイバルファミリー(2017)
電気系統の一切が停止して、ネットも車も使えなくなった状況で、日本の一家が西を目指して自転車の旅をする話。
実際に電気の供給が突然断たれたら、あれがまた爆発しますよねとか、治安の悪化で安全どころじゃなくなるであろう設定の甘さはさておき、田舎暮らしの祖父の家に家族は無事到着します。
物々交換しながらの、家族4人の自転車の移動。
身体を使うちょっぴり不便な田舎暮らし。
家族が元気で平和なら、ちょっと楽しそうと思ってしまった。
やってくるかもわからない災害を恐れて気に病むより、体力つけて日々を楽しんでおこうと思えた映画でした。
<ホワイトタイガー>
今年も新年を迎えることができました。
この鄙なサイトを訪ねてくれる奇特な読者に、「幸多かれ」と願わずにはいられません。
お正月に浮かれてカルビをたくさん焼いたら、胃がもたれた。
消化するのにも、体力が必要です(汗)。
2022年の干支「寅」に因んだ視聴をと、キーワードで検索しました。
ホワイトタイガー(2012年)。
副題は(ナチス極秘戦車・宿命の砲火)。
ロシアの戦争映画でオカルト要素ありなので(分類はファンタジー)、おどろおどろしいのを想像しがちですが、画面は終始明るい(明度が高め)。
時は1943年、第二次世界大戦の真っ只中。
まるで遠い遠い昔の、人海戦術な内容ですが、たった80年前のリアルなんですね。
敵国ドイツ軍のT-6戦車が、ホワイトタイガーです。日本の設定は、出てきません。
主人公は、ロシア戦車兵「ナイジョノフ」。
彼は記憶喪失ながら戦車と会話できる特殊能力の持ち主で、ホワイトタイガーの捜索と撃破の任務に取り憑かれています。
ナイジョノフのセリフは、不気味で謎めいた彼自身の状況を示します。
「タイガーの砲弾は、私に向かって まっすぐゆっくり飛んできました。」
「死人は戻らなくていい。」
彷徨える兵士の魂とは、このようなものでしょうか。
イケイケなBGMの代わりに、戦車の砲撃音が次々と響き渡る。
ふんだんに登場する戦車は、CGじゃなくて本物?なんでしょう。
敵国ドイツや戦争への恨みつらみは、直接的な表現で出でこない。
一方、自国ロシアという国を、ヒトラーのセリフで
「陰気で不機嫌な国」
「野蛮な怪物」
などと、フラットに語らせています。
(どこか、感情がぶっ壊れてやしないのか?)
そう感じるのは、自分が平和ボケした世界の住人だからでしょうか?
この映像に対して年齢制限なし(G)なところに、別の意味で不気味さが…
<海の彼方に>
友人に「朝ドラの良さが、分からない」とこぼしたら、その魅力について解説してくれました。
友人の説明はポイントを抑えていて軽快ながら多岐にわたり、私は話に引き込まれました。
設定の時代背景、小道具、役者さんのバックグラウンド…。
朝ドラは、作り込まれた作品だと。
「今までこんなに魅力あふれる作品を見過ごしていたとは、もったいないことをした」と、終いには後悔を覚えたほど。
(ちなみに、内容は既に覚えていません。結局興味がないんでしょう。)
友人の含蓄にいたく感動した私は、何かお返しがしたくなり、
「私も”Xファイル”の良さについて説明したい。」
と、友人に申し出ましたが
「特にいい」と断られました。
親近感を感じて自分がノってくると、相手が引いて袖にされるこの現象は、一体なんなんでしょう?
相手から距離を置かれるこの能力を、ぜひ、キャンプしてまでソロになりたがっているパリピに教えてあげたい。
え!?「結構!」ですって??
海の彼方に Xファイル シーズン1ー13話 “Beyond The Sea” (1994年)
超常現象を信じないスカリー捜査官は、居るはずのいない父の亡霊を見た直後に電話で父の訃報を知らされます。亡き父がよく口ずさんでいた曲が「海の彼方に ”Beyond The Sea”」。いい曲なんですがエピソードでの扱われ方はやや不気味です。
連続殺人で死刑囚のボッグスは、死者の霊が見える能力の持ち主です。父の件からボッグスの霊能力を信じるようになったスカリーは、他の事件解決に彼の霊視力が使えないかと考えますが、ボッグスを知るモリダー捜査官は反対します。自分の話を信じたスカリーに、ボッグスは「父の最後のメッセージを受けとらないか」と誘います。
フォックス・モルダー捜査官は、シリーズを通じて超常現象の存在を信じる人”I want to believe”。一方のスカリー捜査官は彼のお目付役で、科学的な根拠を求める人。でも、自分の家族のこととなると、人は信念が揺らぐんですね。
「いいの、家族なのだから(父からのメッセージは必要ない)」
スカリーのように、このような人間関係で人生を送りたいものです。
死刑囚ボッグス役のブラッド・ドゥーリフが迫真の演技で、モルダーの存在は霞んでました。
ブラッドのような極限状態を演じる役者は、オカルト現象を別としても実生活に障りがないのかと心配になる。そういう意味では、”ホワイトタイガー”のように、暗い話を明るく幻想的に描くのは正解かなと想像します(制作者サイドの実生活を守るためにも)。
Xファイルでは格の違いを見せつけられましたが、ブラッドについて調べたら”名脇役”と出ました。
デビュー作は、”カッコーの巣の上で”(1975年)
前頭葉を切断することで暴れる患者を治療(?)する、ロボトミー手術の話です。
演技、上手いんだろうな。
でも、実話が混ざっていると考えると、怖すぎて作品をフルで正視できる気がしない。
<マイノリティー・リポート>
岡田斗司夫氏が『ホワイト革命』について動画で語っていました。
「ホワイト革命」は聞きなれない言葉だけど、オタキング謳うだけあって色白な人だよな。でも、彼から美白を学びたい女子なんているだろうか(以前にダイエット本は出している)と思ったら、snsの書き込みをクリーンにしましょうという話でした。
曰く、
・過去の書き込みが記録に残り将来の発達したAIで個人情報に紐付けされるから、発言には気をつけておく。
・ネガティブな意見に対する「いいね」も、今のうちに消去した方が安全。
この流れは決定事項で、ネット上の発言は規制強化の方向に必ず向かうだろうとのこと。
それで、老婆心から若者に向けての注意喚起だそう。
そういえば、チビクロサンボやトムソーヤの続編が子供に相応しくないと発禁になりました。
一昔前の作品って、現代人の感覚から見ると結構過激ですから、例えば福沢諭吉先生の(痺れるような罵詈雑言)や、柳田國男先生の(えげつなさすぎる伝承記録)も、今だったら至宝の本は出版できたでしょうか?
今のタレントさん達は、プライベートを切り売りしつつ世間に訴えかけます。
「snsの書き込みに傷ついた」
「芸能人に対してだって、言っていいことと悪いことがある」
「匿名で好き勝手言えるような社会は、間違っている」
もっともらしく聞こえますが、わざわざヘイトを集めて炎上商法に走る有名人は少なくないですし、
「なんであれ注目を集めるのは良いこと」とは、よく言います。
アンチを含むファンのやっかみより、プロパガンダに利用される表に出ない世界の方がよほど怖いのでは?と外野は思うのです。
汚い本音より、美しい建前の時代。見た目も発言も、綺麗でなければいつの間にか消去される近未来。
見方を変えれば、非支配者層(若者)がおとなしくて扱いやすいのは、為政者側には好き放題できて都合がいい。
小説を好きに投稿できなくなる日も来るのでしょうか?
マイノリティー・リポート(2002年)
予知により犯罪を未然に防止する、近未来を描いた作品。
監督がスピルバーグで、主演がトム・クルーズ。この組み合わせなら、中身関係なく面白くないわけがない。
なので、原作にあたってみました。
マイノリティー・リポート(1999年;日本語訳)フィリップ・K・ディック著
主人公は犯罪防止システムとそれを利用した警察組織を作り上げた、輝かしい功績を持つアンダートン。自身が潜在的殺人者との報告を受け、逃亡劇が始まります。
作中の「少数報告」からきたタイトルですが、日本語のリポートは「映像中継」で使われることが多いので、そこは「レポート」の方が良かったのでは。「リポート」も「レポート」も語源は同じ”report”、と、関係ないツッコミは兎も角。
シニカルながらどこか可笑しさを感じるミステリー短編SF。
小説の主人公は英雄というより嫌な奴で、彼が保ち続ける自身の権威ファーストな信念は一般受けしないだろうな…。
映画と違いアクションは少ないですが、日本の語呂合わせの三猿は原作に出てきました。
この小説が近い未来を表すのかどうかですが、犯罪予防システムの要である予知能力をもつミュータント(プレコグ)を(ブラックボックスAI)に置き換えると、岡田氏の未来予測と照らし合わせてなかなかの説得力があります。
因みに、小説で描かれている未来では(雇用不安に怯えて、情緒不安定から周りに敵意剥き出し)になり(夫婦関係も冷めきっていて疑心暗鬼)と、なかなかのリアルな暗さ。
(筆者のディックは5回離婚しています。)
人を殺すか殺さないかの選択が、チェスの駒のように感情なく語られる著者の頭の中はすごい世界だなと、プレコグの中にディックの片鱗を見た気がしました。
<Xファイル3−4 休息>
超能力の存在を信じますか?
「俺様は空を飛べる特別な存在だから、有り難がって敬いなさい。」
とか言う、あれです。
「いや、それ嘘ですよね。超能力があるのなら、科学で証明してみろ。」
真っ当で正しい判断ですが、出来もしない能力で信者からお布施を募れるなら、その人は間違いなく超能力者です。
これの変形で、大学入学資格すらないのに国際弁護士になれる予定と言って、持参金たっぷりのお姫様と結婚した超絶能力者がいまして…、
まあ、それはおいといて。
Xファイル シーズン3エピソード4 休息(1995年)
能力者の苦悩が描かれています。原題は、Clyde Bruckman’s Final Repose.
作り込まれたSF作品は、リアリティー風オカルトバラエティーより本物らしく見える(タクシー運転士による投資のステマもないし)。
この話には、三人の占い師が登場します。
・体のパーツしか登場しない、殺人被害者である占い師。
・イケイケ占い師のテイで売り出しているエンターテイナー。
・人の死に様を予見できる、本物の能力者ブルックマンです。
占いエンターテイナーは、人々の注目を集めて羽振りが良く、殺人事件の捜査協力者として呼ばれます。
一方、本当に人の死に様を予見できるブルックマンは、地味で営業成績も振るわないただの保険セールスマン。
人々は、金儲けが目的のイカサマ占い師は信じるくせに、見た目鈍臭くも他人のために尽力するブルックマンの言葉を無視して彼を蔑みます。
彼は予知能力を使って、残される遺族にせめて財産を残してあげようと保険の勧誘を掛けますが、けんもほろろに袖にされる日々。
信じてくれたら救いの天使としての役割が果たせるはずなのに、受け入れてもらえない。
授かった能力を活かせない現実と予測できても避けられない死の連続に、ブルックマンは絶望します。
スカリー捜査官の慈悲ある看取りをブルックマンは予見し、ようやく救いある最後の休息(final respose)を得ます。他の設定は、おまけに見えました。
印象に残ったのは、土産の置物の製作者の死因を当てるコミカルなシーン(ただの病死で、捜査で知りたかった情報ではないのですが)。作品には作り手の念が残るんでしょうね。
話は逸れますが、私はコローの風景画を見ると描かれた岩や樹への画家の愛情が感じられて嬉しくなります。
次世代に良い思いが溢れた作品が伝わるよう、今という時代が人々の心を豊かにするものであってほしいです。
<ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬>
今をときめくパクリ疑惑の「古塔つみ」絵師の作品が、文化庁主催の国際展覧会のキービジュアル(ポスターや会場案内のサイン)使用を外されたそうです。つみ氏の絵は「オリジナルで描かれたものは一枚もない」と有志の特定班がネットで明らかにしていて、画力どころか本名も年齢も性別さえ偽っていたそう。
オリンピックのエンブレムパクリ騒動の時も思ったのですが、日本は「コンテンツ大国」を謳う割にイラストレーターもアニメーターも作り手が困窮する一方、他人の成果を奪う輩には大金が流れるようで。
文化庁で思い出したのが、和田義彦画家の作品類似疑惑です。
同画家の作品がたまたま似たというレベルではなく、オリジナルの画家アルベルト・スギ氏に身分を隠して近づいて模写したというかなり悪質な盗作なのですが、お墨付きを与えていた文化庁長官が2006年に謝罪する騒ぎになりました。(発覚は投書による。時代が進むと小道具や言葉が変わるなぁ。)
この時の長官が2002年から就任していた日本のユング研究の第一人者の河合隼雄先生。他の不祥事の対応にも追われていた河合先生は同年倒れられ、そのまま帰らぬ人となりました。長官に就任した時のニュースの先生の嬉しそうな顔を覚えています。
著書を何冊か読みましたが、先生はまさに日本の宝でした(涙)。
ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(2011年)
パロディーを紹介したくて、コメディー、スパイ映画を観ました。
主演は、ローワン・アトキンソン(Mr.ビーンの人)。ジョニー・イングリッシュは3作あり、「気休めの報酬」は「007 慰めの報酬」が元ネタの2作目。ジリアン・アンダーソン(スカリー捜査官の人)も出演しています。
元ネタに、そもそも詳しくないのですが、単独で充分楽しかった。
ベタに笑わせにきていると分かっていても、やっぱり笑ってしまう。
鉄板ネタに加え、中国が英国を評して”honorable”(尊敬)というところを”horrible”(大恥。訳はイギリス視点)などと言い間違える、ブラックユーモアもありです。
<9/11 The Myth and The Reality (アメリカ人の正義を信じられる気になる話)>
被災したある家で、犠牲者が出ました。
遺族は嘆き悲しみますが、そこに隣町の偉い人がやってきて
「あんたのところよりうちの方が悲劇なんだ。だから我々を憐れんでお金を恵み、あんたの息子の命を差し出しなさい。」と言います。
人の良い遺族はその言葉に「かわいそうに、お互い様だよな」などと援助を申し出ます。まあ、この辺は人様の自由ですので良いんですが。
ところで、その隣町の町長さんは大金持ちのパトロンがいて、昔はコメディアンをしていました。
彼は、シナリオ原稿を読むのがとても上手です。
隣町の町長さんはその腕を生かして、遠くの国で歓心を買おうと更なる援助を呼びかけます。
「リメンバー・パールハーバー&911のテロ攻撃。我々はいまそれらと同じ目に遭っているのですよ!」
被災したあるお家の曽祖父は、遠くの国と昔喧嘩して、先に手を出したと言いがかりをつけられて半殺しにされた過去があります。
散々な目に遭っているのにお人好しのあるお家は、なおも町長さんを理解しようと努めます。
真珠湾攻撃と911のテロ攻撃は違うとの意見を散見しますが、お膝元の米国で911はもう一つの真珠湾” The New Pearl Harbor”と称する講演録が収録されてました。
9/11 The Myth and The Reality (2017年)
Dr. David Ray Griffinの1時間半にわたる講演録です。残念ながら日本語字幕はついていませんが、大事な箇所は英語のキャプションが入るので、辞書を弾きながらなんとか雰囲気は味わえました。
9/11の同時多発テロについて、アメリカ政府の公式見解とは異なった、いわゆる陰謀論を詳しくまとめたものです。
アメリカ政府は歴史的に、偽りの旗 “False Flag”を用いて、軍による侵略をテロへの攻撃だと正当化してきた。
政府の行いは神聖化され、反対する意見は冒涜とみなした。
(Dr. Griffinの言葉です。博士を動かすのは正義でしょうか?あるいはアメリカ人自身が犠牲になったことへの怒りでしょうか?)
“Remember the MAINE” (1898) 日本人コックも8人死傷しています。米西戦争に発展
“Gulf of TONKIN incident” (1964) ベトナム戦争に発展
“Remember The Pearl Harbor” (1941) ww2に発展
そして2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを対テロ戦争のための “The New Pearl Harbor”と位置付けます。
(この講演録は、日本の教科書に載せるべき!)
911関連の映像関連は、他にもちょっと調べただけで、
9.11 ジョージ・W・ブッシュ 空白の9時間 (2019年)
9.11 ユナイテッド93便 最後の瞬間 (2020年)
アメリカ同時多発テロは、なぜ起きた? (2017年)
9/11 - The Myth and The Reality (2017年)
9/11 爆破の証拠 ー専門家は語る(2012年)
倒壊する巨塔 ーアルカイダと「9.11」への道(2018年)
ナインイレブン 運命を分けた日(2017年)
9.11 倒壊するタワー 感動の脱出秘話 (2018年)
9.11 ~アメリカを変えた102分~
9.11 テロ事件~15年目の証言~ (2016年)
インサイド 9/11:あれから10年(2011年)
9.11とアメリカンドリーム (2016年)
ワールド・トレード・センター(2006年)
と、アマプラやヒストリーチャンネルに多数あり。
ナインイレブン 運命を分けた日の主演チャーリーシーンは、テロ陰謀論に理解を示しているそう。
政府公式見解に反論する各論については、書籍「暴かれた9.11疑惑の真相」ベンジャミンフルフォード著が助けになりました。
「信じるか信じないかは、あなた次第」
あるいは
「地下室!」
(個人の感想です)
<簡易なる強健術>
肥田春充氏をご存知ですか?
自分のようなラジオ体操すらぎこちない人間が名前を出すのもKYですが、明治、大正、昭和を生きて健康法を編み出し広めた方です。当時は熱狂的な支持を得て、幅広いネットワークをお持ちでした。
氏の編み出したという強健術に興味があり、昔の資料で手に入れるのは無理かなと思っていたら、一部がKindleにありました。
お値段たったの150円。(良い時代だなぁ)
内容は、腹式や胸式の呼吸運動について書かれています。
平易な言葉で説明されてるのですがしかし、動きが想像しづらい。
動画を漁ったら、なんとYouTubeにご本人の映像も上がっていました。こちらの動画は、タダです。
なんという時代でしょう。コタツから一歩も出ずに、料金も大して払わずに伝説の秘法を手に入れてしまった、この後ろめたさよ。
御大の近影は太鼓腹に柔らかそうな身体で、西洋式ボディービルダーの筋骨隆々な身体とはだいぶ様相が異なります。上半身の動きがゴムのように柔軟なのに、下半身はどっしりと体の軸が少しもブレない。
理解を超えた動きで、本気で戦ったら敵は何が起こったか理解しないうちに瞬殺されるだろうな。底知れず強そう。
古武術家の甲野善紀氏の著書によると、御大は遠視など超能力をお持ちだったそう。
しかし、当人はオカルトを強く否定して、望まれても教祖になることを固く拒まれたとか。マルクスの言葉『信仰は阿片なり』を引用し、人を蔑ろにして宗教に傾倒する狂信を『救えない』と毛嫌いしています。
健康法で知られた肥田氏ですが、透視した未来に絶望して、72歳で断食自殺されました。
人生を人のため奮闘された方なので、注目を集めるための創作ではないでしょう。(随筆『信仰は恐ろしきもの』は、死を選択した絶望感より「とても正気」な生き生きとしたエネルギーで溢れています)
戦後の復興を経験した氏が絶望するほどの未来像が、どのようなものであったかについての記録はないです。が、その様子をどの時代の日本人が目の当たりにするのか。ひょっとして近いうち自分が生きて経験するだろうかと、ニュースを見ては平凡だった人生に感謝しつつため息が出るのです。
最も、純粋な心をお持ちの御大が絶望したとしても、案外その時代の人間にとっては当たり前の未来な可能性もあります。それはそれで、悲しいですが。
<ブックスマート>
アメリカといえば、自由の国。
最近は雲行きが怪しくなってきましたが、911までのアメリカは「自由の国」のイメージでした。
アメリカでは努力すれば、誰もが平等にチャンスを与えられる。
見た目や思想や性的嗜好で差別されない、ありのままの自分が受け入れられる国。
日本で何一つ苦労なく育ったお嬢様がアメリカ行きを希望したのも、そんな「自由」を求めてのことでしょう。
ところで、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が、HSP(感覚過敏で傷つきやすい性格の人)の処世術について語っています。
「ひといちばい敏感な子」(2002年)の著書で、曰く。
”和を重んじる日本という社会はHSPにとって生きやすい環境。”
”日本は独立性を重んじる他国とは異なった社会で、自己否定感が人との関わりや正しい行いの役に立っている。”
つまり、内向的な人にとって日本は生きやすい環境だ、というのです。
そういえば、アメリカに渡ったお嬢様も、パーティーのお誘いを無視したとかで非難されていました。
曰く「アメリカで生き残るには、パーティーでのネットワーク形成が必須」で、何もしないで周りが勝手にお膳立てしないとか。
「ブックスマート」(2020)。
勉強を頑張ってきた優等生が、高校卒業を前にやり残したことをするためパーティーに繰り出すお話。
勉強もスポーツもできて、他のグループに細やかに気を配り、更に個性的なキャラで目立つことでスクールカーストを上る。とにかくみんなアクティブ。
裏を返せば、勉強だけでは同朋から尊敬されない、他人は他人、自分は自分の個人主義とは真逆な世界。
LGBTは、他人に配慮を求めるものでなく声だかに主張するもの。そりゃこの環境で幼少から鍛えられたら、人当たりの爽やか好青年や好戦的アマゾネスが生き残るわけだ。
個性的なキャラで目立ちたかる若者に、危なっかしさも感じます。
家柄、肩書きだけで評価されるちょろい国とは違い、評価軸のハードな国のよう。
ノリノリな音楽に盛りだくさんな展開でついていくのが大変ですが、どのキャラクターも魅力的で、幅広い層への配慮が感じられます。
日系アメリカ人のスケートボーダー、ニコさんが出演。
面白いのが、「教師は給料が安い」とバイトして半分本気で小説家を目指す校長や、青春を味わい尽くさなかったことを後悔する先生。
監督は実力派女優でもあるオリヴィア・ワイルド。
全力で応援したくなる素敵な方。間違いなくカースト上位な人でしょう。
<GODZILLA>
ミミズコンポスト、はじめました。
材料は段ボールと外を包むポリ袋。これに野菜クズ、卵の殻、コーヒー滓、鳥餌の殻などの非可食部を入れて、ミミズと土を入れます。正しいやり方か不明ですが、失敗してもミミズが増えすぎても元に場所に返すだけ。(モグラがいる畑)
趣味なので採算は度外視で、収穫はおまけと思えば気楽です。
より完成度の高いSDGs(持続可能な開発目標)を目指してチャボも飼いたいところ。でも、鳴き声がうるさいらしい。
理想は、蚕も飼って…。まあいいや。
ミミズにちなんだ映画を。
GODZILLA (1998年)
ハリウッドが作った、ゴジラじゃないゴジラ映画。初代ゴジラが、モノクロの1954年なので新しいイメージでしたが24年も前でした。どちらもアマプラで観れます。
フランスによるポリネシアの核実験によって誕生したゴジラが、ニューヨークに渡って街を破壊しまくる物語。主人公は、チェルノブイリのミミズ男ことタトプロス博士。
放射能でミミズが17%巨大化するとあったので調べたら、ナマズが巨大化した例があるようです。
ただし、巨大化はDNAの損傷によるものでなく、人が介入しないことで本来の大きさに育っただけです。
ムルロア環礁の核実験は、実際にありました。史実による反省が盛り込まれていて、好感が持てます。
登場人物がもれなく、ゲスで無力で間抜けなのもいい。一方のゴジラは破壊力満点、しかも賢い。
主人公は、ゴジラです。
ちょっとB級ホラーっぽいですが、強すぎるゴジラが爽快で楽しい映画です。
ミミズは、最初にちょこっとだけ出てきました。
ニューヨークのツインタワーが、物悲しい。
<ジャングル>
ご近所の方から、筍をもらいました。毎年いただくのですが、大きな家にお住まいで、敷地に広い竹林をお持ちの方です。
自分の庭に食べ物が生えてくるとは、優雅だと羨んだら
「今の時期に掘り切らないと、竹で母屋をやられるんだよね…」
羨望が一転、同情に変わったのでした。
確かに、竹は人間の都合で生えませんので、タイミングを逃さず掘り続けるのはプレッシャー。長期保存できるパウチがあるのに、茹でるのも正直言えば面倒だし、いくら美味しいと言ってもシーズン2回食べれば十分です。
自然に付き合うには、根気がいるな。
ジャングル キングズバーグ19日間の軌跡(2017年)
怪しいガイドの口車に乗ってボリビアのジャングルで遭難し、九死に一生を得たバックパッカーの物語。
登場人物は全員モラトリアムの白人男性。
これが創作だったら「こんなアホおらんやろ」と脚本にダメ出し食らいそうですが、実話だっていうから恐ろしい。生命力がやたら高いのは、バランスが取れているんですね。
外国の自然映画といえば、自然が敵。なんですぐ野生動物を狩って殺しちゃうかなと思いつつ、こんな奴らにSDGsの講釈を垂れられたくない。
美談でまとめられていますが、日本人なら自己責任で世間から叩かれて、映画化まで漕ぎ着かないだろう作品。
主人公を熱演するのは、ダニエル・ラドクリフでハリー・ポッターの主役の人。
ある日突然魔法が使えるようになるファンタジーより、生き甲斐がありそうで生き生きしていました。
<あなたへ>
ニュースで、定年後も働き続ける高齢者を特集していました。
死ぬまで働けってこと?
趣味や社会貢献に精を出す隠居生活は、ありませんって意味??
憂鬱な気分で知人に愚痴ると、年金がどうしただの政府の意向の話になるかと思いきや、みんなの感想はもっとシンプルでした。
「定年後はずっと家にいるでしょ。パートナーと四六時中一緒だなんて耐えられない。どちらかが外に出なくちゃ。」
なるほど。生の声ほど為になるものはありません。
あなたへ (2012年)
亡くなった妻からの絵手紙をもとに、散骨のため故郷を旅する物語。
夫役は鉄道員の高倉健(映画では刑務官)、妻はおしんの田中裕子。
奥さんが出来過ぎないい人なのは、妻に先立たれた男の思い出フィルターでしょうか。(大きなお世話)
口数少ない普通のおじさんを好演する高倉健の上手さは、他の追従を許しません。田中裕子の「星めぐりの歌」も、のびやかで美しい。
暗示される夫婦は三組。高倉健演じる英二、佐藤浩市演じるナンバラ、草彅剛演じるタミヤ。
はっきりとは描かれず、大人がしんみり観る映画です。
関係ないけど、北野武作品やたけしが出演するは、アマプラに少ない。Amazonに収録されてない良い邦画も、まだまだたくさんありそうです。
<マネー・ショート>
世間が、何十度目かの滅亡論に沸いています。トレンドは「食糧危機」。
物流の停止に法律の改悪、コロナに戦争に蝗まで加わって、よくぞカードをここまで揃えたものだと…
母は、70年代のオイルショックを経験しています。
原油高と関係なかったトイレットペーパーが品薄になり、実際には物資は足りていたにもかかわらず、人々のパニック買いにより店頭から物が消えました。
自分も311でガソリンや安全な食料品の不足、コロナ騒動でマスクや衛生用品の不足を経験しました。でも、被災や物資の不足よりも、情報に躍らされた恐怖心がよほど堪えた。
今回も、そうなるでしょうか?
311の断水を機に井戸の場所を確認して、マスク騒動では手作りマスクを通じてネットワークが広がり、経験値は増したような増してないような…。
危機も健康でさえあれば、悪いことばかりじゃありません。
ネットを通じて一次情報が手に入る今はパニックは起こりづらいだろうと想像しつつ、でも、仕掛ける方もより巧妙になっているんだよな。とりあえず、我が家は米と味噌を少しだけ余分に備蓄し、地元野菜の購入で地元の農家さんを応援してます。
マネー・ショート 華麗なる大逆転(2015年)
2007年のアメリカの低所得者向けの住宅ローンを端に発した、世界恐慌サブプライムローンの中を見てきた人たちの物語。
主人公たちは辛くもこの状況を乗り越えますが、保険だのローンだの詳しい人にこの映画を解説してほしい。
“I just know. At the end of the day, average people are going to once have to pay for all this.”
(最終的には、一般の人々がツケを払うことになる。)
エンドロールによると、マイケルの最後の投資商品が、”水”だそうでとても不気味です。
「ありあまるごちそう」でも少し取り上げられていましたが、水はインフラの公共物だから商品であってはいけません。
グローバル社会って、庶民がこうゆう連中に食いものにされる世界よね。
<バンデラス>
「近頃はバラエティーどころか、テレビでニュースも見なくなった。」
友人とそんな会話をしたのも、だいぶ前の話。
テレビがゲーム専用モニターになりさがったのはいつだったか?思い出すのは2014年の「佐村河内守やらせ疑惑」です。
NHKスペシャルの感動の作曲秘話からのやらせ疑惑発覚会見。作曲はゴーストライターで、全聾も嘘だったという。
周りが気づいてないはずないだろうに、全部ひっくるめた「壮大なコント」?
そもそもテレビが流す情報は、どこまでが本当なの?
バンデラス ウクライナの英雄(2018年)
同じく2014年に勃発したウクライナ紛争を題材にした、ウクライナ作成の映画。民間のバスが襲撃を受け住民が多数死亡しました。
音楽も映像も洗練されていて若々しい雰囲気。好戦的なヒーローたちは、「ホワイトタイガー」のロシア戦車兵ナイジョノフの空虚感とは正反対なキャラクターです。
政府軍と分離派の民兵(ロシア側)が住民を巻き込んで同じ民族同士殺し合う。スパイが入り込み家族が敵になり、もはや何を信じていいのかわからなくなる絶望。
単なる戦争のプロパガンダ映画と思いきや(そういった面もあるでしょうが)、興味深くもありました。
「住民は友好的か?」の主人公バンデラスの問いに
「あいつらはテレビを信じきっていて、俺らがバスを襲ったと思っている。」
と、答えるのは政府軍の仲間。
キーワードは、テレビによる洗脳。現代の戦争のあり方です。
「ウクライナ人なんて存在しない。皆ロシア人つまりスラヴ人さ。
アメリカとNATOが俺たちを引き裂いている 奴らこそ真の敵だ。」(民兵側の台詞)
これ、公開は2018年です。
グロは少ないのですが、同郷の仲間が殺し合うシーンには精神がじわじわやられます。
<マージン・コール>
今日は2022年の6月1日。
物の値段が今日から上がると煽られまくって、ビビりながらスーパーに行ったら値段も品揃えもいつも通りでした。
5月31日の昨日よりセールで安いくらい(私も暇人だな)。特に野菜が安くて、経費は上がっているのに農家さんが心配になります。
こんなに豊かな国なのに、メディアはどうして不安を煽るのか。政府はメディアを使って投資を勧めますが、不安を煽り、隣国の打ち込むミサイルより他民族の内輪揉め(やらせあり)ばかり報道する機関の言うことを信用する気にはなれません。
イライラしてたら、ご近所さんが立派な玉ねぎをお裾分けでくれました。不作で高いのにありがたい。
自分もいつかは与える側の人間になりたいなと思いつつ、受け取る立場を謳歌してます。
マージン・コール(2011)
マネー・ショートと同じく2007−8年世界恐慌を扱った作品ですが、物語の作りはコチラの方がドラマチックです。モデルは、大手都市銀行リーマンブラザーズだそう。
社員の8割が突然解雇される。長年の顧客を裏切りまくり、危険を指摘した同僚に責任を取らせる。
長年顧客と信用を築いてきたベテランも、科学者希望だったのに給料に釣られて就職した若手社員もつらそう。
「メンタリスト」のサイモン・ベイカーが、チンケな詐欺師から大物詐欺師(投資家)に進化して冗談の一つも言わない世界。
前に紹介したマネー・ショート(The Big short)は予算が$28M で、売上は$133M 。
一方、今回のマージン・コールは、予算が$3.5Mで、売上$19Mと一桁少ない。
どちらもキャストは豪華なのですが、ノンフィクションのマネーショートの方がコミカル要素もあるせいか人気な模様。
<閉鎖病棟 ーそれぞれの朝>
スーパーの野菜コーナーにインフレの波は来ていないと言いましたが、ペット市場は値上げしています。
セキセイインコの雛が6年前には980円〜だったのに、今は1980円〜の100%の値上げ。インフレというより、コロナ禍で在宅が増えたことによるペットブームの影響とか?
我が家もちょっと奮発(?)して、二匹目のインコをお迎えしました。
インコは何匹か飼ったことがありますが、おとなしい。手乗りになる為に生まれてきたような仔です。鳴き声もやさしい。
同じセキセイインコでもこんなに性格が違うとは、販売員さんが丁寧なお世話をしてたおかげで穏やかなのか。
インコそれぞれ、人もそれぞれ。
閉鎖病棟ーそれぞれの朝(2019年)
精神科医の帚木蓬生さんの原作が好きなので試聴してみましたが、出だしからなんか違う。
原作の方は、「閉鎖病棟」に入院しているワケありで出立も異なる患者さんも、内面から覗けば普通の人でそれぞれの人生を送っているという内容ですが。文章と違って映画だと、どうしても見た目も含めた異質さが逆に強調されてしまうのは映像の限界でしょうか。原作(1994年出版)で、犯罪歴のある患者さんでもいかにもサイコパスな異常者は登場しなくて、箒木先生のお医者さんとしての患者さんへの優しい眼差しを感じる作品でした。
むかし病院の近くで道に迷って、患者さんにそうとは気づかず道を尋ねたことがあります。その方は「先生」とだけ言って、そこで別れました。それからだいぶ経ち、私はまた病院のそばで、知らない男性に「先生」と声をかけられました。
私は何のことだかわからず、患者さんの集団のひとりだろうと無視したのですが、後になって彼は自分が以前に道を尋ねた人だと思い出したのです。
多分彼は、「道でしたら、うちの先生に聞いてください。」と教えようとして、それから「先生に道を聞いて、目的の場所には無事行けましたか?」と親切にも確認してくれようとしたんだと思い至りました。当時はそのことに気付けずに心遣いを無碍にしてしまい、申し訳なかったです。
<タングルウッドの奇跡>
毎日かあさん」で本名や私生活を暴露されていた娘さんが、ブログで母親を毒親告発して話題になっています。幼子の容姿を貶し一方で弟の方は溺愛され、娘は精神を患いそれすらもネタにされ…。
子供が親の養分として消費され、その子の未来を潰す。そうさせる風潮は、一部であると思います。
身内の秘部を晒してでも笑いをとれば、コンテンツを生み出して経済を回した人として世間から注目されるのですから。
毒親は昔からいましたし、一昔前はどんなに酷くても親を非難することは許されない雰囲気でした。子供だった時分「毒になる親」を持って書店の会計に並んだら、店員に引かれたものです。でもやっぱり、毒親からの負荷には、限度はある。
コンテンツとして映像化までいきませんでしたが、世界的ヴァイオリニスト五嶋みどりさんを育てた母親の節さんが「天才の育て方」で、子育てについて語られています。
その本によると、母親節さんは離婚がしたくて娘のみどりさんを連れてアメリカに留学。幼いみどりさんは母親を満足させようとヴァイオリニストとして奮闘するも、母親は父親とは別の男性との間にもうけた息子の龍さんを溺愛。みどりさんは摂食障害とうつを患って入院…。
オーケストラの演奏中にヴァイオリンの弦が二度切れるアクシデントを乗り越えて演奏を続けた「タングルウッドの奇跡(1986)」はみどりさんが14歳の時(アメリカの教科書に載ったそう)。当時は、ほかの奏者からヴァイオリンを借ることのどこが凄いのかわかりませんでしたが、YouTubeで映像を観なおして彼女の並々ならざる覚悟ある人生を想像して涙が出そうになりました。
何はともあれ、生き抜いて人をしあわせにする演奏活動を続けられてるのは、素晴らしい。
<この世界の片隅に>
大手メディアで「食糧危機」が取り上げられてました。コンポストや水耕栽培、食品の保存法などの対策法を報道をすればいいのに、ただ煽るだけ。
311の震災後、ドラックストアのレジに新生児を抱いたお母さんがレジカゴいっぱいの離乳食を二つ三つ持って並んでいました。離乳は数ヶ月も先だろうに、その子が食べきれない量をです。その後、購入制限のお知らせが貼られましたが、ベビー用品は長く棚が空の状態が続きました。
買い占めが起こると、一気に物が不足します。でも、不安に駆られた母親を咎めることはできない。ただでさえ気が立っているのですから(乳児連れの母は、動物界広く超凶暴)。
この世界の片隅に(2017年)
戦中戦後を広島で過ごした”すず”さん"の物語。
フィクションだそうですがとてもリアルで、可愛らしい絵柄ながら大人向きのアニメです。食糧が不足する中、はこべを摘んでお浸しにしたり炒った米で雑炊にして量を増したり。
戦艦大和や武蔵をスケッチするところを憲兵さんに見つかり、すずさんは叱られます。
大変な生活も、頑張り屋でおっとりしたすずさんと一緒なら幸せそう。
蛇足ながら、「武蔵」はマイクロソフト創業者の調査で、フィリピン沖に発見されました。
<マスク>
自粛が明けて近所の子に会ったら、背が伸びてて驚きました。その成長ぶりは、二度見して面影を探さないと同じ人とわからないくらい。
そういえば、卒業式から入学式の間に、背が2〜30センチ伸びた御曹司がいらっしゃいました。私は彼のことを画面越しにしか見たことがないのですが、お付きの人も気を利かせて「凛々しく急成長なされました」くらい声かけすればいいのに、視聴者サービスがなってないなぁ。
思い起こせば、彼のお婆さまもご成婚されてから随分と背が伸びました。ふつう人間は成人すると成長が止まり、歳とるとむしろ縮むとばかり思ってましたが、一般人でない方と縁続になると不思議な能力が身につくのですね。
そうそう、選挙で原稿読みもおぼつかなかった外国の老紳士が、来日したらシャキッと背が伸びて若々しかたっけ。
マスク(1994年)
うだつの上がらないおじさんのチート映画のどこが面白いのか?当時は食指が動きませんでしたが、いま観直したら面白い。
定石すぎるドタバタコメディーで、セリフも小道具もチープなのが却って笑える。
いかにも味方っぽいペギーが金のために裏切り、キャメロンが味方になる大人なコメディー。中の人の成長は、マスクを本人が被ってこそ。
主演のジム・キャリーってなんとなく柳沢慎吾さんに似てる。正直上品な方ではないけれど、多才な彼の演技あってこその映画だろうな。
<アビス>
選挙二日前にして、あってはならないニュースが飛び込んできました。私は政治活動と距離を置くを通り越して、無関心な今どきの一市民ですが、見せしめは結構。
ケネディー大統領が銃弾に倒れた時、正義が死んだとアメリカ人が嘆いていたのが、しみじみと分かりました。
今回の選挙は、政見放送が楽しみの一つだったのに、笑って見れなくなってしまった。
アビス The Abyss (1989)
アビスの日本語訳は「深淵」で、タイトルは恐ろしげですが、作品は希望に溢れています。「ターミネーター」や「タイタニック」などヒットを飛ばした、ジェームズ・キャメロンが監督。
うんざりな日常の人間関係と止めようがない人類の愚行。一方で、深海に潜む謎の存在は、人間を貪る敵ではなく、超技術を持ち叡智に溢れていた。
人智を超越した何かと人との遭遇があり、特定の宗教が出てこないので誰でも安心して観られます。(?)
人や未来や何を信じればいいか分からなくなった時に、ピュアな気持ちにさせてくれるエンディングです。
一日本人として、ご冥福をお祈りします
<ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド>
次々明らかになる情報に、どうにも落ち込むこの頃。もう、何を信じたら良いのかわかりません。
諺では、「信じるものは救われる」
あるいは、「若者に信心を教えない国は衰退する(うろ覚え)」
でも、テロリストは人一倍信心ありそうですし、
「信仰はアヘンなり」と、マルクスも警鐘を鳴らしてます。
本当は、信仰心の前に家庭が安定しているのが一番だろうな。子供時代に手に入らなかった人は、成長して自らの力で安定した家族を新たに作り救われるか…
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年)
1943年、女優のシャロン・テートと友人たちが自宅で殺害される事件がありました。
殺人を教唆したのは、ヒッピーたちのカルト指導者チャールズ・マンソン。ドラッグとフリーセックスに溺れた彼らの犯行は、無関係な人をターゲットとした場当たり的なものでした。
犯罪者に焦点を当てたドキュメントは、目にする機会があったのですが、シャロン・テートはじめ被害者視点の作品もいくつか出ていて、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」もその一つとか。監督は、「キル・ビル」「パルプ・フィクション」のタランティーノ。
俳優陣が、ブラッド・ピットにディカプリオと、超豪華。上映時間が長く2時間40分で、淡々としていてカットの一つ一つを味わう映画好きのための作品かと。
今をときめく俳優陣が、落ち目の役者を好演します。結末は実際の事件から改変され、意外にも爽快なハッピーエンド(?)でした。
もう一つ、カルトに関する作品を紹介します。
「カルト集団と過激な信仰」(2018年)
アメリカ作成のドキュメントで、第5話は世界平和統一聖殿を取り上げています。
この団体は、教祖ショーン・ムーンによるサンクチュアリ協会の分派。
多額の寄付金を払っての「合同結婚式」と「銃による武装」がシンボルです。
ウエディングドレスやタキシード姿のカップルが機関銃を手に大勢集まるので、地域住民は集会に対してデモしてます(そりゃ怖いわ)。
結婚式と機関銃のアンバランスさが選民感情を蜂起させることは容易に想像できますが、結婚式はそれだけで二人のための特別なイベントなんだから演出をゴンドラやケーキカットで満足できないのか?
教団は、信者の子供たちに銃の使い方を積極的に指導しているそうです。統一教会への出資は主に日本からだそうですが、作品では日本への言及はありませんでした。
最近のニュースによると、アメリカの選挙に積極的に関わろうとしているそうです。
アメリカでは団体への反対運動が起こっているようですが、空気を読んでことを荒立たせず、曖昧な状況を放置してなあなあなにすることを善しとするこの国では如何なものでしょう。
<インコ2>
結膜炎がひどくなり、目医者に行ってきました。出された薬は、ステロイドに抗菌剤に痛み止め。
ここ10年はちょこちょこ病気しまして。肺炎、帯状疱疹、喘息、風邪…、症状色々病院違えど出される薬は、この三つ。もう3点セットを、ネット販売してほしい。
中でも痛み止めの効果はものすごく、さっきまでうずくまるしかなかったのに普通に生活できてしまう。ただ、時間が経って調子の悪い時に、忘れていた痛みがもどることがあるんですよね。
うちの初代インコは、気まぐれで自由人。
この子が、家族に病人が出ると寄り添って一緒に寝るんです。病気のふりしてもきてくれません。本当に調子の悪い時だけです。
水とアワを少々あげるくらいしか世話してませんが、動物って不思議。
<ドクターハウス 取引>
肺から喉周りに古傷の痛みがあり、流動食に切り替えついでに絶食(ファスティング健康法)してみました。
結果、味覚が狂い、肌がシワシワになり、にわか健康法ほど危険なものはないと分かりました。
見た目ボロボロですが、鎮痛剤なしで乗り切ったので勝手に勝利宣言です。
Dr.House ードクター・ハウス (2007)3−10取引
ヒューローリー演じる偏屈な医者ドクター・ハウスは、医者として優れた慧眼を持ちつつ、自身が重度の鎮痛剤依存に陥っています。
文章を偽造し、腕を自傷し、薬の怖さを分かっているにも拘らず人生を賭して薬に狂ってしまう。
「痛いんだよ!」
なんと恐ろしい話でしょう。どうしようもない、彼の気持ちが今なら理解できます。
患者を治すことができるのに、鎮痛剤の依存症は治療法がないの??
使われている鎮痛剤は、日本で認可されていないバイコディン。エミネム、マイケルジャクソン、タイガーウッズも中毒患者だったとか。
効果が高いといえ、医者がこの薬を処方できちゃうアメリカの医療システムもほんのり怖いです。
<ヴェノム 2018>
2回目で心筋炎(代表的副反応)3回目で帯状疱疹(あのN◯Kが関連を否定する番組作成)
4回目は酷暑日だったので「健康を考えて無理しないで(控えて)」と伝えたら
「今回は、行きにタクシーを使ったよ。」とのこと。
常識あるお年寄りで、なんやかや元気なんだよなぁ。一応、ほのぼの?
でも、友達から「癌になった」と聞かされた時は、流石に笑えませんでした。
”東北有志医師の会”2022,05.18の記事によりますと、アメリカではワクチン関連の癌が2021年から急増しています。
因みに、同記事では「帯状疱疹急増はワクチンの副作用による」と言い切っています。
(このうえ帯状疱疹ワクチンで儲けようって言うんだからんどれだけウハウハか)
勝手に気に病んでウダウダしているうちに、上記彼女は手術と放射線治療を終え「旦那の保険が強力で財布が助かった〜」と活動再開に向けて準備しています。ろくに入院させてくれない病院の事情もあるそうですが。
反対に友人から「顔色悪いよ」とか言われてしまう始末。はい、今日からちゃんと食べます。
ヴェノム(2018)
アメコミシリーズの一つらしい。宇宙から連れ帰った謎の生命体は、地球の人間を食糧にするのが目的の侵略的外来種だった。
主人公のエディーはそのうちの一体「ヴェノム」と共生関係を確立し…。
ヴェノムと共生することで主人公が手に入れたのものは、女性へのたしなみに、危機意識、身体中を自在に動かして人を車ごと吹っ飛ばす尋常ならざる力。もう、そのまま一生支配されとけ。
仲間に至っては、身体から溢れるばかりの武器を撒き散らすことができます。
人間狩るのにそこまで必要?オーバースペックじゃん。「蜘蛛男」も「蟻男」もどうせ不味いから無理して食べる必要ないし。
それにしても、殺戮しまくる割に食糧にされた人間はごくわずか。◯したらちゃんと喰っとけ、資源の無駄遣いだろ?人間余ってるから、いいのか?
人間側の戦いにドローン大活躍なのが、ゾワゾワ。
個人的には「ヴェノム」が日本のテレビニュース放送中に自称専門家を捕食して、お茶の間で
「奥さん、あいつただの悪い人だったんですって!」てな日本版横展開希望
<誰の能力?>
味覚障害の原因がわかりました。多分鬱みたいなもの。。
ファスティングしていたのも、食べられないものが結果と理由が入れ換わったと思います。
痛みとの関連は不明。ただの偶然か、きっかけだったかも。
味覚障害は治ってません。
大好きだったわかめの味噌汁はグニョグニョと気持ち悪くて食べたくありません。肉も臭いばかり鼻につく。研ぎたて炊きたてのご飯も、美味しくない。ふりかけとか、ままごとの葉っぱみたい。
これらは、私の知る料理じゃないです。
本枯節のお出汁と(メーカー指定)いくつかの麺類と、トマトと桃はいけます。この辺を組み合わせて、味覚が戻るまでは栄養を摂ってこうと思います。
家族にはキットの調味料を使ったり、仕上げを各自やってもらえばよさそう。
考えても行動に移すのに、とてもとても時間がかかりました。私は、もう一人の私と頭の中で会話します。
(振り向いた先にあるおかず、腐る前に冷蔵庫に入れなきゃ。)
この話を、断続的に他の思考を挟みながら、何度も何度もするのです。
そうして丸一日が経ち、おかずは腐り、今度は午前中いっぱい次の会話をするのです。
(おかずはもうすえてるから、ゴミとして捨てなきゃ。)
今回は、お昼までになんとか捨てられ、その勢いで不用品類もそこそこ処分できました。
ここを超えないのが、ある種の境界なのでしょうか?
(誤解を生みそうですが、つい先日まで普通に生活してました)
存在自体を無視されるのが、一番負担が軽い。
「大丈夫?」とか「どっちにする?」とか確認されたくない。
愛情をかけられる喜びよりも、普通の反応をするのに千倍以上のエネルギーを使ってしまうしんどさが遥かに勝るからです。
(人は、普段ものすごくいろんな能力を使いこなして生活しているんだな。)
(脳って、こうやってバグれるものなんだ、味とか。)
ちなみに、こういった思考はむしろ冴えます。頭の中は無茶苦茶忙しいんですよ、一部の行動が実行に移せないだけで。
昨夜は、夢の中で「ヴェノム」に、お前の食い方は如何になっていないか、狂人マナー講師の如くキレまくりヴェノムは小さく小さくなって話を聞いていました。
夢から覚めてから、タロットカードを知人に提示し
「あなたのお知り合いは鬱だけど、鬱になるって脳の素晴らしい能力なのよ」
などと、2回説明したところで気がつきました。(こちらは白昼夢)
「ヴェノム」って賢かったし、ヒーローになるだけあっていい奴だな。