小咄其の参 『お役人のお仕事』
(司会)
「えー、間もなく干拓地問題も鳥インフルエンザも光熱費も、騒がれないのをいいことに放任状態にした農水産大臣さまが、異常プリオン蛋白…いわゆる狂●病問題の釈明をしやがります。」
(大臣)
「ゴホン! ええ、今回の騒動はわが農水産省といたしましてもまことに不測の事態であり、ゆゆしき問題と認識しております。
しかし! 牛肉の安全性は以前より保証されており、万全を期しておる次第で、それを知らしめるべく皆様にはこの大型牛丼チェーン『よしな屋』にお集り頂いた次第であります。」
(司会)
「大臣も牛丼のような大衆の食べ物を食されるのですか? てっきり赤坂あたりで高級ステーキを馬鹿喰いして安全性を御自分の任期期間だけアピールするのかと」
(大臣)
「ししし失敬な! こう見えても私ゃ庶民派で通っておるんですゾ! あ、ああ店長、松坂牛丼のレアを頼もうかな」
(店長)
「…あの、そういったものは無いンで。盛りの多さとか、つゆの加減とかなら変えられるッス。」
(大臣)
「あ、ああそうだったいかんイカン遺憾。た、たしかこう頼むんだったな…?
”つゆダク、ネギ抜き、プリオン抜きで一丁!!”」
(司会)
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
(店長)
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
(大臣)
「・・・・・あ。」
<おしまい。>