91話 たまにはこんなこともあり
列車が故障したので近くの村で時間をつぶします!
それと新キャラ登場!
順調に進むと思われていた列車は大きく揺れ緊急停止した。
状況を確認して戻ってきたアヴェルが云うには『列車の二両目にある魔術回路が故障した』らしい。
そのため俺は知識を蓄えるがてら修理の様子を見に行った。
「これは陛下」
まだ戴冠していないが陛下認定されているんだな。
後は王位を継承するのが俺だけだからか?
「何処が故障をしたんですか?」
「ここの魔力を供給する箇所が詰まったようですね。事前に防止することは不可能ですが大きな事故にはなりません。自動で緊急停止されますから。修理の仕方は詰まった魔力を少しずつ放出するだけです」
要するに魔力を供給できない状態になっていたのか。
「どれくらいかかる?」
「念のために他の箇所も確認しますので約二時間で終わると思います。また、他の魔導具もこれで動いてるため不便になると思います。そのため下の村で休息を取ってください」
「そうなんだ。じゃあ、大変だと思うが後は頼んだぞ」
「畏まりました」
さて、列車に残ったあいつらにもこの事を教えなくては。
…さすが異世界人、既に村の方に向かっている。
こういった故障は頻繁に発生するのか?
皆に遅れて龍も村に下りておった。
場所としては近くに大きな山があるだけで何もない辺境の地だ。
ちなみに王の護剣は魔物の襲撃等を警戒して周囲に散らばっている。
「村に着いたのはいいがあいつら何処に行った?途中までは見えてたんだが…」
植物園に行った時もこんな状況になったな。
どうせ各々で散らばってプチ観光してんだろ。
…何だ?あの一角は。
建物の中から村人がぞろぞろ出てきてる。
「すみません。ここに何かあるのですか?」
「ああ、先ほどの団体の方ですか?」
先ほどの団体?
…執事やメイド達も偽装工作のために村に行ったのか。
「お医者様が来てるんですよ。この村は辺境の地にあるので診てもらっていたのです。有名なお医者様なのであなた様も診てもらったらどうですか?」
お医者様かぁ俺とは無縁の職業だ。
だって俺、不死だし怪我しても速攻で治るしな。
「教えていただきありがとうございました」
でも、気になるから見てみるか。
龍は医者がいる建物に入った。
すると予想外の事に龍と面識のある人物が居た。
「おや?こんな所で会うとは奇遇ですな!」
俺は何処かで会ったのかこの人と?
とは言っても医者と関わりを持った記憶は…。
…あの列車に乗っていた医者か!
そこに居たのはあの列車に乗車していた医者だった。
その列車で龍はゴブリン、オークと戦闘をして勝利した。
しかし、連戦に慣れていないせいかその場で気絶してしまい、この医者に診てもらったのだ。
「また、会いましたね」
「そうですね。これも何かの縁、自己紹介しておきましょう。ヴィルヘルムと申します。自分探しの旅をしており、そのついでに医者として活動しております」
ここに来て自己紹介かよ!
さすがに本名を名乗るのは不味いから日本名にしとくか。
「ノボル・アケノです」
「ハハハ。それが異世界での名前ですか。まあ、村人が近くに居ますしね」
「ああ、本名は既にご存知で」
「はい。立ち寄った町で読んだ新聞でたまたま」
大々的にマスコミが公に知らせたからな。
しかも帰還宣言した際の写真を使われていた。
全くあの状況下でよく撮影する暇があったな。
「所でお体や精神面は大丈夫ですか?」
「はい、これでも自分、不死なんで」
「不死ですか…。不死とはいささか難儀なものを身につけましたな。不死とは生物の理から外れるようなもの。不死の患者を診たことありますが孤独と後悔に苛まれていました。…陛下も気をつけて。それではまた何処かで」
確かに不死になったら死ぬことがなくなる。
それは寂しさや虚しさを生むのだろうな。
当然だか仲間との時間を共有できずに別れてしまう。
『お前は寿命で死ぬようにしてやるから安心しろ』
それはどうも。
そう言い残すとヴィルヘルムは別の地に向かった。
そして代わりに騒がしい声が耳に入ってくる。
龍がよく聞き慣れた声である。
「あ、ここに居たんだ!」
「フィアナか。そんなに楽しそうにして何かあったのか?」
「占い師が来てるよ!」
「占い師?」
異世界にも占い師って存在するんだな。
いや、どっちかって言うと占いってファンタジーの分類だよな?
じゃあ、別に存在しても違和感はないのか。
「そう!龍も占ってもらったら?」
信じはしないが占ってもらうか。
異世界に来てから色々と起こりすぎて今後について考えてたしな。
「いい暇潰しになりそうだな。占ってもらう」
「じゃあ、こっちに来て!」
ヴィルヘルムはこれからもどこかで関わっていきます。
そうこれからもどこかでね。
それではまた次の話で!




