73話 非日常は平凡な日常に
第六章スタート!
この章は戦闘メインの章です。
てか、ボス的な立ち位置のキャラはすでに登場しています!
一時的にユルグレイト学園を離れた奴です!
はい、皆さんお待ちかねの夏休み!
昨日の時点でほとんどの生徒は帰省してる。
だから俺も少ししたら日本に帰るつもりだ。
てか、帰りたい。
だが帰省の準備は終わっているので暇を持て余していた。
そのため帰省するまでの間、ガイ先生に稽古をつけてもらっている。
「まだ力は入るだろ!もっと出せ!」
「はい!」
元騎士団長だけあって稽古というよりかは実践形式の訓練だな。
そして普段の授業ではできないことを普通にやってきます。
教えるのも戦闘の最中、間違いを正すのも戦闘の最中とマンツーマン指導のためか熱が入っている。
遠くから眺めている生徒も引き気味で見学してます。
多分、参加する気は微塵もないだろう。
「今日は終わりだ!」
「ありがとうございました!」
「というか何で急に吾輩の家に来て『強くなりたいんで稽古をつけてください』って言ったんだ?吾輩、独身だから別にいいが明野は何かやりたいこととかなかったのか?」
「やりたいことはこれです。今日、夢で魔眼に警告のようなことを言われたんです」
急にガイ先生に稽古を頼んだ理由は魔眼が夢に現れたからである。
しかも意識的な曖昧なモノではなく神様としての姿で。
性別は男性で口調の割には青年ぽい見た目で優しそうだった。
「で、言われたことが『小僧、貴様は大切な物を得すぎた。故に強くなくてはいけない。だが貴様はあまりにも弱すぎる。そのため一から鍛え直すべきだ。試しにあのガイという元騎士団長を訪ねろ』と」
「ほう、随分とその神様は吾輩のことを評価しているんだな。…しっかしその神の名はなんだ?何か特徴はなかったか?」
「青年ぽい見た目で腰に剣を携えていて灰色の髪で俺と同じで左目に眼帯を付けてました」
おそらく、その神の左目は失われている。
多分、俺の左目がこの神様が持っていた左目なのだろう。
…そう考えると少し気持ち悪くなってきた。
いやいや、移植とかされてないしそんなことない!
「…そのような神がこの魔眼に宿っているとはな。その神はこの世界の基盤を創った創造神の一人、司るのはありとあらゆる理、名は…」
「名は?」
「すまん忘れた」
何じゃそりゃあ!?
肝心なことだけ伝えて名前は忘れやがった!
そういうのは名前を知りたいんだよ名前が!
特徴だけを伝えられても困るっつうの!
「自分で調べてくれ。というか本人に訊いた方が早くないか?」
「わかりました」
名前は知れたかったが司ってるのがチート級に恐ろしいな。
要はこの世界のだいたいの基盤をこいつが創ったんだよな。
創造神という肩書きも伊達ではない。
もしかして最高神か?
『最高神ではない。我は創造神なだけで後の神が最高神だ。理と言っても大したことではない。例えば水の神には水という認識を与えた』
悪い、高等すぎて理解が追いつかない。
俺でも理解できるよう説明してくれないか?
『要するに、そこに水があるという状態を創ったのだ。先ほどの水の神で説明すると奴は水というモノが何なのか理解できていない。だが我は元水の神、故に水というモノが何なのか理解できておる。まあ、自分で創ったガキに教育したようなものだ」
えっと大雑把に纏めると司るモノの名前はわかるがそれが何なのかわからない神様にその司るモノについて教えたってことか?
『その認識で間違いない』
魔眼っ本当にスゴい神様だったんだな。
…なあ、いちいち魔眼とか名前じゃないモノで呼ぶのもあれだし教えてくれないか?お前の名前。
『先ほど説明したように我は各神に司るモノについて教えた。つまり名の神にもな。名無しだよ。ガイが思い出せない名は後の奴が勝手に付けたモノだろう。それに名を司っていた時は自分で自分に自分の名を付ける気はなかった。名とは相手に付けられるモノだからな』
じゃあ、俺が付けようか?
『ほう、面白いことを申すな』
ダメか?
『いや、良い。前の保持者には魔眼ちゃんとか変な呼ばれ方してたからな』
魔眼ちゃんって前の保持者はいったいどんな人なんだよ…。
…ゼロはどうだ?
『名無しだからか?』
違う。ゼロは一以前に始まりの数字なんだ。
だから創造神のお前にピッタリだろ?
それにゼロはどんな数字にも化けることができる。
他の数字は別の数字を足されたら全く違う数字になるがゼロだけは足された数字と同じ数字になれるんだ。
だから世界の基盤を創った神様だからゼロ。
『気に入った。今日から我はゼロだ』
おう、よろしくなゼロ!
こうして龍の左目の魔眼に宿る神の名は今日からゼロという名になった。
意味は始まりと無限に広がる可能性。
魔眼の名前はゼロになりました!
今更だがレイと意味が被っている(´-ω-`)
まあ、別にいいけど。
それではまた次の話で!




