71話 龍VSシエラ③
そろそろ決着をつけます。
次ぐらいには終わらせたいです。
両親が亡くなって以降、シエラの面倒は八歳、年が離れた姉が見ることになった。
極力出費を抑えるために殆どのメイドや執事には辞めてもらったそうだ。
そして家のことはほぼ全て姉が受け持ちシエラはまだ学校に通っているので勉学に励んでいる。
しかし、ドラゴニュート雖も幼少期に両親を亡くしたシエラの心は確実に崩壊していった。
そしてとどめを刺したのはクラスメートの『両親がいないシエラちゃんは授業参観の日は誰が来るのかな?』という言葉という名の刃物だった。
明らかに理解して発したその刃物は確実にシエラの心をえぐりゼロ・コントロール状態にさせた。
子供という生き物は何故、こんなことをペラペラと口から出せる。
拒絶がゼロ・コントロール状態になる条件はこの世界に絶望することである。
その後、シエラの姉は家事や家業を両立させながらこの個力について調べてシエラを外の世界に触れさせ治した。
やがてシエラはユルグレイト学園に通うようになり姉は安堵する。
たが入学して約一カ月後にシエラに訃報が届く。
死んでいるのを退職したメイドや執事達が再び復帰しようと屋敷を訪れたところ姉が玄関先で死んでいるのを発見した。
死因は過労死である。
恐らく、今までは気を張っていたがシエラが家を離れたことにより緩んでしまったからであろう。
「まあ、そんなとこだな」
「私がもっとしっかりしていたらお姉ちゃんは死ななかった」
「ほうそうかい」
龍はシエラの言葉を無視して例の血で赤く染まったページをめくりシエラに見せる。
「じゃあ、ここを大きな声で読んでみようか」
「…それは」
「読めるだろ?自分が書いた文なんだし」
まあ、読めないのも無理はない。
だって今やろうとしていることを全面的に否定することになるからな。
ここに書いてある文は両親と姉への感謝、これから両親と姉の代わりにどう生きていくかなど様々なことが書いてあった。
が、最後にこう書かれていた『やっぱり死のう』と。
「わかってんだろ。自分がやろうとしていることがどんだけバカげたことか!両親や姉の死を無駄にする気か!」
「シエラだってそんなのわかっている!パパとママ、お姉ちゃんがシエラのせいで死んだのではない!シエラを守って死んだことだって!」
やっぱりわかってるんだ。
わかっていてこいつは死のうとしているんだ。
ああ、ムカつく!!
まるで一昔前の俺を見ているみたいだ!
悪いな親父、子供の頃から散々、聞かされ続けてきた言いつけを破る!
俺のエゴを貫き通すために女泣かせるぞ!!
龍はガラスを消してシエラの胸ぐらを掴んだ。
「わかってるのなら今すぐ止めろ!両親と姉の努力を無駄にするな!困ってるなら誰かに頼れよ!助けてって言えよ!」
「シエラの周りには誰もいない!誰に助けを求めろって言うの!」
「…俺がいるだろ!何で俺がこんなことしてるのか理解できねぇのかよ!!」
前書きに全部、書いたので特にないです(;^∀^)
それではまた次の話で!




