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55話 植物園の秘密

最後にヒロイン登場!

モデルはグリム童話の髪長姫、ラプンツェルです!

 ユルグレイト学園の裏には海がある。

 しかも、そこから侵入者は入ってこれない。

 何故ならヨルダガンドという飼い慣らされた竜が住み着いているからだ。


 というか入り江になっており、出入り口に大きな門が設置されているので船はそこで検査のために止められる。

 まあ、そんな感じで海上警備も完璧なこの海には海底神殿があるらしいのだがそこに用はない。

 目的地は海岸の近くにある植物園である。

 

「ここがユルグレイト学園の植物園だよ」


「植物園なんて行きたくないが俺様のダチのお前が行きたいと言ったから仕方がない」


「「じゃあ、エイジは残ってろ」」


「待て待て!!行くから置いてくな!」


 そういえば料金を払う必要はあるのかな?

 …必要なそうだ。

 レイが窓口のおじさんに生徒手帳を見せてる。 


「閉館は八時だからね」


「わかりました」


「…うん?女学園?」

 

 また、例のヤツか。

 当たり前なんだけどめんどくさい!


「気にしないでください」


「ああ、例の転校生か」


「そうです」


 さて、何処から見て回ろうか。


「待て!龍は女学園の方に転校したのか?」


「そうだけど!」


「羨ましい〜!」


 何が⁉うるさいだけだぞ!

 特にフィアナがな!


「何組だ!」


「B組」


「B組はやんちゃで燃えるような赤毛を持つフィアナちゃんと可憐で美しい金髪のエレノアちゃんがいるクラスじゃねぇか!」


 何か語りだしたぞこのチャラ男!!

 この場にその二人がいたらフィアナに殴られエレノアにゴミを見るような目で蔑まされるぞ!


「無視していいよ」


「だな」


「しかも女学園の風紀委員会には清らかで面倒見のいいシアン先輩!更に最近、所属した好奇心旺盛で活発的なアリスちゃん!それからそれから」


「鉄塔があるエリアから見て回る?」


 極寒エリア、火山エリア、亜熱帯エリア、砂漠エリア、とんでもない地帯に咲くな異世界の花は。

 鉄塔のあるエリアは秘境エリアか…。

 何か面白そうだな。


「聞いてるのか貴様ら!」


 後ろで騒ぎ立てるエイジを無視して二人は館内地図を見ている。

 しかし、あまりにも騒がしすぎて限界がきたのかレイはエイジの方にそっと近づきこう言った。


「…しばらく黙ってなさい」


「…はい」


 短時間だがこの二人の力関係が完全に理解できたぞ。

 エイジの方が絶対に逆らえないド底辺だ。


「じゃあ、秘境エリアに行こっか」


「そうだな」


 しょぼくれるエイジを気にも留めず俺達は秘境エリアに向かう。

 各エリアに行く方法はワープ装置に乗る事だ。

 理由は温度や湿度を変えないため。

 

「ここが秘境エリアか…」


 一言で言うのなら幻想的な空間だ。

 咲き乱れる摩訶不思議な花、澄み渡った空気、まさに異世界でしか見れない景色だ。

 そして中央に鉄塔が。

 

「…あれが鉄塔だよ。何故かこのエリアだけにあるの」


「何かあるのか?」


「何もない。てか、外からは見えないようになってるの」

 

 何か怪しいな。

 でも、トラブルには巻き込まれたくないから上らないけどな。

 見た目からして監視塔か?


「すげぇ!おい!デカいマンドラゴラが生えてるぞ!」


 マンドラゴラって抜くと叫んでくるあれか?

 絶対に抜くなよ。


「お喋り花よ!」


「あれはもしかしてダイヤフラワー!?」


「おい!お前ら…」


 マジか二人とも自分が観賞したい花の方に真っ先に飛んでいった…。

 さて、取り残された俺はどの花を観賞するかな。

 咲いてるのは異世界にしかない花だから全て珍しいんだけどなぁ。


「…しまった鉄塔の真下に来てしまった」


 考えながら歩いていたら鉄塔の真下に居た。


「開いてる」


 それによく見ると鉄塔を囲っている柵が開いている。

 絶賛ウェルカム中か?


「立ち入り禁止じゃないし上ってみるか」


 龍は好奇心に駆られて数分前の誓いを破り鉄塔に入った。


 螺旋階段を上って鉄塔内部に入ると少し狭い広間に出た。

 端に階段があるから更に上に行けそうだ。

 確かにレイの言う通り何も見あたらないな。

 ただの物置か?


「よし、上に行ってみるか」


 ゆっくりと階段を上がって扉を開ける。

 隙間から一筋の光が入るのと同時に物音が響いてくる。

 もしかして事務所なのか?

 なら今のうちに戻った方が…。

 でも、『事務所』って書いてある立て札とかないよな?

 一応、事務所かもしれないし言っておくか。

 

「失礼します!」


 俺は扉を百八十度になるよう完全に開けた。

 仮に事務所であったら叱られる覚悟で。

 だが部屋から聞こえた第一声は予想を遥かに裏切ってきた。


「…だ誰?…妖精さん?」


 事務所に置いてある物は一つもなかった。

 ただそこには人一人が生活できる絨毯等の日用品があるだけ。

 そして透き通った銀髪の少女が開けた扉の先を見ながら怯えていた。

 まるで降り積もった雪と間違えるほど透き通った銀髪である。

 塔と少女、この組み合わせから俺はグリム童話の髪長姫、ラプンツェルを思い浮かべる。

 しかし、その少女の周りに魔女ゴーテルと思える存在はおらず下界から切り離されたように寂しげにその場に座っていた。


 そして少女はこの少年が自分の運命の鎖を引きちぎってくれる事をまだこの時は想いもしなかった。

さて、なぜこの少女は鉄塔にいるのか?

それには意外な人物が関わっていた!

次回、それがわかります(`・ω・´)

それではまた次の話で!

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