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53話 再び動き出す日常の歯車

第四章終わり!

 先の戦闘の功績を称えられて俺はその日の夜に勲章式に出ることになった。

 もちろん、俺がメインなんですけど学園長が学園の代表として俺以外の生徒の勲章は受け取るそうな。

 というかもう、メインの式典は終わっている。

 ちなみに俺の勲章はルシフェル大帝国に送られたので手元にはない。

 そんで今は城でパーティーが開かれています!


「てか、この肉うま!」


「でしょでしょ!これブランド竜の肉なの!」


 ブランド竜!?

 なんか竜がブランドになってんだけど。

 ああ、それとエレノアは姫様として式典に参加している。


「まあ、牛サイズの竜だけどね」


 牛サイズの竜って…コモドオオトカゲみたいなの?

 あんなサイズの竜がいるのか?


「それよりエレノア、フィアナは何処に行った?」


 このパーティーにはリュカの撃退に貢献した学生や騎士が参加している。

 フィアナは学園長であるジェイスの娘のため自然な流れで参加しているのだ。


「バルコニーで見かけたよ。それと覚悟して行ってね」


「おう」


 殴られる覚悟はできているさ。


 俺はフィアナが居るバルコニーに向かった。

 …城下の灯りを見ているな。


「よう。何やってんだ?」


「龍…。ちょっと風に当たりたくて」


「いい眺めだな。この景色を守れて良かったと思う」


 ユルグレイト城は街より高い場所に建てられているため街全体がよく見える。

 …実家から見る町の景色も良かったがこっちもなかなかのものだな。


「ねえ、何であたしを置いて行ったの?」


「…アリスを守るのと同時にお前も守りたかったからかな?」


 これは事実である。

 何故かフィアナもアリスと同じように守りたいと思ったからだ。

 というか普通は連れて行かないんだけど。


「それであたしを置いてったんだ。ふーん」


 ヤバい殴れる!


 俺はフィアナに殴れると思ったがフィアナは下を向いて左右の拳で俺の胸を軽く何度も叩いた。

 バルコニーの地面が濡れている雨は降っていないフィアナが泣いているんだ。


「バカ!あの日も今回も何でこんな無茶ばっかするの!心配したんだから!」


「ごめん、考えるより先にいつも体が動いてしまうんだ」


 向こう世界でもよくあったことだ。

 後のことを考えずに恋を助けに突っ走っていた。


「でも、それが龍の(さが)なんだよね」


「ああ」


「じゃあ、約束して『もう二度と死なない』って。龍は魔眼で不死だけど龍が死ぬ度に誰かが嫌な思いをしてしまう事は覚えといてね」


「約束する。俺は二度と死んで勝つ戦い方はしない。だからフィアナはいつも通りの笑顔で居てくれ」


「うん。約束だよ」 


 もう二度と死んで勝つ戦い方をしないよう強くなる。

 そのためにはあの力を扱えるようにならなければ。


『忙しくなるな小僧』


 まあ、強くならなければ誰も守れないからな。

 ってかあれから普通に良く喋るな。

 …これって喋ってんのか?


「お熱い所、悪いけどボク参上!」


「「アリス!?」」


「いきなり現れんなよ!それに『お熱い所』って何だ!」


「ええ~、自覚ないんだ!」


 自覚の前に俺が何かしたのか?

 単にフィアナに謝っただけだぞ。


「というか何の用だ」


「隣のバルコニーに龍のお客さんが来てるよ」

 

「俺の客?」


 この世界に来てから日は浅い。

 俺にお客が居る筈ないんだが。

 とりあえずはアヴェルの可能性もあるから行くとするか。


「…ノボル・アケノです」


 バルコニーには男が二人立っていた。

 知ってる男が一人、知らない男が一人。

 知らない男は仮面をしているため顔がわからない。

 そして知ってる男は学園長だ。


「ジェイス殿、彼が」


「そうです」


 何処かのお偉いさんか?


「…ようこそ私達の世界へ。あなたに出会えたことを光栄に思います。ノボル・インフェルノ様」


 こいつ俺の正体を知っている!


「あなた誰ですか…」


「あなたが治める帝国、ルシフェル大帝国、代理皇帝、クラウス・ベルブゼラです皇帝陛下。五ヶ月後、龍様の王位継承式、つまりは戴冠式を執り行うためその旨をお伝えに参りました」


 ルシフェル大帝国の関係者で代理皇帝かよ!

 それに王位継承式と言ったか!?

 それにこの俺が皇帝だと!?

 情報量が多すぎて処理が落ち着かない-。


「親父が王位継承するんじゃないの!?」


「その筈だったんですが翔龍様のご意向で」


 あのクソ親父があぁぁぁぁ!! 

 面倒臭いことを全て押し付けたな!

 いきなり転校とかおかしいと思ってたんだ!

 あの野郎、これが狙いだったのか!


 こうして俺は訳がわからないまま王位継承式の内容について聞かされてルシフェル大帝国の正当王位継承者になった。

 王位継承式はどういうわけか十二月のクリスマスに決まったらしい。

 王位継承後は普通に学園に通う皇帝となる。

 怒涛の説明が終わった数秒後に俺は察する。

 五ヶ月後に俺の生活はある意味、崩壊すると。


『小僧、大丈夫か?』


 黙っとれ!

ということで龍は正当王位継承者の資格を得ました!

それではまた次の話で!

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