41話 幽霊屋敷と怖がりと
幽霊屋敷で貪狼騎士団を捜索します!
シアンはダウンしています(ー_ー;)
「シアンっち、大丈夫?」
誰のせいだと思っているんだこの天然野郎は。
気絶はしてないが動こうとしない。
自分にとって最悪な出来事が起きたから考えるのを止めてるな。
…とりあえずは車椅子を創って乗せておくか。
「幽霊屋敷だぁ~」
「そうですね~」
てか、この世界の幽霊ってどういう原理で見えてんだよ。
俺の世界ではプラズマや見間違いやらといわれているがこの世界の幽霊はどうなってんだよ。
話しかけたら『いい天気ですね~』と返してきてんだけど実体あるのか?
「貪狼騎士団、何処に隠れているんだろうね」
「さあな、見つからない場所に隠れてるのは確かだ」
それをこの広い屋敷から見つけ出すんだから骨が折れるよ。
虱潰しに探していけばいいが時間が掛かってしまう。
なのにシアン先輩はいつまでこの状態で居るつもりだ!
戦闘になれば迷わず見捨てるからな!
「幽霊達がパーティーしてるよ~」
「シアン先輩、そろそろ俺でも怒りますよ。もっと気を引き締めてください」
だが隠れているとしても簡単には見つからない場所というのは確かだ。
なので見つけやすい広間等の人が立ち入りやすい部屋は除外される。
…他の部屋とは違って扉が少し開いてる?
流石にこんな見え見えの罠を仕掛けるほどバカな連中ではないが念のために確認しておくか。
「この部屋は物置か?」
人の気配はないがブレーカーが上げられている。
上げっぱなしっていう可能性もあるがブレーカーに乗っていたであろう埃が落ちている。
誰かが使った証拠だ。
「この部屋は物置かしら?」
「さっき俺が言いましたよ」
我らが風紀委員長様はやっと戻ってきました。
「龍、何をしてるの?」
龍はブレイカーに何かを取り付けていた。
「ちょっと細工を」
ブレーカーを上げる目的ってあれしかないもんな。
それにもう夕方だし使っているだろう。
だったら後で役に立つ筈だ。
「ブレーカーは上げられてるから居るのは確実なんだけど何処に隠れてるのよ」
貪狼騎士団がこの屋敷に潜伏してるのは間違いない。
だけど物音も話し声も聞こえてこないんだよなぁ。
…ならば普通に入れる部屋に居ないのではないか?
それにこれほど大きな屋敷になると隠し部屋があってもおかしくない。
「多分ですけど隠し部屋があるのでは?」
「あるよ隠し部屋」
「あるのなら先に言えよ。時間を無駄にした」
「じゃあ、そこに行く方法わかる?」
「…あれ?隠し部屋がある事はわかるのに…わかんない!」
シアン先輩は再びアリスの頭を鷲掴みする。
最早、脅しの手段になっている…。
「正直に言いなさい!」
「痛い!痛い!本当に知らないんだって」
「どうせスラム街の住人に聞いたんでしょ?」
この屋敷は有名だし隠し部屋がある事ぐらいスラム街の住人なら知っているだろう。
「そうそれ!」
「はぁ~。片っ端から調べていくしかないですね」
まあ、片っ端から調べればいつかは辿り着くしな。
しかし、今更だが何年も掃除されていないせいで埃臭い。
…あ、これほど埃が積もっているのなら試せるぞ。
「シアン先輩、どうやら簡単に見つかるっぽいです」
「冗談は止めて」
シアン先輩、何か怖い!
今日、機嫌悪すぎません!?
「いや冗談じゃないです。床についた足跡を辿るんです」
「足跡?…床に私達の足跡がついてる!」
「掃除されていないので足跡が残るほど埃が溜まってるんです。来た方向は記録しているんで俺達の足跡の確認は大丈夫です。とりあえず玄関に移動しましょう」
「龍っち天才!それではさっそく玄関にレッツゴー!」
「アリス、そっちは屋敷の奥だ。玄関は真逆の方向だぞ」
「言い忘れましたが空間歩行者を使用しているせいかアリスはドが付くほどの方向音痴なんです」
いやいや!これは右と左がわからないのとほぼ同じだろ!
アリスはドが付くほどの方向音痴です!
ここまでこれたのは運が良かっただけです(^∀^;)
まあ、要するに個力の使いすぎで道を記憶していなんです。
異空間は障害物や目印はないですからね。
それではまた次の話で!




