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39話 捕獲

やっとこの章のメインヒロイン登場です!

 集合場所の校門前に俺は時間内に来ることができた。

 他の先輩方は先に来ているが怒られないかな?


「遅れてすみません」


「大丈夫よ。まだまだ時間はあるから。というかその台車に乗せた黒い布を被せたヤツなに?」


「えっとですね…部屋に侵入していたので」


 俺は黒い布を取った。

 本当はこんなことしたくないんだが。


「捕まえました」


 龍が黒い布を取ると手錠をかけられたアリス・フラメルが出てきた。

 多少は困惑していた龍だが逃走する前に捕まえたのだ。

 黒い布を被せたのは他の生徒に騒がれないようするためである。


「やっほ~!捕まっちゃいました」


「えっ…ホントに?」


「アリス・フラメル、ご本人です」


「ボクはボクしか居ないよ!」


 さっきからこんな感じでずっと笑っている。

 好奇心が旺盛なのかはたまた誰かと遊びたいのかようわからん。

 というか彼女って本当に問題児なのか?


「でも、空間歩行者(スペースウォーカー)を使ってないし!」


空間歩行者(スペースウォーカー)?」


「空間を自由自在に動ける彼女の個力です」


 思春期の男子が持っていたら絶対に悪用するな。

 性悪男子共に悪用されないよう気をつけろよ。


「そう!こんな感じに」


 そう言うとアリスはそこから消えてシアンの後ろに現れた。

 そして個力による影響か手錠が外れている。


「瞬間移動!?」


「瞬間移動ではなくて空間を自由自在に移動したのです」


「それって瞬間移動と何処が違うんですか?」


「瞬間移動は座標を指定する必要がありますが空間歩行者(スペースウォーカー)の場合、座標の指定はなくて好きなタイミングでの出現が可能です。魔力を使わずに移動できるのが空間歩行者(スペースウォーカー)の良い点ですね」


「そうそう。こうやって異空間のドアを開けて入って消える!」

 

 そう言うとアリスは実践するかのように個力を使う。

 そして異空間に入るための扉を出現させて消え失せた。


「先ほどのは瞬間的に出して即座に消えてんです」


 ああ、先ほどは一瞬で消えたから瞬間移動のように見えたのか。

 だけど今のは扉が見えたからわかりやすかったな。


「…いつになったら戻ってくるんだ?」


「…逃げられました」


 実践したと思いきや逃走するために使用したのかよ!

 まあ、それを気にもせずに見ていた俺らも悪いけど!

 

「また今度、捕まえたらいいよ。気を取り直して行きましょ」


「でも、アリスを捕まえられたのはスゴいよ!」


「そうだね。さすが期待の新人!」


「ありがとうございます!」


 アリスは隙をついて逃げていったが今は追いかけれない。

 そんな事よりも貪狼騎士団を捕まえるという大事な用があるからだ。

 当初の予定通りに龍達は騎士団と合流してスラム街の手前までやってきた。

 潜伏するのにはお(あつら)え向きの場である。


「ここからは先ほど決めた二人一組で別れて行動する。各自、自分の身の安全を最優先に行動したまえ!それでは解散!武運を祈る」


 騎士団の指示で俺達は二人一組で行動することとなった。

 俺のペアは風紀委員長として実績と新人を扱うには持ってこいという理由でシアン先輩になった。

 ちなみにエレノアはというと。


「離して~!私は龍と行動するのぉ~!」 


「我儘言わないでさっさと行きますよ!」


 副会長に首根っこを掴まれながら駄々をこねています。

 そして担当する方向が真逆なので協力して動くことはできません。


「何で会長は突然、ああなったんでしょうか?」


 前までの威厳は何処に飛んでったのやら。

 副会長さん、スゴく困惑してたぞ。


「さあ?当の本人が一番、理解していると思いますが?」


 シアンはエレノアを見ずに龍の方を見て言った。

 あの日にエレノアは龍によりアイザックの魔の手から救い出されている。

 それ故に今のエレノアは『龍になら頼れる』と思っている。

 その事で色々な(しがらみ)から解放されて今に至る。

 そしてシアンは『龍がアイザックを倒した』と知っているのでエレノアが龍に『頼る』ではなく『甘えてる』と理解しているのだ。


「何でこっち見るんですか?」


「何でしょうねぇ」


 しかし、龍にはまだ理解できない事であった。

 

「スラム街って電気や水道、ガスは通っているんですか?電柱とかないですけど…」


「そうねぇ…。職を失ったりある事情でここに流れ着いているから通っていない家は多いよ。でも、配線や水道管はどの家にも取り付けてあるわ。配線は単純に埋めてあるかは見えないだけ。それとガスを使う家はあまりないよ。炎属性魔法を使えば片付くからね」

 

 やっぱり、魔法は何かと便利だねぇ。

 それは置いといて電気があるのなら思いついた作戦が実行できる。


「で、それがどうかしたの?」


「電力メーターってありますか?」

 

「魔力メーターのこと?」


 電気は電気でも発電したヤツではなく魔力で作った電気なんだ。 そりゃあ俺の世界より空気が澄んでる筈だ。


「多分、それです。もし潜伏しているのなら空き家ですよね?」


「アジトを使う線もあるけど空き家の可能性もあるわ」


 アジトという線もあるのか。

 でも、それは国民が報告しそうだし薄そうだ。


「じゃあ、各家のメーターを確認していきましょう。もしそこが空き家でメーターが動いてたら」


「そこに人が居る!」


「そういう事です!」


 まあ、向こうの世界での空き巣がやる手の内なんだけどな。

 今回はいい方に使わせてもらうぜ。

 良い子も悪い子も真似するなよ!


「それならボクも確認する!」


 女声で『ボク』ってまさか…。


「アリスさん!?」


 自ら逃走したのにまた出たよ!

 神出鬼没かこいつは!

 というか心臓に悪いからもう少し静かに出てきてくれ!


「…えっとどうします?」


「学園に戻ってる時間はないし…良いわ協力してもらう」


「やった~!」

 

 エレノアほどではないが騒々しいのがメンバーに加わった。

 …いや、今のエレノアなら良い勝負ができそうだな。

ということでこの章のメインヒロインはアリス・フラメルです!

錬金術が関わっているので錬金術に関連する名前の付け方となっております!

アリスは単純に活発そうな名前が不思議の国のアリスの主人公のアリスしか思いつかなかったからです。

それではまた次の話で!

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