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36話 静かに歩み寄る動乱の軍靴

第三章の最終話です!

次回からは大きな事情を抱えた少女がメインの第四章が始まります!

 捕縛されたアイザックは直ちに騎士団本部に連行され母国に強制送還されて永久幽閉となった。

 ちなみに王家の顔に泥を塗ったとして国外追放てか元老院の中では『処刑した方がいいのでは?』という話し合いがあったらしい。

 一応、あんな性格でも王族なので幽閉で済みましためでたしめでたし?

 まあ、そんなこんなで三日過ぎて学校に登校できるようになりました!

 それにしても俺ってあんまし出席してないよな?


「ご迷惑をおかけしました!」


 そして今は学園長と変装しているアヴェルに謝っている。

 アヴェルについては二日目に目覚めた時に直接聞いている。

 あの後の事後処理もその時に聞いた。

 

「龍様…頭をお上げください」


「親父に『迷惑かけたら誠心誠意の謝罪をしろ』と言い聞かされているので!本当にすみませんでした!」


 確かに俺はアイザックを倒して国家転覆を阻止した。

 けど他人に多大なる迷惑をかけたのも事実だ。


「まあ、アイザックも捕まったことだし何も問題はない。よって龍君は授業に出てください」


「はい、わかりました」


 一応、俺はエレノアを庇った事で大怪我負い入院している事になっている。

 流石にありのまま全てを伝えると俺の正体がバレてしまう。

 まあ、銃で蜂の巣にされた挙げ句に脳天ぶち抜かれたから大怪我には間違いない。

 ってかこの世界は三日もすれば大怪我は完治する認識なんだ。


「それでは龍様、またお会いしましょう」


「ああ、他の護剣にも伝えてくれ。これからよろしく」


「はい」


 アヴェルは正式には執事ではなく王の護剣(おうのごけん)という王族を護衛する精鋭部隊の一人らしい。

 それとウケを狙っているのか偶然か王の護剣には五人、所属しているんだとさ。

 王の護剣のメンバーの一人が忙しいアヴェルの代わりに護衛の任務に就くため、そのうちユルグレイト学園に転校してくるので少しワクワクしている。

 さてさて、色々なことがありましたが俺は無事、昼の授業に出れました。


「もう動けるの?」


「ああ、もうフル稼働できる」


「…言っとくけど心配なんてしていなかったから!自業自得よ」


「…今度からは無理はしない。努力はする」


 …こんなに授業を受けていなくて俺って成績赤点、取らないよな?

 ああ、そんなのしたらまた迷惑をかけてしまう。


「龍…ちょっといいですか?」


「どうしたエレノア」


 何か暗い顔だな。


「ちょ!エレノアなにやってんの!」 


 エレノアは突然、龍に抱きついた。


「助けていただきありがとうございます。でも、もうこんな無茶はしないでください!」


 エレノアが抱きついた理由、それは泣き顔をクラスの誰にも見られたくなかったから。

 最強が泣くのはいけない最強が負けるのはいけない最強が挫けるのはいけない最強が助けを求めてはいけない。

 そんなことがエレノアに鎖のように巻きついて心を縛っていた。


「ああ、約束する。その代わりにエレノアも約束してくれ」


「何を?」


「次からは一人で抱え込まずに誰かに助けを求めてくれ。生徒会長のエレノアからじゃなくて普通の女の子のエレノアとして。エレノアだって女の子なんだ。辛い時は助けを求めていいし泣いてもいい挫折してもいい。もし、そんなことをやるなと言うバカがいるなら今回のように俺がぶっ飛ばしてやる」


 龍は満面の笑みを泣いているエレノアに見せた。

 それは最強と誰からも言われていたエレノアが初めて得た『誰かから守ってもらえる』という当たり前のことだった。

 それにより安心しきったのかエレノアは龍から離れる。


「…龍、お腹、空いてませんか?」 

 

 そういえば昼ご飯、食っていなかったな。

 何か嫌な予感…。


「でしたら…。はい!お礼のサンドイッチです!」


 予感的中、早朝の時と状況が少し似てたんだよ…。

 というか何で毎度毎度サンドイッチ!?

 フィアナに助けを…。


「良かったね龍、美味しく頂きなさい」


 何でこっち向いてくれないの!

 何でそんなに冷たい口調なの!

 少しは助けてくれよ!

 お前も効果はわかってんだろ!


「…頂くよ」


 男なら覚悟を決めろ!


「はい!」


 頼む今回は無事でいてくれ俺の腹。  


「すまん…トイレって今日…何処にある?」


「すぐ横に」


「ありがと~!」


 何か前より効果が早くなってる!


「お大事に~」


「やっぱしこっちは変わんなかったー!」


 俺は今日の授業には出れなかったと言いたいとこだがなんとエレノアの料理に対する耐性を獲得した。

 吉か凶かよくわからないがさすが魔王の血を引くだけはあるな。

ということで第三章、終わりです!

それではまた次の話で!

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