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34話 英雄魔王の孫、魔王ノボル・インフェルノ

アイザックVS龍、フィナーレ!

それと前回どおり龍が暴走してしまいます!

 英雄魔王、この言葉が最も似合う魔王は世界を救った魔王ルシフェル・インフェルノただ一人。

 彼の伝説は何年経とうとも語り継がれている。

 そして今現在、伝説として語り継がれてきたルシフェルの血を受け継ぐ者がこの世界に降り立った。

 魔法も使えない、この世界のことを全く理解していない、ルシフェルとは雲泥の差。

 しかし、ルシフェルと良く似ている所がある。

 誰かを守りたいと心から想っている所だ。

 だが彼は今、世の理から外れかけている。

 扱えるはずもまだ使うことができない魔族の力を最大限に扱い擬似的であるが漆黒の片翼と大きな角が生え、身に纏った闇は鎧となり、残った闇は主の覚醒を喜ぶかのように悠々と周りを漂う。

 見開いた左目は紫から黒色に染まっている。

 止めれる者はいない彼は英雄魔王の孫だから。


(魔族!?バカな奴は人族として入学している。隠していたのか…。だが状況は何一つ変わらないこっちには人質がいる)


「来てみろ化け物!一歩でも動いたらこいつの脳天を撃ち抜くぞ!」


 体がとても軽い。

 まるで体重がなくなったようだ…。

 今なら行ける!


「エレノアはもうお前の手元にいない」


「はぁ!?…いつのまに」


 龍はアイザックからエレノアを救出した。

 そして拘束に使用していた縄を切る。


「終わらせる」 


 龍は地面を蹴り上げてアイザックに迫り宙に蹴り上げる。


「身体強化か!消え失せろ!」


 アイザックは個力を使って身体強化魔法を消そうとするが龍は驚異的な跳躍力を見せて宙に跳びアイザックの腹を蹴り地に戻す。


(バカな!素の力でこれかよ!) 


『小奴は魔法を使っていない。奥底に眠っていた潜在能力を存分に引き出してやっただけだ。貴様は無力、サンドバックになるのがオチだ』


「うおおぉぉぉぉぉ!!」


 龍はアイザックの頭を掴んで大木に投げる。

 アイザックは体勢を立て直そうとするが龍にまた押さえつけられて動けず骨を折られる。


「ああぁぁぁぁぁ!!痛い痛い痛い痛い!」  


「わめくな!」


(あれって龍?まるで別人みたい。そして怖い)


「止めてくれ!俺を殺したら国際問題になるぞ!」


「テメェが仕掛けたことだ!ピンチになってギャアギャアギャアギャア騒ぐな!」


 また龍は拳を入れてアイザックを殴る。

 大木はその衝撃で折れてアイザックは後方に転がり気絶した。


(もう戦意はないのにまだやるの!?)


「龍、もういいから止めて!」


 エレノアの言葉に耳を傾けず龍は前に進む。


「聞こえていない」


 殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!


『小奴、暴走したな。まだ鍛錬が必要ということか』


「やらせない!」


『ほう、この小娘、擬似的であるが魔族として覚醒した小奴を止めるのか』


「戻ってきて龍!」


(龍にあいつを殺させたくない龍の手を汚させたくない誰か誰か)


「龍を助けてえぇぇぇぇぇ!!」


「こっちは龍様の覚醒した姿をもう少し見たかったのですがいいでしょう」


(誰!?)


 木陰からシルクハットを被りスーツに身を包んだ(くちばし)がある鳥の顔をした男が現れた。


「離れなさい巻き込まれたくなかったら!眠り神の子守歌(ヒュプノスララバイ)!」


 龍は相手を眠らせる魔法、眠り神の子守歌(ヒュプノスララバイ)で眠らされた。


「さてさて、事の真相を知りたいので旧医療塔に来てください。学園長、龍様の相部屋の方と一緒に。それと私は魔族ですので龍様のことは御心配なく」


 そう言うと魔族はシルクハットを取ってお辞儀をし龍を連れて陰の中に消えていった。


「スゴい…」


「生徒会長!ご無事でしたか!」


「ええ、なんとか。アイザックはそこで気絶してるから拘束して」


「はい!」


 縄で拘束されてアイザックはようやく目を覚ました。


「魔族は!あの魔族は何処に行きやがった!」


「私に負けて気絶しただけですよ。変な夢でも見たのでは?」


「そんな訳あるか!」


「駆けつけた頃には生徒会長だけでした。早く立て!騎士団本部に連行する!」


 事件は解決されてアイザックは騎士団本部に連れてかれた。

 だがまだ事件は解決していない龍を止めたあの魔族の正体そして龍がどうしてああなってしまったのか。

あと二話ぐらいでこの章は終わります!

それではまた次の話で!

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