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241話 戦禍終息

龍、搬送。

「龍君!」


「ああ、クラウスさん」


「…頑張ったな」


「まあ、皇帝ですから。それとこれをお願いします。内容はその紙にかかれています」


 龍はクラウスに創造(クリエイト)で創った機械を手渡した。

 パソコンのような形状で画面には点滅する光と方角、数字が映されている。


「…わかった。道を開けろ!皇帝陛下の帰還である。第二騎士団副団長メアリーは居るか!」


 そして龍とレンは担架に乗せられて避難先に担ぎ込まれた。

 応援が到着して気が緩んだのか龍は吐血して倒れたという。

 本来ならば音を上げる筈の傷を応急措置だけして戦闘を続行して、更には何度も夥しい傷を負った。

 そう説明すれば彼の現状に誰もが納得する。

 そしてメアリーにも応援が到着して以降の現状が伝えられた。


「レンさんはかすり傷は打ち身程度ね。良かった。顔に傷は付いていない。他の方に回して私以外でも診れます。問題は…」


「主…」


「大丈夫大丈夫。何ともない…」


「城内に入れて。流石に避難先では国民の目に付いてしまいます。それと第二騎士団から軍医を三人ほど呼んで。…何が大丈夫なんですか」


 メアリーは運び込まれた龍を見て驚愕した。

 初陣とは思えないほどの重傷を負っていたからだ。

 骨折ならまだ許せたが内臓を傷つけるのは予想外。

 それにこれが将軍が敗北した姿なら理解できる。

 本当に彼は今日、初めて戦場に出た皇帝なのか?

 何処かの国の勇敢な戦士の間違いであろう。

 そのまま龍は城内の医療部屋に運ばれた。


「まず初めに私は他の方々のように陛下を労いません。私は騎士である以上に軍医として騎士団に勤めています。そして人の命が守りたくて軍医の試験で第二騎士団に入団しました。そこで何百人もの患者を見ています。当然、その中には初陣をした騎士も。しかし、陛下のような重傷を負った騎士は数える程しか見ていません。運が良かったですね」


 『重傷を負った騎士は見ていません』とあたかも初陣した騎士の大体が軽傷程度で帰ってきたと捉えられるが真相はもっと残酷である。

 『見ていない』のではない『帰ってこないから見ていない』のだ。

 初陣で死亡するような戦闘はそう訪れない。

 だが稀に初陣で死亡する騎士が見られるが運が悪いとしか言いようがない。

 そして今回は初陣で死亡するような戦闘である。

 実際に新米騎士は城内か避難先の警護に割り振られている。

 この無茶ばかりする皇帝だけが例外なのだ。


「…つまり、何が言いたいかというと私は恐れながら陛下に対して怒りを抱いております。術後にでも陛下が居なくなった世界でも想像してください。何の幸福も生まれませんよ。命ってね一度限りなのに簡単にゴミ箱に入れられるんですよ。コンテニューなんてありません。死んだらそこで終わり。…どうかその事を肝に銘じてください。意外と私達の存在って崖っぷちに置かれているんですよ」


「…はい」


「それでは麻酔をしますね。切開はしませんが魔法で骨折を治す際にかなりの痛みが生じます。初めは骨折を治して、次に内臓の修復を行います。最後に擦り傷や打撲を治しますね」


「…この世界に魔法があって良かったぁ」


 こうして重傷を負った龍の手術が始まった。

 魔法が使われる手術であるが数時間も費やされた。

 一方で手術開始と同時刻にヴィクトリアがアヴェルの肩を借りて帰還した。

 また、何故かレイはヘイスに拘束されて避難先に入ってきた。


「…で、何ですかこの不可思議な大所帯は?」


「やっぱし疑問を抱いちゃうか?」


「当然ですよ!何故か陛下の御学友のレイ君は騎士団と避難先に入ってくる。そしてあなたに関しては何ですかその傷!」


「まあ、色々あった訳よ。とりあえず報告するぞ。結論から述べると連合王と一戦交えた」


「は?」


ってな訳で次回はヴィクトリアの報告回です。

始めに龍がクラウスに渡した物はヘイスとウルミナの報告後に説明します。

まあ、大雑把に説明しますと刃以外に別のものを刺してました。 

それではまた次の話で!

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