24話 憎たらしき一国の王子
憎たらしい新キャラ出てきます!
ちなみにある国の王子様です!
噴水広場を離れて俺達は買い物をしていた。
主に俺の日用品とかを。
何故なら服をあまり持ってこなかったから。
向こうの世界の服を着てたら不審に思われてしまうためだろう。
今も制服を着ている。
そして当たり前だが『授業が終われば普段着に着替えていい』という校則がある。
「いらっしゃいませ」
そして今は服屋に居る。
「どれにする?」
「俺ってこういうの疎いんだよなぁ」
服なんて基本、あるものを着てたし。
「すみませーん!トレンドの服ってありますか?この人に」
別に流行の服にしなくてもいいんだが。
「はい!それでしたらこの白いスカートなんてどうでしょうか?」
おいおい、また女と間違えられたぞ。
別に髪はさほど長くないし間違える要素が何処にあるんだ?
「俺は男です」
「え!?すみませんでした!」
「龍って髪はサラサラでこの辺ではあまり見かけない黒髪だし、眼帯でボーイッシュな女の子に見えるのよね」
この世界の性別の認識はどうなってんだよ。
「それに俺は流行は気にしない性格なんだ。流行は過ぎれば普通の服と同じだし」
「じゃあ、この半袖は?まだ夏は続くし少し肌寒くなれば上着を羽織ればいいしね」
「ああ、よさそうだな。後はズボンも見たいな」
その後、エレノアと二人で選んだ服を買った。
服選びは女子が居てくれるとありがたいな。
ちなみにお金はルシフェル大帝国から約十万フェルほど送られてきたものを使っている。
それと『ルシフェル様が稼いだお金です。国民から徴収した金ではありませんので遠慮なくお使いください』という内容が書かれた手紙が同封されていた。
「次はどの店に行きたい?」
「そうだな…」
「おやおやこれはこれはユルグレイト王国のお姫様ではありませんか」
次に訪れたい店を考えていたら、前から如何にも憎たらしいことをしそうな貴族っぽい男が現れた。
エレノアは変装してし知り合いか?
「アイザック」
「おや?どうしたのかなそんなに睨んで。それに僕は君の…誰だねその男は?」
俺のことか?
何か言いかけていた気がするのだが。
そんな事よりこの世界にきて初めて間違えられなかったぞ。
雰囲気に反して見る目あるな。
「龍だ」
「これはこれは最近、女学園に転校してきたノボル・アケノ君ではありませんか」
さっきそう言っただろ。
「で、何をなされているのでしょうか?」
「見ての通りエレノアと買い物だ」
「エレノアと買い物…悪いがそう簡単にこの娘の事を呼び捨てにしないでくれるか?田舎貴族が」
残念だが俺は王族なんだよ。
というかお前こそ何者だ?
口調と先ほどの言葉から貴族は確定した。
それにエレノアをあたかも自分の所有物のように喋っているのが気に食わない。
「どういった権限でそんなことが言えるんだ?」
「この娘は僕の」
「止めろアイザック!」
エレノアは威嚇するかのように大声を出す。
その声からは焦りと怒りの感情が伝わってくる。
「許嫁だ」
「許嫁?」
「ああ、だから金輪際、彼女に近づかないでくれ。じゃあ僕は用があるので。さようなら愛しのエレノア」
そう言ってアイザックは迎えにきた馬車に乗り去っていった。
ああ、気持ち悪い悪寒が走ったぞ。
人の性格に文句をどうこう言うのはあまりしないがあいつは別だな。
「龍、あいつの事は忘れてね」
「ああ」
ああいうタイプってぜってぇ後から何か面倒くさいこと起こしてくるんだよなぁ。
ソースは俺、長年の勘ってヤツ?
「ところであいつってどういう身分なんだ?」
「忘れてって言ったよね?」
エレノアは少し呆れたような目つきで俺を見る。
おっと地雷を踏んじまったか?
「気になって」
「まあ、いいけど。アイザック・シュトルツ、シュトルツ騎士王国の第三王子」
「騎士王国?」
「主に騎士が戦闘や就職の主流となっている王国よ。そしてだいたい初代国王が騎士なの」
騎士って何か優しそうなイメージがあるんだけど、あいつからは逆のイメージしか感じられなかったな。
はっきり言って騎士とは程遠い性格をしてそうだ。
「先ほどアイザックが言った通り、私とアイザックは許嫁…シュトルツ騎士王国との戦争締結のために許嫁になってしまったの」
喋り方からしてエレノアは嫌がってるな。
そしてこの汚物を見たような顔、女子がするような顔じゃない。
戦争締結ってユルグレイト王国とシュトルツ騎士王国は仲が悪いんだな。
ちょっとしたトラブルが発生したが俺達は一通り、買い物を済ませて城門にやってきた。
「ここが私の家、ユルグレイト城よ」
うわーっでっけ~。
てなわけでアイザックが加わったことにより物語は始まります!
何かアイザックの名前だけはすんなり出てきました
( ̄∇ ̄)
シュトルツはドイツ語で誇りです!
それではまた次の話で!




