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221話 予定された乱入

新キャラ二名登場~。

第二の団長と副団長です。

ついでに乱入集団現れる!

予定された乱入、要するに暁の天魔です!

 騎士団の配置も終えて避難民転移作戦を開始した。

 俺は作戦開始寸前にアヴェルから『国民を安心させるためにルシフェル様の肖像画の下にお座りください』と言われたので二階に続く廊下に置いた椅子に座っている。

 とは言っても二階へと続く廊下は臨時の会議場になっている。

 地図上の駒を味方や敵と見なして動かしたり、騎士から受けた報告をメモ書きしてコルクボードに張り付ける。

 まさに本拠地らしい光景である。

 戦況は北門の第六騎士団に第五騎士団が、西門の第三騎士団に第十騎士団が、東門の第九騎士団に第四騎士団が合流して敵を押し返した。

 開始直後はかなりの頻度で報告が来たが今は拮抗しているそうだ。


「国民の半分が転移を終えました。頃合いでしょうか陛下」


「そうだな。エドワード、避難先での防衛を開始してくれ」


「承りました」


 エドワード・フォーサイス、第二騎士団の団長だ。

 そして彼が率いる第二騎士団には避難先での防衛を任せている。

 一応、避難先は比較的に穏やかで強い魔物が生息していないパークス平原にしているが念のためだ。

 さて、とりあえず状況整理をして直ぐに動けるように準備をしておくか。


 龍は状況整理をするためにコルクボードに近付き思考を巡らせる。

 だが突如として響き渡った数回の轟音により、思考は瞬時に掻き消された。

 更に轟音は動揺と混乱を招き入れて避難民が暴徒と化す。


「今度は何処で爆発したんだよ!まさか城なんじゃ!?」


「…早く行ってくれ!」


「お願い!子供だけでも入れてちょうだい!」


「どうなるんだよ!この国は!」


 やっと敵方が動いたと思いきや精神攻撃か。

 何度も轟音を響かせれば国民の心は簡単に崩れるよな。

 けどここで国民を安心させてこそ皇帝ってもんだろ!


「静まれええぇぇぇぇぇ!!先の音は城外から聞こえてきた!どうせ威嚇程度に攻撃したんだろ。それに何処の誰が戦線に出ていると思ってんだ!この国は決して崩壊しない!絶対にだ!だから安心して避難を続けろ!以上だ!」


「…皇帝陛下万歳!!ルシフェル大帝国に栄光あれ!」


「そうだ!絶対にこの国は負けないぞ!」


「皇帝陛下!」


 落ち着いたのは良いけど避難を再開してくれ。

 称えられるよりも今はそっちの方がありがたい。

 報告しに来た騎士は渇を入れずとも落ち着いているな。


「…何が起こった?」


「はっ!帝都上空にて数回の爆発を確認しました!」


「轟音の正体はそれか…」


「はい!そして爆発と共に暁の天魔が降下してきました」

 

 出現じゃなくて降下してきた!?

 流石にそれは予想の範囲外だ。


「アヴェル!」


「確かに飛空艇から降ってきています!まさか暁の天魔も作戦に参加していたとは!目測になりますが着地点は城門付近です!」


 飛空艇まで待機させていたのか!

 着地点を決めれる事から恐らくパラシュートの類い。

 ならばあいつに任せるしかない!


「…まだ居るか!エドワード!」


「ここに!」


「奴らを直ぐに纏めて北門に吹き飛ばせ!」


 龍がエドワードを選んだ理由は個力にある。

 彼の個力は四大元素の支配者(エレメントマスター)といい火、風、土、水の四つの属性を創り出して操れる。

 更に個力の影響なのか彼は、その四つの属性に連なる精霊を同時に召喚する事ができる。

 そんな彼に贈られた二つ名は根元である。

 そうそう、フォーサイス家も英傑の一人だそうな。


「承りました!被害を最小限に抑えつつ速やかに排除します!」


 そう言うとエドワードは城外に飛び出して個力を発動させた。

 そして上空から襲来した暁の天魔を全員、宣言通りに北門付近に吹き飛ばした。

 

「良くやったぞエドワード!第二波も来る可能性がある。避難先の指揮はメアリーに任せてお前はその場で待機だ!」


「お褒めに与り光栄です!そういう事だメアリー!指揮権は貴様に託す!」


「はい!これより第二騎士団の指揮はこの私、メアリー・パーカーが執り行います!」


 第二騎士団服団長メアリー・パーカー、彼女に贈られた二つ名は楽園である。

 その理由は医療系の魔法に秀でており、最強格の防御系個力の保有者だから。

 それ故に楽園、彼女が所属する第二騎士団は負傷者を出さない事で有名だ。

 そういう実績があるためか第二騎士団には復帰のためのリハビリ枠を設けている。

 ある意味では他の騎士団と最も交流している団とも言える。


「暁の天魔が乱入した。貪狼騎士団、ディルフェアン連合同様に情報を纏めてボードに張り付けておけ。それと伝令を遣わせろ!」


「既に向かわせました」


「行動が速くて助かる」


 また、対処するもんが増えたが問題はない。

 というか報告しに来た騎士はまだ持ち場に戻らないのか?

 …嫌な予感がする。


「まだ何かあるんだな?」


「はい。貪狼騎士団及びディルフェアン連合が進行を始めました」


「やっぱりかぁ。レン…」


「それも伝えるよう言っておきました」


「ナイスだ」


 暁の天魔の襲来は乱入以外にも進行の合図だったのか。

 いや、空中爆発させた時点で合図になっていたのかもな。

 …そもそも、何で地上爆発ではなく空中爆発だったんだ?

 飛空艇を用意していたのなら爆弾だって投下できる。

 それに何故、北門外での爆発が開戦の合図だったんだ?

 パレード中に帝都内で起こせば前者以上の混乱を引き起こせた筈だ。

 更にどうして降下先が城門付近なんだ?

 俺ならば容赦なく城に降り立つけどな。


「龍君!聞いているかね龍君!」


「え?あ、はい!すみません!考え込んでました!」


「そうか。無理は禁物だぞ」


「また何かありましたか?」


「いや、大した事ではないのだが一応、私はまだ代理皇帝だ。そのため同盟国の王や貴族が『我々の兵も防衛のために貸そうか?』提案してきてたんだ。そこで総司令官代理の意見を訊こうと思ってな」


 そういえば『皇帝陛下』と呼ばれてるが王冠返納は終わってなかったな。

 けど総司令官代理の役職を貰って俺が指揮を執っている。

 そうなった理由は誰よりも早く対処に動いたかららしい。

 王冠返納を終えてれば普通に総司令官という立場で動けたんだけど……。


「仮に王冠返納を終えていたらどうなっていましたか?」


「え?そりゃあ皇帝はこの国のトップだ。直接、彼らの提案を聞けただろう。無論、私も側で聞くけどな」


「つまり、その状態だと決定権は俺にあると?」


「我々、五王家当主も口出しはするが君はこの国の皇帝だしね」


 戴冠した直後ならば俺は皇帝としてここの場に居た。

 だが偶然にも奴らの襲来に気付き戴冠は中止された。

 違う!開戦どうこうの話の前にどうしてあのタイミングなんだ!?

 そに何故、王冠返納の儀という俺が最も安全な場所に居る時を狙ったんだ!? 

 というか奴らは国際規模で動く犯罪シンジケートだぞ!

 その割りには全く避難先である城に攻めてこない!

 …そもそも、奴らはこの国を落とすつもりがあるのか?

 よくよく考えれば現在の帝都には第七と第八以外の騎士団が集結しているんだぞ!

 大帝国最強の騎士が一ヶ所に集ってんだぞ!

 『国を落とす』や『俺を殺す』といった目的はないのか?

 

「…そうか!これが目的だったんだ!クラウスさん、仮に俺が王冠返納を終えた状態で国民、もしくは来賓している王や貴族が傷付く、もしくは死んだら誰が責任を取ることになる?最悪、惨敗して帝都が半壊したら誰の責任だ?」


「皇帝である龍君だ。…道理で勢いがない訳だ!」


「ああ!奴らは国を落とすつもりや俺を殺すつもりなんてない!この世界での俺の居場所を消すために攻めてきたんだ!」


簡単に説明すると戴冠直後の龍に全責任を押し付けて玉座から引きずり下ろすために攻めにきています。

ある意味では龍は殺されたとも言えます。

まあ、詳しくは次回に。

それではまた次の話で!

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