表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/276

198話 確認試験

確認試験をした後に次の目的地に向かいます!

それと少しだけヴィクトリアの昔話をします。

 龍は対空兵器の砲撃確認試験を見学しにヴィクトリアの後に続いて異空間内に構築された試験場に入った。

 試験場への入口は整備している兵器の後ろに設置されている。

 班長の指紋、虹彩、魔力を認証したら開く仕組みだ。

 これは兵器を起動する時も使用される。

 また、異空間内に試験場を造ったのは騒音防止と兵器を楽に移動させるため。 


「少年と私はモニター室で見学だ」


 更に試験場には兵器の威力や不備等をチェックするためのモニター室もある。


「あれは超巨大種迎撃用六連発式魔導砲星落(せいらく)だ。平たく言えば普通の六連発式銃を大砲サイズにしたもの」


「超巨大種ってことは竜種用ですか?」


「いや、竜種以外にも飛行する超巨大種は居るよ。鳥とか虫とかね。大きくて鯨ぐらいかな?」


 超巨大な虫とか遭遇したくないな。

 というかそんな奴ら普段は何処に生息してんだよ。


「お、始まるぞ」


 モニター室の外に居る整備士が砲撃の準備を始めた。

 そして対空兵器の前には竜の形をした目標物が置いてある。


「右斜め十五度に補正!上斜め五度に補正!擬似ターゲットへの標準固定完了!」


「砲弾装填完了!起動用魔石セット!魔術回路の起動を確認!」


「安全確認よーし!砲撃音に備えろ!カウント開始!三!二!一!発射!」


「……擬似ターゲットへの着弾を確認!」


 砲弾は半円を描きながら擬似ターゲットに着弾して爆音を上げる。

 整備士は双眼鏡で着弾したのを確認するとレバーを回して砲弾を次の物に移し替えた。


「標準補正問題なし!次弾装填完了!安全確認よーし!砲撃音に備えろ!カウント開始!三!二!一!発射!」


「……擬似ターゲットへの着弾を確認!」


 次々と砲弾は擬似ターゲットへ着弾していく。

 男共が発する大太鼓のような逞しい声は轟音よりも体の奥に響いてきて真剣さが伝わってくる。

 この光景を見てから『好奇心を隠せ』と言われても無理がある。

 気弱な男子でも目を輝かせながら興奮する筈だ。

 砲弾は全て放たれて確認試験は終了した。

 

「確認試験終了!星落(せいらく)に異常なし!次の整備に移行する!」


「…感想は聞かなくてもその顔を見ればわかるか。さてと昼過ぎだしレストランに行くか。要するに昼飯だ昼飯。食わねば働く気も失せるってもんだ」


 その後、二人は昼食を取るために乗客や見送りの人が利用できる二階のレストランに移動した。

 レストランと言ってもショッピングモール等の食事所と同じで各店のカウンターで注文した後に適当な席について食すようになっている。

 また、社員も使えるので昼を迎えると昼休み中の社員を良く見かける。

 故に昼食を取りに来た社員はヴィクトリアを見かけると我先にと質問をしに寄ってくる。

 そのため龍はヴィクトリアから少し離れた場所で昼飯を食べていた。

 当然だが食事中の上司への質問はマナー違反だ。

 しかし、ヴィクトリアは嫌な顔をせずに全ての質問を普段通りに答えている。

 普通では考えられないがヴィクトリアは食事中の質問を許しているのだ。

 なので大して珍しい光景ではない。

 それにヴィクトリアは普段から空港内を巡回しており、困っている社員を見かけると直ぐに駆けつけている。

 というかヴィクトリアは社長室を持っていない。

 その事は『椅子に座ってふんぞり返っているのなら、お前達の様子を見るために巡回した方がマシだ。だから私に部屋はない。質問があるのなら遠慮なく見かけたら訊けよ』と新入社員説明会の時に語っている。

 ちなみに肝心のヴィクトリア自身がやる仕事は巡回前に済ましたり巡回と並行して行っている。

 

「待たせたな。悪いけど先に降りた場所に行っといてくれ。次の見学先に行く前にやることあるから」


「俺でもできることなら手伝いますよ」


「向かう場所がバレるから大人しく待ってな」


 俺が手伝ったら次の見学先がわかってしまうのか。

 じゃあ、言われた通りに先に降りた場所で待っていよう。

 

 ヴィクトリアは竜車を乗用竜車から荷物を運搬する荷竜車に替えて数十分ほど遅れて待合い場所にやってきた。

 また、運搬する荷物が多いからか同じ大きさの荷台を引いてる竜車を四台も引き連れている。

 

「…何なのこの大荷物」


「先頭の私が操る竜車に乗り込め。こう見えても操竜免許証そうりゅうめんきょしょう持ちだ」


 操竜免許証そうりゅうめんきょしょうとは大雑把に説明すると異世界版運転免許証の事である。

 長命種以外は満十四歳以上から長命種は百歳以上から取れる。

 ちなみに竜騎士になるには特殊操竜免許証なるものを取る必要がある。


「普段から運転するんですね」


「いや、冒険家時代に移動手段として念のために取ったものだ。しかし、どうか御安心を。頻繁に使っておりました。ヘイスとウルミナが持ってないから」


「あの二人と知り合いなの?」


「幼い頃からのな。双子の兄と一緒に旅してた」


 ヴィクトリアって双子の妹なんだ。

 だけど普通ならお兄さんの方が当主になるよな? 

 何かしらの理由で当主の座を譲ったのかな?


「兄の方は第四騎士団で団長をやっている」


「団長だから当主になれなかったのか」


「団長でも当主になれるぞ。カリスマ性はあるが商売とかに関しては私の方が優れていたから強制的に譲らせた」


 なるほど自分を当主にした方が安泰するから奪ったのね。

 それにしても第四騎士団ってあれだよな?

 アイザックが所属する事になった騎士団。


 そんなヴィクトリアの昔話を交えながら竜車は徐々に目的地に近づいていた。

 そして龍はそこで帝都インフェルノの暗黒面を知ることになる。

ってなわけで次回は次の目的地で特別見学!

普通なら王族は訪れない場所です。

そんで帝都の暗黒面となるともうわかりますね。

それではまた次の話で!


それはそうと馬車が引くあれの名称って何なの?

荷台であっているのかな?

ワゴンとかもあったけど…。

名前を付ける並みにそれに時間を割きましたσ(^◇^;)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ