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181話 王の墓

というとで墓参り!

要するに龍の入城をインフェルノ城で眠るルシフェルに伝えるための墓参りです。

以上で~す。

「うわっ、風が強いですね。吹き飛ばされないよう気をつけてくださいね主」


「ああ」


 風の強さからしてかなりかなり高い階層だな。

 そして屋外、城下が見えるから城外には転移していない。

 他にも高い場所があり、ここは三番目だ。

 また、下の階から上がってくるための階段はない。

 ってことはあの扉を通らないと来れない場所か。


「あれ?アヴェルじゃん」


「お待ちしておりました陛下」


 アヴェルが名前で呼んでくれない…。

 一応、メイドも居るし仕方ないのかなぁ。


「他の三人は?それとここ何処?」


「三人は既に会場で待機しております。ここは初代皇帝ルシフェル様の王墓です」


「爺ちゃんの墓」


「はい」


 確かにこの場所の中央には祭壇のような物がある。

 メイドとアヴェルの後に続いて祭壇に上がると初代皇帝ルシフェルの石像が現れた。

 そして真下には『ルシフェル大帝国初代皇帝にして英雄魔王ルシフェル・インフェルノここに眠る』と石碑に掘られている。

 正真正銘、爺ちゃんの墓だ。


「『城下を見渡せるよう城の高い所に埋めてくれ』と遺言書に書かれていましたのでこの」


 アヴェルは何故、この階層にルシフェルの墓があるのか龍に説明しようとしたが途中で中断した。

 龍が誰にも言われることなく自ら進んで、ルシフェルの墓前で拝んでいたからだ。


(…百十六歳とは言えまだ意思を持ってから日が浅い。それなのにこれから行うことを良く理解しておられる)

 

 アヴェルは内心では驚いたが龍と同様に拝む。

 ルシフェルが眠る王墓の間を食事会の前に訪れた理由はルシフェルに龍の入城を伝えるためである。


「…何というか本当に自分の民のことしか考えてないんだな。俺には到底、真似できない。死んでも見守りたいって心配性すぎんだろ」


「それと墓参りに来た際に騎士が連れ添った民が居る場合がありますが気にしないでください。日にちと時間を定めて民衆にもこの場を解放しております」


 おっとこれは出くわさないように日にちと時間の確認をしとかないと。


「そういえばゴブリード家の当主に会ったんだが幼馴染み?」


「ええ、本家の方ですしね。…ゴブリード家の当主?」

 

「うん。ゴブリード家の当主に助けられた」


「申し訳ございません陛下。食事会の方ですが欠席してもよろしいでしょうか?」


 もしかしてアヴェル、シャルロッテさんに何か握られてる?

 …何か面白くなりそうだから、


「却下で」


「まあ、そんな気はしてましたよ」


「では一度、次元扉の間に戻ります。そして再び扉で食事会を行う見晴らしの間がある階層に行きます」


 その後、俺達は次元扉も間に戻り、再び次元扉を通って見晴らしの間という部屋がある階層に移動した。

 今度は屋内に移動したが何故か暗くて人気がない。

 まだ日が沈みだした頃なのに。

 ところが奥に進み出すと壁にかけてある松明に火がついた。

 魔王城にありそうなあの演出である。


「この扉の先に五王家の当主の方がお待ちしております。無論、陛下が明日、得ることになる魔王の称号を持っています」


「魔王って称号なのか?」


「はい。五王家の当主になった時点で称号が先代当主により、譲渡されます。では我々はここで、良い御時間を」


「ああ、ありがとう」


 そう言うとメイド達はこの場を立ち去った。

 …さてと『今から食事会をしますよ!』っていう雰囲気ではなく『貴様の全てを見極める』っていう雰囲気しか漂ってないが行くとするか。

 まあ、この食事会はどう考えても俺が皇帝としてこの国を治める器に足る存在か確認するための場なんだろうな。

 ああ、ぶっちゃけると俺ってこういう堅苦しい場所って苦手なんだよなぁ。

ってなわけで次回は遂に食事会!

まあ、龍の器を確かめる食事会ですね。

なのでピリピリムードで行きます。

五王家の当主の年齢は龍のお父さんと同じぐらいの魔族です。

魔族基準の同じって人族では『ああ、五歳しか離れてないのか』が『ああ、五十歳ぐらいしか離れてないのか』ってことになるんですけどねσ(^◇^;)

長くなりましたがそれではまた次の話で!

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