18話 お決まりの展開
侵入者を捕まえた後の後日談です!
まあ、ほのぼのいきます(*´ω`*)
龍とフィアナが侵入者を捕縛した後、魔物は生徒会やユルグレイト学園所属の騎士団によって倒された。
そして魔物が発生した現場は二次災害の危険があるという理由から立ち入り禁止になっている。
一方、侵入者を倒した龍は三日間の猛特訓や決闘、侵入者の戦闘により疲労が蓄積したのか、その場で気絶するように寝てしまった。
「…頭、痛ぇ」
確かあれから…何も覚えてねぇ。
てか、ここ何処だ?
この部屋は知らないな。
というか何か体が重いぞ上手く起き上がれない…。
「うわっ!」
何でフィアナが居るんだ!?
「う~ん」
あ、起きた。
とりあえず訊くか。
「起きたんだ」
「ああ、早速で悪いがここは何処だ?」
「第二医療塔、要するに病院よ。それと眼帯、破れてたから替え持ってきたわ」
「サンキュー。で、何でお前が居るんだ?自分の部屋あるだろ?」
「えっとそれは…決闘の結果。そう!決闘の結果を伝えにきたの!」
ああ、決闘の結果ね。
『もう一戦』ってなら俺は降参するぞ。
「結果は引き分け。ところであんた何を企んでいたの?」
「引き分けを狙ってた」
「何で?」
「引き分けになれば双方の利点を取る。俺の場合、『この学園に残る』でお前の場合、『部屋の所有権を得る』になる筈だ。おめでとう、部屋はフィアナのもんだ」
「そう。あの、そのことでなんだけど」
フィアナが何か言おうとした。
しかし、それを遮るように病室のドアが勢い良く開きジェイスが入ってきた。
そしてジェイスはどういう訳かまだ動きたくない俺を持ち上げて病室から連れ出す。
「おう!目を覚ましたか!いきなりだがちょっと来てくれ!」
マジでいきなりだな。
有無を言わせずに連れ出すのかよ。
俺はもう少しだけ休みたいんだけど。
てなわけで風紀員会室。
「何で風紀員会室なんですか?」
「龍君、風紀員にならないか?」
「へ?」
「龍の個力は風紀員で役に立てる。風紀員は街に出て警備をしたりするから個力で拘束器具を作ったりして…まあ、色々とできるから」
なるほど風紀員に入って功績を上げれば周りの見る目も変わる。
それにシアン先輩は学園長の養子だ。
そのシアン先輩が風紀員長を務めているんだ。
だったら周りはそれなら安心だって思う筈…。
それに魔王の座を継ぐ事にになるとそういうことを活かせる機会もあるだろう。
何より風紀員は前の学校でやっていた断る理由はない。
「わかりました。引き受けます」
「感謝する。それと君の第二の個力の正体がわかった。数百年前に発現してからそれ以来、一度たりとも発現されなかった個力だ。その名は世の理に叛逆せし神の魔眼だ。またの名は真理の破壊者だ」
「真実の破壊者?…名前で予想はできますが能力は?」
「世の理に叛逆…つまり、世の道理をねじ曲げる。例えば『致命傷を負った』のならそれを無効化して『生きる』というありえない事ですら成し得る。そして『力がない』のなら『力がある』という真実に塗り替えてしまう。限度はあるが最強の個力の一角だろう。やろうと思えば天候すら思うがままに操れる筈だ」
おっと無茶苦茶なことを可能にするチート級の個力を入手しました…。
死んだ事を無効化するってやっぱり三度ほど死んでたの俺!?
この個力を所有してて良かった~。
「それともう一つ聞いてくれ」
「何でしょうか?」
「その個力は伏せておいてくれないか?それは数百年前から発現されていない個力だ。仮にその事が知られたら君は研究機関のモルモットになって正体がバレてしまう」
「スゴい力ですけどモルモットになるのは嫌だし…わかりました。なるべく努力します」
まあ、珍しい個力だし、研究機関からしたら喉から手が出るほど欲しがりそうだしな。
というか研究機関に協力するとか懇願されても断る。
…廊下から足音が聞こえるな何か急ぎの用か?
「ちょっと待ちなさいよ!!いきなり連れ去るとかありえない!」
あ、フィアナのこと完全に忘れてた。
「あたしのこと無視するな!」
「ちょうどいい。フィアナ、お前に話しておくことがある」
「何よ!」
フィアナは今にも噛みつきそうな顔で龍を連れ去った元凶であるジェイスを睨んだ。
これに関しては周りを見ずに行動したジェイスが悪い。
「龍君は魔王ルシフェル様のお孫さんだ」
「へ?ちょっと待って…。急すぎてわからないんだけど…つまり、これはあの大帝国の王子ってこと?インフェルノ王家の正統後継者!?」
これって言うな。
というか、
「インフェルノ王家?」
「龍の本当の名字。帝国の名前は建国者の名前つまりルシフェル様の名を取ってルシフェル大帝国と呼ばれている。今はルシフェル様の右腕だったバアル様の子孫、ベルブゼラ家が代理として治めている」
『魔王』って呼ばれてるからには国ぐらいあるわなぁ。
…大帝国ってかなり領土が広そうだな。
そんだけ世界に影響を与えたってことか。
「…マジで」
「そうらしい」
俺もまだ混乱してるから訊かないでくれ。
それに訊かれても俺からは正しい答えは返ってこない。
だって数日前にその事を知ったから。
「どうだ!ルシフェル様のお孫さんと戦った感想は!」
「これって国際問題に発展しないかな!?ユルグレイト学園、攻め落とされないかな!?もう無理!死にそうなんだけど!何これ何これ!?」
おいおい、お宅の娘さん混乱してるよ。
脳筋だけあって思考回路が正常に働いてねぇな。
「まあ、よろしく」
「あ、はい」
「言っとくが誰にも話すなよ」
かくしてフィアナに俺の正体が伝えられたのであった。
何か俺の時より雑だな。
次回でフィアナ編終了!
次の章は名前は出てきていませんが作中に立ち位置(?)として登場したキャラ中心の章となります!
それではまた次の話で!




