178話 強欲の当主
ゴブリード家当主登場!
なお、アヴェルの従姉です。
となると初代当主のリティには弟か妹が居たことになります。
それはまた今度(*´▽`*)
ああ、自分の家に帰宅しただけで不審者の仲間扱いされて現在、牢屋に護送されている最中とか陸斗と千草に言えねぇわ。
レンは必死で訴えているが衛兵は聞く耳持たず。
試しに俺も『皇帝陛下の御顔は御存知でしょうか?』と聞いてみたが衛兵は『言い訳は牢屋で聞く』と返してきた。
おいおい、衛兵に教育が行き届いていないんじゃないのか?
ハハハ、テメェらの弁明は玉座の間で顔を合わせた時に聞いてやるよ。
「どうしましょう主?このままじゃあ犯罪者のレッテルを張られますよ」
「もう、知らねー。とりあえずレンは謝罪の言葉でも考えておけ。後で始末書を書かす」
「うげぇ」
さてさて、俺も謝罪の言葉を考えないと。
仮にこのままの勢いで牢屋に放り込まれたら食事会に間に合わない。
天からの助けが降りてこないものかねぇ。
強引に逃走しても良いが印象が悪くなるからなぁ。
上に立つのなら印象ってマジで大切なモノになるからな。
…あれ?衛兵がいきなり止まったぞ。
しかも跪いている。
どうやら漸く俺のことに気づいた…訳ないな。
跪いてる対象は前から歩いてくるフリルドレスを着た貴族の少女か。
「御忙しい中、御越し頂きありがとうございます。食事会は見晴らしの間にて行われます。陛下の準備が終わり次第、開かれますのでどうか御早めに」
食事会って俺の準備が終わるまで待つことになるのか。
それってアヴェルがこの現状に気づくまで始まらないぞ。
ちょっと待て!食事会に出るのこの人!?
…ってことは五王家の当主!?
「妾が遅れたことがあったか?それよりも…その者らは?」
「城内に侵入した輩です。危険ですので近づかないようお願い致します」
「城内に侵入したとな?これは傑作じゃな!…笑うのはこれぐらいにして」
雰囲気が変わった。
先ほどまでとは別人だ…。
殺気を俺に当てないよう気をつけているようだが完全にキレている。
それよりもレンにも多少、当てている。
これが五王家の現当主!
「主ら不敬であるぞ。一族郎党、存在ごと消される覚悟があるのか?仮に牢屋にこの御二方を入れてみろ。妾が直々に主らの首を落とす。さあ、妾がまだ寛大なうちに解放せよ」
「いえ、しかし」
「ほう、口答えするのか?」
「…承知致しました」
か解放された…。
流石、五王家の当主、たった数秒で解放してくれた。
っというかレン、確実に叱られるぞ。
まあ、日本に住んでたからそれなりに穏便で済むと思うけど。
「さて、知らされてはいないとはいえ陛下を拘束した衛兵共にはどのような罰を下すのかな?」
「それなんですけど牢屋に入れられなかったのでないです。それよりも助けていただきありがとうございます」
衛兵達は龍とレンが言っていたことが本当だと気づいたのか跪いて震えていた。
龍が『お咎めなし』と言っても止めないであろう。
「うむ!礼儀正しく育てられたようだな。妾はそういった坊主は好きだぞ!…それと」
五王家当主は目線をレンの方に流して不適な笑みを浮かべた。
何か陰鬱なことを言う感じではなく、面白がっている感じだ。
多分、面白いことがあると首を突っ込んでいくタイプだな。
「子犬みたいに震えおってそんなにも妾に叱られるのが怖いのか? 安心せい叱りはせんぞ。ラスト様の命でこの世界から離れておったからな。まあ、アヴェル君を弄る材料を入手できたしな」
うわっ、あのアヴェルが君付けされてるよ。
ゴブリード家の分家のアヴェルを君付けするってことは親しい間柄の人だよな。
要するにこの人は、
「もしかしてゴブリード家当主の方ですか?」
「ええ。妾はシャルロッテ・ゴブリード、お初にお目にかかります皇帝陛下」
ではさっさと食事会の準備をします!
おそらく、まだ食事会は行われません。
もう少し進んでからかな?
それではまた次の話で!




